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私だけの音楽 第2話 ロカビリーのこと
私は23歳の頃、ロカビリーに行き着いた
エルビス・プレスリーやオールディーズのCDを図書館で借りてくるくらいしか出来ずに情報がなかったが(ネット環境がなかった)
私のファッションヒーローの兄やベーシストの友達が
StrayCatsやMAD SINを教えてくれた
「行き着いた」としたのは、多分ここが終着点だと思っているからだ
ロカビリーを知らない人はこちらを参考に
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%AB%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%BC
少し前に新しいエルビスの映画が上映されていた
ライブシーンは圧巻で、鳥肌が立った
初期のエルビス・プレスリーはロカビリーの元祖とされ唯一のロックンロールキングだ
もみあげがもじゃもじゃで袖がヒラヒラのぽっちゃりのイメージしかない人は少し掘ってみるといいかもしれない
ここを押さえとかないと始まらないからだ
レトロ音楽のリバイバルと揶揄される事もあるが
キラキラとしてノリの良いネオロカや
B級ホラーやパンクに傾倒したサイコビリーと
ブルースを基調とした様式美を保ったまま進化をしている
色んな意見があるが自分はそう思っている
しかしながら、私のような半端者が勝手な事を書くと
「そうじゃない」と怒られそうなので時代の経緯はほとんど割愛させてもらうことにする
以下、それこそ感想だけで
好きなんです
入り口はやはりブライアン・セッツァーだった
なんの前触れも知識もない状態で聴いたStrayCatsのゴキゲンなロックンロールに衝撃を受け一気にのめり込んだ
ホントに詳しく調べる事をしない自分なので分からない事はそのままだが
ネオロカの高音のキラキラとしたギターと
スウィングしたスラップベース
スネアとライドで手数を増やすスタンディングドラム
気取って格好つけるパフォーマンスと
数年浸るには丁度良かった
何年か経つと、このジャンルの真骨頂はサイコビリーなんじゃないかと思い始める
新しいもの、進化してるもの、刺激の強いもの
そういうものがやっぱ欲しい
今はサブスクでとてつもなく多くのアルバムが聴ける
当時こんなものがあったら、と震えるほどに
全知全能のサブスク様だ
ここに人生を変える程のお気に入りアルバムをあげていく
ちなみに私はロカビリーファッションとかにはあまり興味がなく、どんなジャンルでも音楽的な所だけかいつまんで楽しむ邪道の者だ
私にとってロカビリーとは「態度」であり
音楽そのものの事だ
BATMOBILE - Sex Starved
バットモービルは「bamboo land」の方が有名かもしれないが、自分はこのSex StarvedかHard Hammer Hitsが猛烈に好みだ
あなたの1番好きなバンドは何と聞かれたら、いつもバットモービルだと答えている
エンターテインメントの中に狂気を感じる、そしてなんか下品だ()
全員演奏がハマっていていつも笑っているが目の奥が怖い
かなり攻めた歪みとマイナーペンタの鬼、リフの鬼だと思った
ベースの音もどうなってるんだこれはクロマチックなんだろうか、分からないが凄い
曲の中盤からトーンが上がり続けるボーカルもそうだし、この人達にしか出来ない芸術だと感じている
こういうバンドがやりたい(無理)
The Quakes - Voice of America
クエイクスのこのアルバム
ハードでメロウで、曲のバランス感が最高に好き
多才なソングライティングに脱帽
ザラっとしていて煌びやかで
そうだったこういうの聴きたかったんだよなって思った
KLINGONZ - FLANGE
トップクラスでユーモアのあるおバカ系
というものの、異質でありつつ超絶なバランスで完成されている気がする
音が古いがこの音質が好きなら堪らないだろう
悩んだ時はヘビーメタルとかクラシックとか
非日常な何かが欲しくなるが
私はクリンゴンズが良いなと思う
MAD SIN - Burn and Rise
このアルバムのウッドベースの音が好きだ
毎度の事だが、1枚1曲にめちゃくちゃ詰め込んでくるので聴いてるこっちも忙しい
怒涛のごとく迫って来て美味しいところしかない
長いキャリアのMAD SINの中で大好きなアルバム
GORILLA - Genetic Joke
ネオからハードロックからオーケストラまで
器用にこなしてしまうトリオ
この人は超絶ギタリストらしく、ギターの音が気持ち良すぎる
この録音の質が好きなのでお得感がある
私の中では超名盤
なんか真面目で地味な印象はある
これを書いておきたかった
いつか死ぬ前に聴き返しておきたいからだ
私だけの音楽 第2話
[完]