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♯21 日常で世界を変える(藤枝編)10月1日

 俺は、一昨日会ったことを1から10まで説明する。大山の反応を見ると、ようやく理解してくれたのがわかった。会社を創るなんて、覚悟がないとできないことくらいわかる。その上で、河野に会うことに決めたんだ。あとは、なるようになるさ。

 大山「なんだよ、その展開」
 俺 「自分でも信じられないよ」

 何がなんだか俺もまだわかっていない。

 大山「じゃあ、会社つくるのか?」
 俺 「何も決めてないよ。第一、そんな簡単にに起業なんてできると思ってないしな」
 大山「そうか」

 どこか安心した表情だった。大山からしたら、俺が載せられていると思っているのだろうか?それだったら心配には及ばない。

 俺 「なんだよ、起業してほしいのか?」
 大山「俺の人生じゃないから、しらねぇよ」

 そこそこの企業に勤めている大山は、俺の行動は理解できないと思う。

 俺 「そりゃあ、そうだよな」
 大山「でも、起業するなら連絡くれ」
 俺 「なんで?」

 少し顔をひっこめて答えた。

 大山「もしかしたら、手伝えることがあるかもしれないだろ?」
 俺 「いいこと言ってくれるねぇ」

 自分のことをそこまで考えてくれるのは素直に嬉しい。これからどうなるかわからないからこそ、挑戦したくなる気持ち。この気持ちと上手く折り合いをつけなければならなかった。

 大山「ハハハハ。褒めても何も出ねぇよ」
 俺 「何も出ないのかよ」 

 ゆっくりとツッコンだ。

 大山「当たり前だろ。いつ行くんだ?」
 俺 「明日」

 明日、カフェで俺たち4人は会うことになっていた。古谷からは、どんな会社なら創ってみてもいいか考えて欲しいと提案を受けた。俺が創るなら、会社というよりは飲食店だな。俺は、料理できないけど接客ならできると思っていた。営業で鍛えた話術がいきるんじゃないか。

 大山「今度は、24時じゃねぇだろうな」
 俺 「ああ。明日は、13時だ」

 きっぱりと伝えた。

 大山「よかったよ、それは」
 俺 「心配すんな。なんとかなるさ」
 大山「わかったよ」

 古谷や河野にどう思われるかは、俺にとってはどうでもよかった。それよりも、自分にもっと刺激を入れたかった。こんなことを言ったら、また親にも怒られるのだろうけど、今の俺は、会社員時代とは全然違う。

 俺 「大山だったら、どんな会社があればいいと思う?」
 大山「俺は、SNSの運用とか興味あるかも」
 俺 「それって難しいの?」

 SNSの広告運用について語り始めた。

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