♯28 日常で世界を変える(藤枝編)10月8日
近藤の部屋を出て1日が経過した。何も言わず帰ってきたが、その後連絡はなかった。そう言う奴は、どこにでもいるんだけど、なんとも思っているのだろうか?俺は不思議だった。彼女である間永も一緒に住んでないし。いろいろ気になる部分は多い。11月までの残りの22日間で、俺は近藤のことを詮索しようかと思った。そんなことをしている暇はないはずだけど。それくらいしかすることもなかった。間永は、高校時代は帰宅部。近藤が野球の大会などある時は、いつも見に行っているイメージだった。しかし、大学時代からは何をしているか知らない。
さっそくSNSをチェックすることにした。時刻は、もう18時を過ぎようとしていた。ポケットに入っているスマホを手に取り、アプリを起動させる。た。友だちとの楽しい写真が次々とアップされていた。俺は、自然に指先を動かし、ア友だちの投稿やその友だちの旅行の様子、そして美味しそうな料理の数々。こんな写真を見ると、俺のワクワクが止まらない。旅行にも行ってみたいし、料理も食べてみたい。俺は、あまり投稿しないからわからないけど、投稿する人は、自分が撮った写真をシェアしたいと思うんだろうな。写真を撮る時から、投稿を意識してるんだろうと思う。俺は、自分のアカウントを開き自身の投稿がいつだったのかふりかえった。最近の投稿は、約5年前。まだ、社会人になりたての頃だろうか?
彩音と旅行した時に撮った景色の写真や料理の写真がアップされていた。俺は、あんまり友だちとかと写真をあまり投稿しない。なんか自慢みたいであまり好きじゃなかった。けど、鎌田や伊東たちは俺と撮った写真がたくさんあった。スマホをスクロールをしていると、この前、伊東が撮った写真が上がっている。その瞬間を思い出すと、俺は思わず笑みが溢れてしまう。おそらく、に、ストーリー機能を使って、楽しい時間を切り取っていたんだろうなと勝手に頭の中で妄想をしていた。俺は、その伊東のアカウントへと移動し、最新の投稿をチェックする。俺と撮った写真は、約50もの「いいね!」が押されていた。さらに、いくつかのコメントも残されており、伊東がやりとりした形跡がある。すると、不意に画面の上に通知の表示が目に入った。SNSを閉じ、通知を確認する。通知の主は、まさかの近藤だった。近藤の連絡内容は気になったが、とりあえずスマートフォンをポケットにしまい歩き始めたのだった。