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39回(5)《 仮定法 》・・たら、れば、と、 (なら、ても)



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チガイがわかる・おもしろ日本語入門    
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      元NHKアナ、民放キャスター、はたまた講演講師や大学
      講師などを遍歴して、その後突然スペインのバルセロナに
      移住して、早や20数年。
      著書(最新刊)『熟年夫婦の行き当たりばったりスペイン
      移住記』(地球の歩き方、ダイヤモンドビッグ社)
       他に『NHKはもういらない』(三一書房)
         『勉強っていやいやするもの?』(大日本図書)
         「脳みそのほんとうの使い方」(日科技連出版)など
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      第39回 ◆ 第四章 上級編、文章の組み立てかた!

        その5、 《 仮定法 》 ・・たら、れば、と、(なら、ても)


       ~ 明けましておめでとうございます! ~

前回から大変時間が空いてしまい申し訳ありません。22年ぶりにバルセロナから日本に帰ってきたので、その引越しやら何やらで、てんやわんやだったのです。

さて今回は、日本語で“仮定法”、英語でいう“conditional(条件法?)” について
見て行くことにしましょう。これも、日常の会話で頻繁に登場する文章ですね。

「もし明日雨が降ったら、ハイキングは中止にします」とか、「毎日勉強すれば、
あなたの日本語はめきめき上達するでしょう」など、現実を超えた予想や空想の世界で考える時に使われる表現方法なので、仮定法や条件法などと呼ばれています。

     まずは、「たら」と「れば」と「と」の、3種類の方法です。

              その1、「たら」

         ーー 最も空想的で、実現性少なし ーー                       

一般的に「たら」はきわめて空想的、つまりは実現性が少ない場面に使われることが多く、よく例にあげられるのが、以下のような文章です。

大きな翼を広げて・・・!

       「もしも私が鳥だったら、空を自由に飛べるのになあ!」
       (If I were a bird, I could fly freely in the sky!)

まさに実現可能性ゼロに等しい空想の世界ですね。でもその夢こそがさまざまな航空機を生み出したのですから、空想や夢想は人類にとって極めて大切な行為なのでしょう。

ここで注目しなければいけないのは、「もしも私が鳥だったら」の“だった”が日本語のbe動詞“だ”の過去形であり、英語でもやはりbe動詞の過去形の“were“が、さらにスペイン語でも接続法過去形の“fuera“や“fuese“が用いられることです。

なぜ不確かな未来を想う時、人は過去形を使うのか。なんとも興味深いですね!

それはともかく、つまり「たら」の“た”は動詞や形容詞の過去形の“た”なのです。
ですから過去形がもし“だ”で終わる場合は、「だら」となることをお忘れなく。

              その2、「れば」

        ーー ちょっと仮定的で、かなり実現可能 ーー
               

     太ってもしらないよっ!     

       「そりゃあ、カツ丼を3杯も食べれば、太りますよ!」
       (If you eat three bowls of katsudon, you will get fat.)

など、充分に実現し得る場合に使われるのが「れば」です。ただしこの「れば」は、その動詞が“○○る”の時であって、その他の動詞、例えば“行く”なら“行けば”へ“歌う”なら“歌えば”へと、動詞不定形の最後の“u”を“eba”に変化させたもの
となります。さらに常に動詞の現在形(日本語では未来形も含む)が使われ、過去形は一切登場しません。(たびたび好きなカツ丼を引き合いに出してすみません!)


               その3、「と」

         ーー 仮定性少なく、十分に実現可能 ーー   


あのー、駅に行きたいのですが!

         「次の角を右に曲がると、駅が見えますよ」
             (When you turn right next corner, you will find the station.)

というように、この方法はよく道を教える時などに使われます。英語では“when..”
スペイン語では“cuando..”に近い表現で、かろうじて仮定法の一部とも言えるもの、すぐにでも実現可能なことを言い表すときに用いられます。もちろんすべてが現在形で変化の必要もなく、ただ動詞の不定形に“と”をつなげればよいのです。

ただし上記3つの方法は、仮定や条件の程度の差は決して厳密ではなく、多くの場面で他の方法に代替可能です。つまり日本人は「ちょっとオーバーに言ってみるか!」とか、「ここはさらっと言い流してしまおう!」など、なんとなくその時の気分で使い分けていると言ってもいいでしょう。ぜひあなたも気楽に使ってみてください!!

それから「もしも」や「もし」も、ちょうど英語の“if”、スペイン語の“si”に当る
強調のための言葉で、これも気分次第で添えていただいて結構です。「もしも」は、「もし」よりちょっと強めのニュアンスになります。 そういえばあのドリフターズの娯楽番組“もしものシリーズ”も、なかなか面白かったですね。

      しかしこの他にもいくつか仮定・条件法的な用法があります。

               ◆ 「なら」

この用法は「それならば」から発生したもので、BとCが等しいとき「AはBである。それならばAはCである」を「AがBなら、AはCである」と簡略されたと思われます。つまりあることが事前に選択、確定された時の、予想される結果や提案を言い表す場合に多く使われるものです。そういえば交通安全キャンペーンでもよく耳にしますね。これも動詞現在形+なら、動詞過去形+たら(だら)ですね。 

         「飲むなら乗るな、乗るなら飲むな!」         
(If you drink don't ride, if you ride don't drink!)
                    

               ◆ 「ても」

「ても」は、ある条件にもかかわらずその結果が予想通りにならない場合に用いられるもので、これもまた充分に仮定・条件法的な用法の一つと言えるでしょう。

「たとえどんなに人が頑張っても、チーターのように速くは走れないでしょう」     
  (No matter how hard people try,
                     they will never be able to run as fast as a cheetah.)

ここでも、動詞過去形の最後の”た”を”ても”に、”だ”を”でも”にします。

100メートル、3.27秒?

この場合には、強調のための「もしも」や「もし」は「たとえどんなに・・・ても、・・・だろう」と「たとえ」に変化することが多く、いわば英語の“No matter how”やスペイン語の“aunque“を意味していると考えてください。

おっと、思い出しましたか? 第17回、第三章 日本語、コノ表現 & その極意!のその1、“・・・しなくてはいけない!” でお話しした「・・・しても、いい」や「・・・しては、いけない」は、じつはこの仮定・条件法の一つでもあったのです。

会話や文章に頻繁に登場するこれらを“クリアーできたら”もうあなたの日本語力は
すでに中級クラス以上です。何回も練習してスムーズに話せるようになりましょう!

        では、☆☆☆《 今回の例文 》☆☆☆
                             
もしあなたがブログ『チガイがわかる・おもしろ日本語入門!』を〈1〉から読んだら、きっと日本語を楽しく学ぶことができるでしょう。そして、毎日ひらがなやカタカナ、漢字を少しづつ覚えれば、あなたは日本の文字を読めるようになります。またそのうえ何人かの日本の友達を作る、簡単に日本語の会話を楽しむこともできるでしょう。

                  *

 今回も学んだ単語を自由に使って、上の例文のような文章を書いてみて下さい。

             では、次回をお楽しみに!!

                 
ーーー 次回は第40回 ◆ 第四章 上級編、文章の組み立てかた!
  
                 その6、 直接話法 と 間接話法

            を、お届けするつもりです。


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