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#3 AI活用「1on1と組織の考察」1

私は1日に少なくとも2回は30分程度の1on1を10数年行ってきました。月に40回、年間で480回、10年で4,800回ともっとやっていたと思いますが、改めて回数をみるとなかなかですね。お客様企業との打合せも同数以上ありましたので、1万回以上となればすごい時間をいただいてきたわけですね。そうそう、もちろん1on1というワードが出てきたのはこの数年で、それまでは単純に個人面談でした。

当初から心懸けていたことは、折角両者が時間を取って相対するのだから基本姿勢としては批判、否定をせずに言い分を聞く、話す場にしていました。ただ、その主旨は実は伝えておらず私の言動でそれを読み取ってくれればと考えていましたが、概ねその通りに進められたことが多かったように思います。

その理由としては、社内の立場としては私が上司という立ち位置になるため、可能な限り相手が話しやすい、打ち解けやすい場をつくり上げることに気をつけていました。そのため、日常的に会話をする機会が少ない社員には5から10回ほど、まずは人としての関係間を作る場にしていたことも少なくありません。

まずはお互いに安心して対面できる、相対できる関係間を作らないとなかなか面談時間を決められず先送りの繰り返しになったり、30分どころか5分も間が持たずに終わってしまうことになります。関係間を作ることで、「あ、いつでもいいですよ」、「○○が終わり次第すぐに可能です」と流れがスムーズになってきます。

さらに一歩進めて、関係間から信頼関係に如何に早く到達できるかも大切な時代になってきました。職場や仕事に興味が持てないとすぐに転職してしまったり、本人の期待値が低くなったり、希望が持てなくなりパフォーマンスが明らかに落ちてしまうこともあるためです。

また、信頼関係を築き上げることができれば、相手から「今度はいつ面談できますか?」、「もっと相談したいこと、話したいことがあるんですけど」と積極的に面談、1on1の機会をつくってくれるようになってきます。

ここで、重要なことは相手「相談したいこと、話したいこと」があるという状況にできるかどうかです。つまり、上司である自分から話し続ける、啓蒙する場ではなく、相手のことをしっかりと理解できる場と関係をつくりあげることが大切なのです。

姿勢としてはアクティブリスニングと言われるものの活用です。ブレインストーミングと共通するところもありますが、まずは否定せずに相手の言い分をしっかりと受け止めて聞く。その時は自然な相づちや態度で聞いてあげることです。そうすれば不思議なくらいずっと話してくれるひとが多いことに驚かされます。

事実、みなさん30分を大きく超えて120分(2時間超え)になったり、そのまま夜ご飯を食べながらの延長線になったりすることもしばしばでした。これまた不思議なもので、最近の若い人(若い人の定義もバラバラですが)は業務後の関係は嫌がるなどと聞きますが、むしろこちらが時間が取れずに断らざるを得ないくらい、声をかけていただきました。もしかしたら、ご飯が食べたかったのかもしれませんが(笑)。

もしかすると、聞かされる方はたまったもんじゃない、なんて言い分もあるかもしれません。相手の社員がどういったときにどういった表情をするのか、どういう話し方をするのか、どういうときにどのような感情を表すのか、としっかり受け止め、ある意味で観察しながら聞くことで、自分自身の理解力、解釈力が大きく向上していくのです。

これは、とてつもなく大きなスキルで、お客様と対話するときにも大いに役立ちますし、もちろんプライベートでもそのスキルは大いに役立ちます。私の場合は、上司だけれども、父親くらいの年齢だけどもとにかく話しやすい、なんでも相談できる、などといっていただけるようにもなりました。

1on1面談については、今や数多くの書籍も並んでおり、また動画コンテンツやセミナーも多々あります。面談シートや履歴登録して活用するサービスもあります。ただ、そこまで本音を引き出すことができてこそ、活用できる情報になります。社員も成長でき、上司も成長でき、会社の業績もあがる、そんな1on1面談ができる一助になれればと思います。

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