冷えを徹底解説~中医学の視点から~
中医学では、冷えは単なる体温の低下ではなく、
気・血・水 のバランスの乱れや、
臓腑の機能低下によって引き起こされると考えられています。
西洋医学では「冷え性」という病名は存在しませんが、
中医学では冷えは重要な診断の指標であり、
様々な病気の根本原因として捉えられています。
冷えの原因①陽虚(ようきょ)
陽虚(ようきょ)生命活動を支える「陽気」が不足した状態。陽気は温煦作用(体を温める作用)を持つため、不足すると冷えが生じます。
加齢
慢性疾患
過労
睡眠不足
冷たいものの摂り過ぎ
冬の寒さ などが原因となります。
冷えの原因②気虚(ききょ)
生命エネルギーである「気」が不足した状態。気は血を動かす働きがあるため、不足すると血行不良となり冷えが生じます。
≪気虚の原因≫
過労
ストレス
≪気虚の症状≫
全身的な冷え
疲れやすい
息切れしやすい
めまい
食欲不振
冷えの原因③血虚(けっきょ)
血液が不足した状態。血は全身に栄養と熱を運ぶため、不足すると冷えが生じます。
≪血虚の原因≫
栄養不足
月経過多
出産
冷えの原因④瘀血(おけつ)
血行不良により、血が滞った状態。
血行が悪くなると、熱が末端まで届かず冷えが生じます。
≪原因≫
冷え
ストレス
運動不足
外傷
≪症状≫
局所的な冷え
しびれ
痛み
皮膚の色が暗い
月経痛
月経血に塊がある
冷えの原因⑤水滞(すいたい)
体内の水分の代謝が悪く、余分な水分が滞った状態。
水分の停滞は、気の流れを阻害し、冷えを悪化させます。
≪原因≫
運動不足
脾の機能低下
水分の取りすぎ
≪症状≫
むくみ
水太り
頭重感
めまい
尿量が少ない
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