ヒロインになりたかったゲンガー

今日もどこかで幸せだったはずの並行世界を夢見て、自己満足で供養を。自ら黒歴史を晒していくスタイル。何かありましたらこちらのツイッターDMまでご一報ください。Twitter⇨https://twitter.com/que1sera2sera6

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ゲンガーになりたい女の子の話

六畳半の蒸し暑い部屋で わたしは自分の価値を決める文章を打つ ただ無心に、思い浮かんだことをひたすらと わたしはタイピングマシーン 機械にできない仕事をしなさいと言われても いまこの瞬間が機械みたいなもんだからさ 今更ニンゲン様になんてなれないよ 特技も学も美貌もない、ただ生きているだけ 描いていた夢ってなんだっけ それに気づいてしまった頃から 夢にまで愛想尽かされたようだ わたしはもぬけの殻になってしまった バイトもできなくて 課題をこなしてゲームをして どんなことが

    • お花畑に閉じ込められたロボット

      夜型人間であることは明らかなのに 夜は寝るものだと信じて疑わないから 自分に対して疑心暗鬼して結局嫌いになってしまう 良い子が寝てる時間はわたしが元気な時間 真夜中が活動時間のわたしは 大した大人じゃない 思い通りにいかなかったらすぐキレるし 未だに王子様はいると思っている 初めてもらった指輪は氷でできていた 初めてもらった誕生日プレゼントだった 初めてもらった愛はカイロだった もらえるものは全部ガラクタだった

      • とべ、通行人A

        それでも東京にいる理由なんて、 好きな誰かが暮らしているからだった わたしをわたしだとしてくれない故郷じゃなければ 別にどこだって良かった でも今は東京に来て良かったと思う ちょっと電車に乗れば誰でもいるし 無意識のうちにモブになっている でもわたしはわたしになれるから良かった わたしがわたしでありたい理由を壊してくる人がいた それは気の迷いだ、と 恋人ができたら変わるよ、と 知りもしないわたしのことを創り上げては叱った 東京はそれがない なんにもないけど、わたしがいる

        • 桃娘と突風

          あれから毎日夢に出てくる 時空が変わっても好きになることは決定事項で わたしは今日もあなたに会うために眠る 枯れ切った砂漠に到達する熱風は 更に体温を上昇させる 冷えたスポドリが飲みたいのに もらえるのは胸が焼けそうな光線銃の流れ弾だけ 与えられるものの密度が高すぎて わたしにはもったいないと何回も言っているのに それでもやめないあなたは神様なのかもしれない ああ、でもみんなのものにはならないでほしいな あなたはきっと知らない それでいいと思う 勘違いだと、発狂している

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        ゲンガーになりたい女の子の話

        マガジン

        • 自作詩
          17本
        • 雑草の備忘録
          3本

        記事

          その人にとてもよく似た人が、同じ色の中で、同じ声で、わたしの名前を呼ぶの。こんな拷問ある?

          その人にとてもよく似た人が、同じ色の中で、同じ声で、わたしの名前を呼ぶの。こんな拷問ある?

          光る海で世界は滅ぶ

          補色の組み合わせが一番綺麗だと信じていた はっきり境目が分かる力強さはわたしになかったから パステルカラーが流行った時代 わたしは補色を愛していた 暖色より寒色の方が好きだった クールで冷たいそれは子供っぽさを消してくれるような気がして パーソナルカラーが流行った時代 わたしに似合わない寒色は許されない色だった ぼんやりと灯る間接照明 シンプルでくすんだクリーム色 全部わたしの好みではないのに 求めても許されないものだったのに 混ざるのが嫌いだった 一緒にいることが苦手

          愛に飢えていたわたしが夢で出会った人のことを好きになる話

          スーパーで野菜を一緒に買うって そこそこ深い関係じゃないと出来ないと思うんだ だからわたしは1人で買っている 後ろを誰かが通りかかる 「チャーハンに玉ねぎは絶対入れなきゃだめだよ」 知らない声が聞こえてきて なんの抵抗もなくカゴにひとつ玉ねぎを入れる 季節なんて関係なくスーパーの中は寒くて とても冷凍食品のコーナーには近づけなかった その日の夜はやけに暑かったのに ちゃんとパジャマを着るわたし 寝る前は寒くてヨレヨレのヒートテックも着てた 玉ねぎを所望していた彼が布団に

          愛に飢えていたわたしが夢で出会った人のことを好きになる話

          350mを生きた

          だからなに、と問われたらそれまでの小さな世界で わたしは何を誇るのだろう ただ生命維持に努めているだけの歯車 代わりはそこらへんに落ちている 唯一を求めるには遅すぎるようで早すぎる 時の旅人?いいえ、ただの無責任なニート 楽しいことも苦しいことも 人生のどんな場面でだって どんどん要らない自分が生まれる 心の貧しいままなら幸せになれると聞いたけど あながちそれも間違っていなくて 感情を知れば知るほど苦しくなってくる 5分前に創られた世界 メガネ置きと化した汚い人形 何日も

          ちょ、あばら折れるって!

