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夫の育休より私が欲しかったもの

男性の育児休暇が増えてきている。
私の夫は、育児休暇をとってはいない。
男性が育児休暇を取るのは、まだまだ珍しく、そんな発想もない頃だった。

子どもが生まれてから、私の夫もそれなりにやらかしている。
ソファーでテレビを見ている夫。
その隣で泣き出す赤ちゃん。
「赤ちゃん泣いてるよー」と私を呼び出す。
あなたの隣で泣いてるんだから、抱っこくらいしてくれー

義実家に赤ちゃんを連れて、顔を見せにいく。
普段、おむつ替えは
「うんちは難しいんだよなぁ、ほら、ママうまいじゃん。パパは、おしっこ担当」なんていう夫が、両親の前だと率先してオムツをかえはじめる。
育児やってますよアピール。

「食器くらい片付けたり、洗ってよ」に
「だって、ママ昼間暇じゃん(育休中)だから、やることがないかと思って。」
もちろん悪気はない。が、完全に、育児休暇を休みだと思っている。暇だけど暇じゃない、忙しくないけど、忙しい。そこが伝わらない。

2時間ごとに起きる長男。目覚ましでは起きるのに、赤ちゃんの鳴き声では起きない夫。
「昨日は、全然泣かなかったね。1回も起きなかったんじゃない?」
えっ、起きてますけど…。
赤ちゃんの泣き声に関しては、脳の作りが違うらしい。

6時間睡眠と、2時間+2時間+2時間=6時間の細切れ睡眠では全然違う。それをわかってほしくても、
「でも、お昼寝できるじゃん。一緒に昼寝すればいいよ。」
子どもが寝ているときにやっておきたいこと、その時しか出来ないことがあること、眠たいタイミングが一緒じゃないこと…のモヤモヤ。

私が、見ていなければ死んでしまう、その命を育てている緊張感が常にあった。
ミルクの飲み具合や、動き出すと誤飲しないかとか、ネットをみれば、突然死なんて不安な言葉…
夫が帰ってくるとホッとした。見守る目と手が増えてホッとした。
最初の育児は、赤ちゃんと1対1で孤独だったんだと思う。
気がつくと、その日に話す大人は夫だけだった。
早く帰ってきてほしかった。
でも、夫の仕事の時間は、子どもが生まれる前と変わらなかった。変えられなかった。

私は、育休で仕事から離れて、外から見た教員の仕事に家族を大事にできないんじゃないかと漠然と思った。でも、立ち止まる瞬間がないと、疑問が持てないのかもしれない。こういうものだとそのまま走ったままなのかもしれない。

育休から復帰してからも夫の仕事の時間や仕方は変わらない。
朝の保育園に送るまでのバタバタを知らない。なんとか送り出さないと自分が遅れてしまうの、気持ちの焦りをしらない。本当は、ゆっくりまってあげたいのに、子どもに急がせてしまうあの情けなさや罪悪感を知らない。

夫が出張のとき、家から車まで、出張へいく夫、仕事へいく私、保育園へいく子どもたちと一緒に家を出た。
家を出る時間、やることはいつもと同じなのに、心に余裕のある自分に気がついた。
子どもを見る大人の目が増えたからだ。

私は、気づいた。
ずっとイライラしていたのは、私の子育ての負担に対する不満ではなく、
夫と一緒に子育てをしたかったんだ、という気持ち。

朝の思い通りにいかないバタバタを共有したい。
常に、時間に追われて子どもに優しい言葉をかけられない余裕のなさを共有したい。
子どもが長く寝るようになっても、夜中にハッと目が覚める、息をしているかと。そんな不安と心配も共有したい。

私が望んでいたは、夫が朝ゆっくり出て、定時に帰る時間。
育休が終わって、今までの働き方に戻っていく期間限定なものではなく、朝一緒に出て、夕方一緒に御飯を食べる。
早く帰ってきてほしい。定時に帰ってきてほしい。
勤務時間より何時間も早く始まる仕事じゃなくて、家族と一緒に家を出られる時間(その当時は、朝7時)であってほしい。

まとめ
年上の夫の定年が近づく。そうしたら、私が、今の夫のような働き方をして、夫に育児を任せる?役割が変わるだけ?
子育て制度の部分休業が終わったとき、私の働き方はどうなる?定時で帰れる?定時後の部活はどうなる?




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