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6年「分数÷分数」

 Children First の夏季1DAY研究会で、6年「分数÷分数」の授業づくりを検討した。

 「赤のリボンが2/3m、白のリボンが4/3mあります。赤のリボンは白のリボンの何倍ですか」と数量が分数で示されている比較量と基準量から割合を求める問題である。

 問題は、正答しか出ずに多様な筋道があるものではなくて、誤答と正答が出る問題である。1/2という正答と2という誤答が出るのだが、式は正解しているが答えが異なるのではなく、立式を間違う問題である。

 算数の授業は、教師によって提示された文章題とは別に、学級のみんなで取り組む課題がある。この場合は、「立式がわからない。なぜ2/3÷4/3という式になるかがわからない人に、図や言葉を使って、わかるように解説しよう。類題に取り組んだとき、みんなが正解になるよう、わからないところはわからないと言おう。」という課題である。個々人ではなく、学級で取り組む課題である。

 子どもたちは、立式を関係図で説明するのだが、「なぜそういう関係図になるのかがわからない」という質問や比較量のなかに基準量がいくつあるかを式は示しているのだが、どのように比較量と基準量と割合の関係を説明すればいいのか、子どもたちが「もがいている」学びにするにはどうすればよかったのかを検討した。コミュニケーションの形式を教師から子どもというベクトルの繰り返しではなく、子どもから教師へと変化したり、子どもから子どもへと発言がつながっているにはどうすればいいかを考えたのである。

 分数の量感をどうとらえているかを確認するためにも、最初からテープを出すのではなく、問題文とテープをすりわせるいような、学びが成立していくスタートを揃えることが必要ではなかったか。あるいは、できるだけいろいろな人が発言しようと取り組むのではなく、「あてられたら困る人」と子どもたちに聞きながら誰もが発言できるようなるにはどうすればいいかに子どもたちは取り組んだ方がいいのではないか、といった意見が出された。

 「できる」「わかる」を越えて、子どもたちがもがきながら、自分が持っているものを使いはたすような授業を子どもたちとどうつくるのか。互いに深く考える授業づくりを検討したのである。

 

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