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慣用句(4年国語)の授業研究

 4年生国語の慣用句の授業を参観した。慣用句とは、いくつかの言葉が組み合わさって、新しい意味を持つようになった決まり文句である。「羽をのばす」は、「鳥や昆虫のつばさ」という意味の「羽」と、「縮んだり曲がっていたりするものを広げる」という意味の「伸ばす」が組み合わさって、「自由にのびのびする」という意味になった言葉である。
 
 「頭をひねる」「心がおどる」「馬が合う」「借りてきたねこ」「うり二つ」「実を結ぶ」「エンジンがかかる」「メスを入れる」「仲を取り持つ」「えりを正す」「労をねぎらう」「世話を焼く」「頭を冷やす」のほかにも、「水に流す」「油を売る」「手が出ない」「腹を割る」「道草を食う」「足が棒になる」「耳にたこができる」「口が固い」「口が軽い」「口がすべる」などがある。

 子どもたちは、「慣用句」という言葉から始まって、よく「国語辞典」を引いていた。わからない言葉に出会ったとき、辞典を引いたり、すなおに聞いたりする。生涯にわたって必要となる学び方を徹底しようとする授業だった。でも、語彙を増やそうとしたり、わかったことを共有しようとするという点には至らなかった。

 授業者は、冒頭に来る体や心に関する言葉や動物や植物に関する言葉と、その後に来る述語を色が異なるカードに分けていた。だったら、子どもの人数分を用意し、ペアになる組み合わせを探すアニマシオンをしてもいいのではないかとも思ったが、授業者は慣用句を「使う」という点にこだわっていた。

 子どもたちは、「○○さんと○○さんは、馬が合う」という表現をしていた。慣用句は、ことわざと異なって、日常の行動についての言い回しであり、その文だけは成立しないものである。

 慣用句については、「たとえると」が、子どもたちにとってはほかの人の考えを聞きたくなる問いである。仲間分けではなく、例文をつくる活動がみんなで学ぶことの意味を生じさせる。子どもたちが例文をつくりたくなるにはどうすればよかったか、子どもたちには「辞典」だけでなく「事典」が手元にあったらどうなっていたか。そんなことを考えさせられた事後検討会になりました。

 

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