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読書が生活に位置づいているか
日々読書₋教育実践に深く測りあえるために
『遅読のすすめ』(山村修,新潮社,2002年)
誰の暮らしにも、それぞれに固有の時間のめぐり方があります。その暮らしの時間のめぐりようによって、本の読み方はおのずと形をなしてきます。暮らしよりも先に読書があるわけではなく、読書だけが充実していて、暮らし全般は気力も失せて衰え気味である、ということはありません。読書は暮らしの一部であり、暮らしの様々な起伏とともにあるというのです。
子どもたちがどれだけたくさんの本を読んだかが話題になるのではなく、子どもたちの読書の時間が生活にどのように位置づいているのか。1日10分、読書の時間を学校で用意するのではなく、子どもたちが一日10分という読書の時間を忙しい暮らしのなかでどのようにみつけ、確保したのかが話題になることが大切なのではないか、と本書は問いかけていました。