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無駄だけど、豊かな時間
みんなの作文の選評をした。
家から五分くらいのところに行くのに、おもろしくないから、じゃんけんで方向を決めて歩くという小学生の作文があった。
道が別れるところで、四人でじゃんけんをして、勝った人によって右に行くのか左に行くのか戻るのか前に行くのかが決まるというのである。すると、ずっと同じところをぐるぐるしたそうだ。「ここ、通ったよね」と、弱音を吐きながら、なんと二時間もかけて歩いたという。五分で着くところを足を棒にして、疲れたけれど、楽しかったそうだ。
無駄だけど、豊かな時間が伝わってくる作文だった。自分の行為を笑ってしまうけど、かけがえのない時間を共有した関係を大切にできることを嬉しく思える。そうした息遣いが感じられる文章だった。
みんなの作文には、子どもが書いた作文をそのまま掲載すると、家族の秘密や関係が露になったり、書いた子どもの見識が問題になりそうだったり、恥ずかしい思いをする人がいたりして、こころが動く文章でも掲載を見送ることがあった。今年から書き直しをお願いすることにした。
書き直しの第一号だ。電話は苦手なので、めんどくさいけど、子どもの可能性は、文章の稚拙も他者感覚が薄い担任の確認不足も凌駕する。
なお、電話は明日にします。私にとって誰かに電話するのは、パワーがいることなのだ。