日々読書‐教育実践に深く測りあえるために
北田さんは、一人の新任教師に継続的に焦点を当て、授業研究のあり方が教師教育に寄与する要件を明らかにしています。教師の専門性は、単に専門的知識や技能を数多く獲得することにあるのではないと指摘します。専門的知識や技能が一体だれのために、何のために生かされるべきかという、明確な「ヴィジョン」と強い「動機」と結びつき機能するなかにこそ、教師の専門性は見い出せると言います。
校内研修としての授業研究の最も重要な点は、具体的な子どもたちの姿に幾度も出会い、教師として自分に何ができるかを同僚とともに問い続けていく営みにあると指摘しているのです。
北田佳子「校内授業研究で育まれる教師の専門性とは 学習共同体における新任教師の変容を通して」日本教育方法学会編『教育方法43 授業研究と校内研修 教師の成長と学校づくりのために』図書文化、2014年、22‐35頁。