アムロが「家出」をしたのはなぜか?~機動戦士ガンダム 第17話「アムロ脱走」感想
アムロの研究
カイ「えらくご熱心じゃねえか。何やってんだ?」
アムロ「戦闘シミュレーションを作ってるんです。手に入れたザクのおかげで具体的な性能がわかったんです。その数字とガンダムの性能を組み合わせて、今より正確な戦闘のパターンを作れないか試しているんです」
カイ「けどよ、捕虜の言ってたグフって新型のモビルスーツにはどうにもなるまい?」
アムロ「ザクの性能より20パーセント増しでやってます」
前回鹵獲したコズンのザクをもとにアムロが戦闘シミュレーションを作成している。こうしたデータに基づく戦闘分析がいかにもリアル路線感を醸していて個人的に好きである。
ところで、連邦軍はこれまでにもザクを鹵獲したことはあるのだろうか。戦争ももう9か月~10か月になろうとしているわけで、1機くらいは鹵獲していても不自然ではない。
そうであればそのデータをホワイトベースも共有していて良さそうだが、そうはなっていないらしい。
カイの成長?
カイ「代わろうか?」
ミライ「・・・ありがとう、頼むわね」
この場面、いつものようにカイがアムロをからかっておしまいかと思ったら、ミライに声をかけ、操舵を代わっている。
カイ「おやおやハヤト君、ご精が出ますねぇ。しかしね、目の前に敵さんがいるのよ、間に合うの?」
ハヤト「茶化さないでください」(第6話)
これまでのカイとは行動が違う。カイもホワイトベース内での自分の役割を意識し始めているのかもしれない。
南極条約とコズンの扱い
ミライ「どう?ブライト」
コズン「また若すぎる女兵士かよ」
ブライト「この船の責任者が私だということを認めてくれなくてね。コズン・グラハム少尉、ランバ・ラルのギャロップとかいうのはどこにある?」
コズン「将校には将校の扱い方があるのは知っているだろ」
ブライト「南極条約は調べましたよ、コズン少尉。マクベの鉱山のこと、話してくれませんか?」
コズン「そう簡単にしゃべる訳にはいかんよ」
ブライト達がコズンを尋問中である。
前回紹介したが、近代以降、戦争捕虜の保護が謳われるようになっており、捕虜の取り扱いに関する国際条約(ジュネーブ条約)が締結されている。
機動戦士ガンダムの世界では「南極条約」がそれに相当する。
さて、ジュネーブ条約では、尋問に対して回答を拒否する者であっても、拷問等を加えることは許されない。
第17条 ④ 捕虜からいかなる種類の情報を得るためにも、これに肉体的又は精神的拷問その他の強制を加えてはならない。回答を拒む捕虜に対しては、脅迫し、侮辱し、又は種類のいかんを問わず不快若しくは不利益な待遇を与えてはならない。
作中ではコズンの顔を照らすように電気スタンドが設置されている。この電気スタンドは「太陽にほえろ!」昔の刑事ドラマ等でよく見られた演出であり、時代を感じる演出である。
この電気スタンドで顔を照らす目的はいろいろ語られているが、その一つとして光源を顔の近くに置くことで眠らせないようにするためと言われている。
ブライトは「南極条約は調べましたよ」と言っているが、光源を設置して眠らせないようにしているとすれば問題があろう。
南極条約がジュネーブ条約第17条と同じような規定になっているとすれば、条約違反の可能性がある。
「将校の扱い方」?
