#5【マニアック龍騎】 浅倉が弟を殺したかった訳②
①では弟と浅倉の関係をセリフから再確認and妄想しました。
弟→浅倉
怖い。でもいい人と言われたら信じる程度。
浅倉→弟
生きていたら困る。積極的に殺しに行く執着を見せる。ずっとうざかった。
弟が兄のことを自分を守ってくれたいい人だと信じることができ、浅倉が火をつけたことについては疑いもしなかったのは、子供の頃浅倉が弟に対して本気の暴力を振るったり、排除しようという動きを見せなかったからではないかと思います。
でも、浅倉は「ずっとうざい」と思っていた。ということは、浅倉はその気持ちをある時点までは隠し、我慢していた…と仮定します。少なくとも、実行には移していなかった。実行に移したのは、我慢をしなくなったのは火事の時。
言わずもがな、浅倉の人生が大きく変わったのは火事の前後です。つまり、浅倉が我慢をやめたときが大きなターニングポイントだった。
ここまで確認して、浅倉にとって、弟が生きていてはいけなかった訳について、私なりの説を出します。
『弟は火をつけなかった浅倉説』
またまた突拍子もないこの説について、順番に以下で説明します。というか妄想します。
火事をつけるまで浅倉はどんな生活をしていたのでしょう。令子さんに対して浅倉が言ったことは本当かはわかりませんが、少なくとも嘘をつく必要のない場面で、全くのでたらめではないのだろうと思います。
家庭で理不尽な思いをしていたのかもしれません。浅倉にとってはそんな環境。
弟にとってはどうでしょう。仮に弟も殴られていたとしても、弟は殴られていなかったとしても、弟は環境に従順だったのではないでしょうか。
殴られても反撃しない、または殴られないようにしっかり言うことを聞く。
対する浅倉は、火をつけようと思うほどに反抗心を持っていた。環境から抜け出したいと思っていた。だから弟にイライラしていた。
しかし、浅倉はある時点までは我慢するほどに、完全に火をつけることに対して迷いがなかったわけではないと思うんです。まだ14歳です。あるいは理由を説明できないほど衝動的に火をつけてしまったのかもしれません。自分もやけどしてるし(これはもしかしたら、疑いから逃れるための計算の上かもしれないが。でも、自分と疑われないように外から火をつけることもできたはず?)
火って、人に対して直接つけるわけじゃないからつけれてしまうけど、やってしまったらどんどん広がって、止められないものじゃないですか。
そう、火をつけた時点から、まるで炎が広がるように浅倉の人生が墜落していきます。
上記の記事で、浅倉が自分一人の力で生きていこうとして、失敗している様子が少し感じられます。
高校受験、高校中退、2度の就職、逮捕…。
憎しみの訳を聞かれて、泥を食った話をする浅倉。
浅倉は両親を殺したことで人並みの生活ができなくなってしまったのではないでしょうか。
では、火をつけないという選択肢はあったのか。あの時我慢して火をつけなければ浅倉の人生は変わったのか。
そんなことを考えても泥を食わないといけない状況は変わりません。幼少期の環境に対して抗うことをしなかった自分なんて考えても仕方ないのです。
それでも脳裏をちらつく、その可能性が、浅倉のイライラの正体ではないでしょうか。
だから頭を打って考えないようにしているのではないでしょうか。(妄想)
そんな時に弟です。
弟が生きている…自分と同じ幼少期の環境で、抗わなかったもう一つの可能性が、まっとうな環境で生活している。
この状況は今の浅倉を否定することに他ならない。弟は死んでいないと困るのです。じゃないと自分の選択が間違っていたことになる。
浅倉は火をつけた時点から、止めることのできないスパイラルをぐるぐる回っているけれど、弟の道が正しかったと認めれば、本当に変わっていたかもしれませんよね。アウトサイダーズの浅倉のように。
以上、弟は、あの火をつけた日の浅倉のもう一つの可能性で、浅倉のイライラの正体そのものだったという妄想でした!
この妄想をするにあたって、浅倉のキャラソン『spinnin' around』の歌詞も見ていました。次回はその歌詞について触れようかな?