見出し画像

フリーアクセス・国民皆保険についてプライマリ・ケア医として思うこと

こんにちは。総合診療医のDIOです。(https://twitter.com/generection1)

さてさて、noteを毎日記載するのも日常になってきた今日この頃。コロナと奮闘しつつ本日も頑張って参りたいと思います。

さて、本日はタイトルの通り、プライマリ・ケア医として昨今の情勢について思うことを。

国民皆保険・フリーアクセスの日本においては、どこの病院にも安価ですぐに受診することが出来ると言われています。これは他の国民皆保険・フリーアクセスの国でも同様です。

簡単に言うと、大きな病院にも小さな診療所にも基本的には予約のあるなしに関わらず受診することが、同様の金額で安値で出来る、というシステムになります。

え?すぐに受診出来ないって? え?高い金額を払わされるって?? え?病院と診療所でとられる金額が違うって??? これは、一部は仰る通りですし、一部は間違いです。

「すぐに受診できない」とはどういうこと状態のことを言うでしょうか?フリーアクセスのない国においては、通常の疾患で受診しようと思ったら、ちょっと風邪を引いたから、という理由で受診しようと思ったら2週間以上待たされることもざらにあります。当日、数時間の待ち時間がある、というのは確かに待つほうからしたらすぐに受診できないと捉えられかねませんが、基本的には、その日に受診できるというのは各国を見ても十分「すぐに受診できる」という状態と言えます。

「高い金額を払わされる」とはどのような状態でしょうか?国民皆保険制度、そして高額療養費制度のない国では、それこそ手術したら100万円、受診したら10万円、とかが当然の国もあります。

これは有名なコピペですが、自分の身体の不調というものは、本来的にはその他のどんな物質の不調よりも大切なもののハズです。それをこの金額で受診できる、というのは相当に「安い金額」かとは思います。もっとも、ものの値段の安い・高いは主観的なものなので、どう感じるかは人それぞれだと思いますが。

「診療所と病院で金額が違う」について。

これに関しては、実は仰られる通りで、病院の方が受診料が高かったり、選定療養費とか、紹介状がないと受診費用を取られたり、ということがままあります。

これは、実は上記の「フリーアクセス」と「国民皆保険」のため、安く・気軽に大きい病院に受診できる結果、大きい病院がパンクしてしまったことが理由に挙げられます。病院がパンクした結果、受診に相対的な金額差を作り出して受診抑制をしようとしている国の方針の結果になります。

昨今の診療所・病院事情を鑑みると、どちらが良いかは一概には言えませんが、今ある環境に感謝の気持ちを忘れないようにしたいと常々思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?