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♯24 日常で世界を変える(藤枝編)10月4日

 昨日の21時頃だっただろうか?大山の家に泊まっていたこともあってか、気がついたらずっと寝ていた。時刻は、もう13時だった。これは、1日を無駄にしてしまう。そう言い聞かせて俺は起き上がった。冷蔵庫に閉まってあった水が入ったペットボトルを取り、口の中に入れ込んだ。そして、机に置いてあるスマホを手にもち、溜まった連絡を返すことにした。彼女の彩音、昨日まで会っていた大山、友だちの三森、職場の先輩から連絡がしていた。
 全ての連絡を返し終えた俺は、これからの自分と向き合っていた。今の俺には、大きく3つの選択肢があった。一つ目は、古谷の会社で働くこと。二つ目は会社をつくること。三つ目は、他の会社を探すこと。どれも決め手にかける。自分に何が向いているかはわからないけど、一人で何かをしてみたいという気持ちになっているのは事実だった。問題は何をするかだ。いろんな人に会うのがいいのかな?俺は頭の中でどんな人がいるのか考えた。最初に思い浮かんだのが、前の職場での取り引き先で仲の良かった上澄。
 上澄とは、1ヶ月に1回はご飯に行く仲だった。かざらないアイツの性格がとても心地よかった。上澄は、俺と同じ年齢で取手西高校ということもあり、地元もわりと近い。上澄は、フリーランスとして働いている。普段は、仕事の話などせず、いつも共通の趣味であるスポーツや恋愛の話をしていたのだ。ちょうど来週あるスポーツサークルに行く時に話を聞いてみようと思った。働いていないのにサークルに行っている場合ではないのだろうけど。俺は、スマホのスケジュールを確認した。上澄と会うのは、11日みたいだ。
 ただ、11月にはお金も尽きるし新しいことを始めたい。手っ取り早くバイトでもしようかな?ここら辺でバイトってなると、やっぱり飲食店だろうか?ここら辺は飲食店が多く、求人を探しているチラシもよく見る。めんどくさい気持ちもあったが、バイトをすれば焦る気持ちも抑えられるし、決める時期を遅らせることもできる。問題は、やっぱり彩音だろうか。彩音は、早く結婚したいと心では思っていた。決して口には出さないのだろうけど。そう考えると、やっぱり今は人生の岐路の気がしてきた。ここで何を選択するかによってこれからの人生も変わる。これは、この前会っていた河野に言われたことだ。もし、ここで選択をミスれば後悔する。だから、後悔しない選択をするようにとアドバイスをされたのだった。

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