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食糧生産の過去と未来

農業地帯

飛行機でアメリカの乾燥地帯上空を飛ぶと巨大な緑色の円形が無数に並んでいる光景が見える。センターピボット灌漑と呼ばれ、汲み上げた地下水を、回転する巨大なスプリンクラーで地面に撒いて農地にしている。

戦後間もない1948年にスタートされ、今では中国でもあちこちで見られる光景だ。

長期間このような灌漑に頼る農法を続けると、土中の塩類が地上で濃縮して作物を栽培しにくくなったり、本来数百年もかけて蓄積された地下水そのものがなくなり地盤沈下が発生したりする。

巨大な食品産業を支え、世界人口の増加に貢献してきた大規模農業だが、永遠に続けることができないことは、当初から予測されていたと思う。

世界中に砂漠地帯が増え続ける原因の一つでもあり、今や世界中で緑化の努力が行われ始めてはいるが、成功は程遠い。

それでも、大規模農業があって初めて支えられている世界人口は、この延長線上で確実に破綻を生む。

農業の進化

このビデオは、英語で全長36分もあるが、見飛ばしてもらえれば、今世界で大規模農業がどのように変わろうとしているか想像できるようになる。中国でもかなり進められている。

これまでに大規模農業は、大量の化学肥料、農薬の使用により健康影響をもたらしたし、土質を劣化させてきた。GMOも同様だ。

未来の大規模農業にもその傾向は残るが、少なくとも適切な水やり、土質管理、物理的な雑草除去など、今までのような汚染し放題な状況を改善しようとはしている。

土質改善に成功すれば、降雨量も改善する可能性は高いが、従来型の大規模農業に匹敵する生産量を維持することができるかどうか。

短期的に見てコストがかなりかかるので、大企業がビジネスとして進めることになりそうだ。

日本では、小規模農業に適用できる技術を開発しているが、規模が違うと効果もなかなか追いつかないだろう。

少子化

農業の自動化が進むと、皮肉ながら少子化傾向も進むだろう。世界中の先進国が少子化を憂う表現を使っているが、安定した社会を作るには少子化が必要であることも言葉にできないまま、意識をしているような気がする。だから、少子化対策はどこを見ても中途半端だ。

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