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♯33 日常で世界を変える(藤枝編)10月13日

 今日家を出たのは午後2時。昨日準備したリュックを持って新しい自転車。もう秋ということもあり、以前と比べると少しずつ寒くなってきていた。昨日、準備していたパーカーを着て、俺は自転車にまたがっていた。自転車を漕ぎつづけて約1時間が経過した。周囲の風景が徐々に変わっていく。俺は、いつしか田舎の小さな村にきていた。ペダルを踏むたびに、これからどうなるんだろうという好奇心が胸の中でいっぱいだった。道端には色とりどりの花が咲いていたが、もうすぐ冬だから枯れてしまうのかと思っていた。風とともに、花も揺れていく。まずは、近くの山を越えたとこりにある小さな湖だった。俺の予定では、彼湖のほとりで昼食を取りこれからのことを考える予定だった。    
 そこに着いてどうしても嫌ならやめればいいと考えていた。そこの湖は昔行ったことがあり、その時は、静かな水面を眺めることができた。もう一度あの景色を見たいと考え俺はこのルートを考えることにした。旅の疲れを癒すつもりだった。自転車の車輪が地面を叩く音がキレイに聞こえてくる。俺は、徐々にこぐペースを上げていく。ここから不規則な道に入っていくようだ。曲がりくねる道はなんだか久しぶりだった。
 本当にこれが正しかったのかどうかは今でもわからない。こんな方法じゃなくても何かつかめるんじゃないかとすら思ってしまう。旅の一日目のスタートはなんだか不思議な気持ちだ。今度は坂道が見える。急な坂みたいでさっきよりもよりいっそうしんどくなると考えていた。けど、この坂を登れば眺めもよくなるんじゃないかと胸の期待を膨らませた。必死にペダルを漕ぐと、また新しい景色が見えるんじゃないか。もっと速く、もっと速く。自分に言い聞かせていた。息が乱れるが、その全てが心地よい。風に乗って運ばれてくる甘い果実の香りが鼻に入ってくる。ここの近くに果樹園があるのか気にな流。坂を登り終えたが、そこにはまだいい景色は見えなかった。そろそろ疲れたな。俺は、少し足を止めて休憩しようと思った。湖に行く前に一度留まることにした。自転車をとめ、立ち止まる。緑の草原から高い山々などここからだといろいろなものが見える。さっきまで漕いでいた疲れて上がっていた心拍数も落ち着いてきた。夕食をどうしようかな。すると口がゆっくり開いていく。あくびが出てしまった。出る前にもっと寝とけばよかったなと俺は思ってしまいながら俺は口を覆った。

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