          わたしはいつの間にか、あなたの隣にいた 察するにわたしとあなたは大人だ 誰とも付き合わないと決めたのに あなたとは付き合えるらしい 新型が出てもボロが目立ってもまだ可愛がるんだ 中古に出してもクリーニング代取られるだろうし そう言ってあなたは運転席で苦笑する その隣でわたしもまた愛想笑いをする できれば、ずっとその時間が続いて欲しいと 小さく痛む胸にそっと祈る ふざけた声で出発だとあなたが笑った 夜の新大阪駅は綺麗だった コンビニに寄ろうと言い出したのはどちらだったか

          ちょ、あばら折れるって!

          アリアドネは糸を切った

          花屋、先生、指揮者 プリキュアにカメラマン 僕にはたくさん夢があった 本当にたくさんあった ただでさえ小さい手で ありったけの夢を大切に そっと包み込んで笑っていた 僕の血が冷たくなったのはいつからだろう いつの間にか夢なんてものなくなって 心はいつでもスッと冷えている 自分は特別な人間だ その思い込みが解けたかのように ただの使い捨てのおもちゃが 総武線の線路沿いで笑っていた

          来世のカフネ

          何よりもその吐息が欲しかった 狭いワンルームの窓際 もう睡眠用には使われなくなったベッドの上で ただ甘いだけで思いやりのない そんな吐息が欲しくてたまらなかった 脚だけで相手の機嫌を伺えば 今日もまた同じ罪を重ねるらしい 勘がいい女とは同時に都合のいい女だ そして計算もすばやい 今日も女として扱ってもらえないのに 準備を怠った数時間前の自分を恨むなんて事はしない 手を抜けば抜くほど時間を請求できるのだから かといってその手が優しくなるわけでもないけど 清々しい朝に強烈な痛

          高校の頃は、随分と綺麗すぎる恋愛をしていた頃は、あんなに綺麗な恋のうたが書けたのに、ビターな恋愛を複数回経験してしまうとこんなにも荒んでしまうのね、と気付いたわたしは、今日も街中の空気にメビウスを求めている。

          高校の頃は、随分と綺麗すぎる恋愛をしていた頃は、あんなに綺麗な恋のうたが書けたのに、ビターな恋愛を複数回経験してしまうとこんなにも荒んでしまうのね、と気付いたわたしは、今日も街中の空気にメビウスを求めている。

          答案用紙

          ずっと考えていた どうするのが正解だろうか きっと君は怒るかもしれないけど それでも僕は君のそばにいたくて 結局僕は臆病なままで 君はずっと歳を取らないから こんな感情が生まれる世界で僕はどう死んだらいい? 失いたくない人がいることが幸せなんて 僕はどうかしてる 傷ついて、その傷を絆創膏で誤魔化す前に また僕は新しく傷を作ろうとする また明日ね、って言えてた日々が 過去へと変わっていくように かさぶたを剥がしては痛みに殺される 夢と現実の狭間に君がいる 梅雨に濡れる駐車場

          生きたい理由なんてなくて、死にたい理由ならたくさんある。生きるにしろ死ぬにしろ勇気がないだけで、わたしは今日もゾンビみたいな1日を送るんだろう。

          生きたい理由なんてなくて、死にたい理由ならたくさんある。生きるにしろ死ぬにしろ勇気がないだけで、わたしは今日もゾンビみたいな1日を送るんだろう。

          噎せ返る砂糖

          わたしが何度も泣いて何度も苦しんで 閉じた世界でやっと見つけた生き方は 小さい頃から大切に育ててきた生温い夢の正反対だった 何不自由ない幼少期だったけど 本当に欲しかったものは手に入らなかったから せめてあの夢くらいは叶えてあげたかったのに ごめんね、小さなわたし どうやらわたしは大人になってしまったみたいだ 幼子との約束を破った最低な大人は 普遍的なハッピーエンドしか認めないアンチの絶好の餌食だ 真夜中に鮮やかな水色のネイルを塗る 締め切った部屋にツンとした匂いが充満する

          果たし状

          君の見ている景色を見たくって 慣れないヒールで背伸びしてみた そう言ってはにかむ 控えめな笑顔 誰にも言えない 僕の秘密 この1歩さえ踏み出せば 僕らを繋ぐ糸の色は変えられる なのに、この1歩が怖いんだ 本当の僕はモンスターなんだ そう言っておどけてみせたら 君の頬は薄色に染まった いつでも等身大でいてくれる君 その笑顔に何度救われただろう その気持ちに何度応えられただろう 夜に溺れて 夢を見た 僕の隣に 君がいた ずっとずっと いつまでも泣いていた その涙 僕が吸い取