家庭の責任にするほど教員は偉いのか
樋口万太郎さんが、『教壇に立つあなたに伝えたいこと』(樋口万太郎・小谷宗、東洋館出版、2022年)で20代のときの個人懇談で、
・こんなことを直すべきだ!
・もっと家庭として〇〇を協力してほしい!
ということをご家庭に言っていたという自戒を示されていた。20代のときは、家庭の責任だと思っていたが、今は、自分自身の指導力不足で起こっていて、自分の至らなさに協力していただきたいというスタンスなのである。
学校の教員が、家庭に、「お宅のお子さんは……」と電話しているという事実を最近始めて知った。
少し考えれば、家庭との関係は悪くなるだけの方法をどうして教員は取ってしまうのか。それほど、何かに追い込まれているのか。そもそも、われわれはそうした偉そうな教師を養成してきたのか。自己中心的な考えを養成教育では転換できなかったことを考えこんでしまった。