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♯29 日常で世界を変える(藤枝編)10月9日

 昨日、近藤からきた連絡で俺は、ここに来ていた。まさかSNSで充実した毎日を送っている近藤が俺に連絡してくるなんて思わなかった。

 近藤「悪いな、わざわざ来てもらって」
 俺 「どうしたんだ?」

 バイトの時と違って、とてもおしゃれだった。さすがと言わざるをえなかった。

 近藤「お前に手伝ってほしいことがあって」
 俺 「手伝う?」

 なんだろうか?コイツに言われると不気味だ。

 近藤「ああ。実は、俺来週から業務委託しようと思ってて。それを手伝ってくれないか?」
 俺 「ええ、なんだよそれ」

 まさかの依頼だった。

 近藤「おもしろいから、暇だったらやろうぜ」
 俺 「迷うな」

 コイツの提案には簡単にのめない。

 近藤「お金も払うし」
 俺 「それはありがたいけどな」
 近藤「嫌なのか?」

 すぐ即答できないもどかしさがあった。

 俺 「嫌とかはないんだけど、他のところからも誘われてて」
 近藤「どこから誘われてるんだ?」
 俺 「東京の会社だよ」

 コイツに言ってもわからないだろうな。

 近藤「なんていう会社?」
 俺 「緑黄色会社ってとこ」
 近藤「知ってる」

 なんでコイツが知ってるのか。偶然か?それとも、、、、、。

 俺 「まじ?」
 近藤「それって、聖徳高校の奴いるだろ」

 そう言えば、毎回、聖徳の生徒の名前が出てくる。

 俺 「ああ、噂の子ね。なんで知ってんだ?」
 近藤「そりゃあ、母校の子のことくらい知ってるよ」
 俺 「さすがだな」

 そんな有名なのか。俺は、まったく知らないな。

 近藤「高田真波って言えば、OBでも知ってる奴は多いよ」
 俺 「そんなに凄いのか?」

 やっぱり俺は流行りにうとい。

 近藤「ああ。そりゃあ、凄いよ。頭もいいし顔もいい。全てが揃ってるよ」
 俺 「そっか。というか、なんでお前は知ってるんだ?」

 話を戻した。

 近藤「俺も元々は、東京で働いてたんだよ」
 俺 「そうだったんだ」

 知らなかった。コイツが東京にいたなんて。まぁ、大手企業なんだからその可能性はあるのか。

 俺 「もしかして、会社やめたの最近なのか?」
 近藤「ああ。1週間前だ」
 
 行動が早すぎる。どんだけ計画たてて辞めてるんだよ。さすがとしか言いようがない。

 俺 「バイトもやることは決まってたのか?」
 近藤「ああ。決まっていたよ」
 俺 「お前の行動力には驚かされるよ」

 近藤は、おどけながら話を聞いてくれていた。近藤についていくのが正しいのか?俺はさらに迷ってしまっていた。

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