草野原々

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長編小説『コズミック・アルケミスト』特別試し読み

3月20日に発売される、草野原々の完全新作長編『コズミック・アルケミスト』 地球が宇宙の中心に位置し、錬金術技術が花開いた、ここではない世界を舞台に、地中から発掘された〈人鉱物〉である「おれ」と自動人形のフォスティーヌ・オルガネットの〈存在・ミーツ・存在〉SFが繰り広げられます。 刊行を記念して、第一章から第二章のなかばまでを、試し読みとして無料公開します。 断章——聖なる侵入  闇。  無限の漆黒。どこまでも深い絶対者の深淵。あまねく〈すべて〉が塗りつぶされる差異な

    • 【論文メモ】脳内の電磁場においての統合情報:意識のセミ・フィールド理論

      【この論文はどんなことを問題にしているの?】 難問である『意識の結びつけ問題』を解決するために意識の物理的基盤は脳内の電磁場であるという理論を唱えている。 『意識の結びつけ問題』とは、我々の意識は、様々な要素からなるが、それらはひとつの意識として統合されている。どのようにそれが行われているのか? という問題だ。 この論文では、脳内の電磁場変動が意識の源であるというアイディアでもってそれを説明する。意識をニューラルネットの計算とする見方では、意識の結びつけ問題を解決することは

      • 作家としての中期的目標・展望(2020年11月)

        【ここになにが書いてあるのか?】短編集『最後にして最初のアイドル』が刊行されてから、あと少しで三年が経つ。次の3〜5年(2024〜2026年)を見据えて、どのような目標を設定するのか、考えようと思う。 文章に残して、公開することにより、より目標にエンゲージするという効果を期待している。また、読者や編集者にとっても、作家がなにを考えているのか知ることは、有益だろう。 なお、ここでの目標は、かなりゆるいものであり、その都度の気分によって大きく変動する可能性があるし、変動しない

        • 【論文まとめ】Them and Us: Autonomous Agents in vivo and in silico

          【どういう論文?】行為者性(エージェンシー)についての哲学を、人工知能に応用する論文。統一した主張があるわけでなく、いくつかの話題をまとめたもののようだ。 Millican P., Wooldridge M. (2014) Them and Us: Autonomous Agents In Vivo and In Silico. In: Baltag A., Smets S. (eds) Johan van Benthem on Logic and Information

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