なお、コズンは「将校には将校の扱い方があるのは知っているだろ」といって、ブライト達にぶっきらぼうな態度をとっている。
これはジュネーブ条約第44条と第39条に関連するものであると考えられる。
第44条〔将校の待遇〕 将校たる捕虜及び将校に相当する地位の捕虜は、その階級及び年令に適当な考慮を払って待遇しなければならない。
ホワイトベースのクルーの階級は、最上位がブライトの少尉であり、その他のクルーの階級はそれよりも低い。
マチルダ「モルモットはお嫌?ブライト少尉」
ブライト「命令として受けてはおりません。少尉?僕が?」
マチルダ「ええ、レビル将軍がそうおっしゃってますよ。そのうち通知があるでしょう」(第14話)
コズンに対しては第44条に基づいて、少尉たる地位にふさわしい待遇をしなければならない。
また、コズンは、ホワイトベースのクルーに対しては敬礼や敬意の表示もしなくてよい。だからぶっきらぼうな態度で振舞っているのだろう。
第39条〔管理、敬礼〕 ③ 将校たる捕虜は、抑留国の上級の将校に対してのみ敬礼をするものとする。但し、収容所長に対しては、その階級のいかんを問わず、敬礼をしなければならない。
ただし、ブライトはホワイトベースの艦長で「収容所長」に当たるので、コズンはブライトに対しては敬礼をしなければならないはずだ。
しかし、コズンはブライトが若すぎるため「こんな若造が連邦軍の新造戦艦ホワイトベースの艦長なわけがない」と信用せず、ぞんざいな応答をしている。
これにブライトが「この船の責任者が私だということを認めてくれなくてね。」と愚痴っぽく呟いているという状況だ。
非常によく練られた場面である。こんなところまで検討して描いているとは、細かい演出に脱帽である。
当然、アニメを見ているちびっ子達には理解できなかっただろう。
補給を受けるランバ・ラル隊
ラル「このザクとてかなり使い込んであるやつだ。クランプ、大丈夫なのか?」
クランプ「はい。オーバーホールの状態はいい様です。関節部分は新しいのに替えてありますし」
ラル「うむ。ファットアンクルは帰還していい」
クランプ「ご苦労!」
補給されたのは見たところザク1機のみのようだが、今回出撃時にはザクは2機登場するので、もう1機はもともとランバ・ラルが保有していたものであろう。
なお補給されたザクは「かなり使い込んである」もののようだ。オーバーホールを丁寧にしているとはいえ、ジオンの窮状を窺わせる。
手練れのコズン
ジョブ「当分出られると思うな」
コズン「素人どもめ。ろくな身体検査もしないで」
口内に隠した爆薬で手際よく脱走するコズン。
逃走中、階段の手すりを使ってスーッと降りていく様も、ホワイトベースの第二通信室からギャロップに連邦側の兵力を的確に伝えている点も、コズンが実によく訓練された兵士であることを物語っている。
アムロ出撃・・・ガンタンクで
ブライト「アムロ、ガンダムを発進させろ」
アムロ「了解、アムロ、発進します。空中換装もあり得ます。ブライトさん、ガンペリーの方を用意しといてください」
ブライト「了解。空中換装?アムロ、どういうことだ?」
ハヤト「アムロ、本当にいいのかい?ブライトさんにしかられるぞ!」
アムロ「大丈夫、ブライトさんを説得する自信はある。発進するぞ、いいな?」
ガンダムで発進しろという命令に反して、ガンタンクで出撃するアムロ。
アムロ「この程度の地上基地ならこのガンタンクの機動力と火力で十分に対抗できる。用兵の問題はまだブライトさんにはわかりはしない。なんでもかんでもガンダムで戦わせればいいってものじゃない」
アムロがガンタンクで出撃した理由は上記のとおり地上基地攻撃にはガンタンクで十分と判断したからだ。
その判断自体は間違っていないだろう。
しかし、この判断がのちのちホワイトベースを危険にさらすこととなる。
捕虜も出獄、セイラも出獄
オスカ「ガンタンク、発進しました。ハヤトとアムロです」
ブライト「なに?リュウじゃないのか。どういう訳だ?」
リュウ「ブライト!」
ブライト「リュウ、どこにいるんだ?」
リュウ「セイラが教えてくれた。捕虜が脱走した!」
ブライト「なに?」
リュウ「セイラに捕虜を捜させます、俺はガンタンクで・・・」
ブライト「ガンタンクは出動した」
リュウ「えっ?」
ブライト「やむを得ん、捕虜の発見を急げ。場合によっては射殺するのもやむを得まい」
リュウ「頼みます」
セイラ「ブライト、ありがとう。なんとしてでも捜し出します」
ブライト「い、いや・・・オペレーター、艦内チェック急げ」
このあたりは指揮系統も状況もめちゃくちゃである。状況を整理すると、
・アムロにガンダムで出撃しろと命令したにもかかわらず、アムロはガンタンクで出撃。
・捕虜コズンが脱走。
・リュウが勝手にセイラを出獄させる。
・セイラに「ブライトありがとう」と言われ、何も言い返せないブライト。
となっている。
アムロの命令違反や捕虜の脱走といった突発的な出来事がホワイトベースの内外で同時多発したとはいえ、今回のブライトは精彩を欠く。
ドップ、ギャロップ到着
マーカー「ドップです。続いて地上を接近するものがあります」
ブライト「なに?捕虜が言っていたギャロップだな」
ミライ「捕虜はセイラがなんとかしてくれるはずよ。リュウとカイを、それにアムロをガンダムに換装させて」
ブライト「リュウ、カイ、聞こえるか?敵の支援部隊が現れた」
ドップとギャロップの登場でアムロの作戦は完全に裏目に出てしまった形だ。
アムロがガンタンクに搭乗しているためガンダムはすぐには動かせない。この状況でランバ・ラルのグフに対峙できるのか!?
