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【アニメ】『ブルーピリオド』思い立ったが吉日

 『ブルーピリオド』のアニメを視聴しました。受験、ましてや明確な点数がつけられない美術分野というデリケートな題材でしたが、見事に描き切ってました。登場人物の今後が楽しみ。ところで、そろそろ実写映画が公開されますが、そっちは大丈夫かなぁ…

思い立った今がチャンス

 主人公 矢口八虎くんは、高2(の、おそらく秋頃?)まで、美術の手ほどきを全く受けてきませんでした。「ピカソの何がいいのか分からん」と独白するほどです。
 しかし、幼馴染のユカこと鮎川龍二に誘われ美術部に入部、森先輩に憧れて油画の道に進み始めます。当然、担任の先生や両親から反対されるのですが、八虎くんは自分の選択を通します。おそろしいまでの決断力。

 「人間、いつだって今が一番若い。 何かを始めるのに遅いことなんてないのだ」

永六輔氏

 昨今のSNSで持て囃される言葉です。言ってることは正しいのですが、私はそこまで自分に自信が持てない。そしてこの手の言葉は、大抵 転職のPRに繋がって胡散くさく感じる。
 しかし、八虎くんの快進撃を見ていると、ちょっとくらい自分の底力を信用してやってもいいじゃないかと、勇気が湧いてきます。

矢口八虎という男の子

 八虎くんにもやはり、自分に自信が持てなくてスランプ気味になる瞬間があります。大胆不敵な選択をした割には、繊細な一面を見せる。そして本人もそれをある程度自覚している。
 予備校の生徒達と比べて、矢虎くんは人との繋がりを大切にするタイプです。人の縁を作品に落とし込もうとするレベル。でも、孤独を恐れて人と群れるワケじゃなく、他人の思考癖や言動に興味がある。人と関わることが原因で傷つくこともあるし、八虎くんは傷つくこともしっかり恐れてる。……このように、矢口八虎は二面性を帯びまくった、非常に面倒くさい人間くさいキャラクター造形をしています。こんなん放置してたら鬱漫画になっちゃうよ。
 そんな難しい八虎くんの思考をフラットに戻し、『ブルーピリオド』を青春漫画たらしめてくれるカウンセラーが大葉先生。「やーぐちー!」の呼びかけで、メンタルリセットが始まります。ジャンプ漫画の師匠ポジション。大葉先生は矢虎くんの先生の役目と、我々読者に八虎くんの状態を説明する役目を持っています。
 あと、読者が八虎くんを好きになるペースと、大葉先生の八虎くんに対する期待値の上がり方がシンクロしてる。アニメが終わる頃には、大葉先生も読者も、どっぷり矢口八虎に愛着を持つ設計。私は見事にやられて、ちゃっかり絵画展に出向いてしまいました。私もなんか、絵が描きたいな。

つまらんセミナー中のノート

 向いてない。

※追記 2024.8.21
 まさかの主人公の名前を誤字していました。大変、もう大変に失礼いたしました。

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