アムロの誤算
ハヤト「アムロ、ドップだ。左旋回」
アムロ「ドップの5機や6機・・・」
ドップの参戦に当てが外れたアムロだが、「ドップの5機や6機・・・」とガンタンクでなんとか切り抜けようとしている。そこにブライトから連絡が入る。
ブライト「アムロ、聞こえるか?」
アムロ「な、なんですか?ブライトさん」
ブライト「ガンキャノンとコアファイターがカバーしてる間に後退しろ。ガンダムに換装するんだ」
アムロ「し、しかし、うっ・・・ハヤト、よく狙え!このガンタンクの性能ならドップなんか」
ハヤト「や、やってる。け、けど、うわっ!!」
アムロ「ハヤト、大丈夫か?」
ブライトから後退してガンダムに換装しろとの命令がきても、アムロはまだ自分の作戦にこだわってしまっている。
すでに自分の作戦は失敗だったことは明白だがそれを認められないでいる。
この状況でさらにザクが現れた。
ハヤト「左、ザ、ザクだ!」
アムロ「ザク?新型のモビルスーツも。グフって言ってたな、あの捕虜・・・ハヤト、いけ!」
ハヤト「了解」
アムロ「ザ、ザクめ、計算より動きが速いぞ」
ブライト「アムロ、戻れ!」
アムロ「ハヤト、後退する。動いてる相手にガンタンクは不利だ!カイ、聞こえるか?援護を頼む」
カイ「ええっ、冗談じゃないぜ。ホワイトベース、前進してくれ、ガンキャノンだけじゃ・・・」
ザクの登場、そして、ザクの動きが事前に計算していたシミュレーションよりも素早いことを目の当たりにしてアムロは後退を決断する。
ここにきてようやく自分の判断ミスを受け入れた形だ。
しかし、鉱山基地からの砲撃に加え、空からはドップ、地上では敵モビルスーツも展開している。ホワイトベースは極めて危険な状況にある。
案の定、換装中にカイのガンキャノンがグフに襲撃され、右腕を破損。
ブライト「ガンダムを援護する。正面のグフのみに集中砲火」
ラル「うおおっ!し、しまった、爆撃のショックで関節が。ええい、戦わずして後退か。地上部隊がもう少しもってくれればなんとかなったものを。ギーン、ステッチ、後退する。ポイント3Rでギャロップに戻れ!」
ホワイトベースの砲撃がグフを襲う。その爆撃でグフの関節が破損。後退を余儀なくされる。
今回、ホワイトベースが勝てたのはただの偶然の産物に過ぎない。
ブライトとミライの温度差
ミライ「あんまり賛成できないけど・・・」
ブライト「ジョブだっていいし、オムルだってシミュレーションはやらせてある」
ミライ「若過ぎはしても、決して不適格者じゃないわよ」
ブライト「リュウにガンダムを任せてた方がいいと思うな」
ミライ「ブライトは決めたんでしょ、アムロをガンダムから降ろすって」
ブライト「ああ。我々は一人の成長を待ってるほどのんびりはしてられないんだからな」
ミライ「教習所じゃない事は確かだけれど、一時アムロを休ましてってことね?」
ブライト「しかし・・・」
ミライ「アムロは特別な子よ。あたしそんな気がするの」
ブライト「ミライ、賛成してもらいたいな」
ブライトはアムロをガンダムから降ろし、リュウやジョブ、オムルに任せようと考えている。
他方、ミライはアムロを降ろすことには反対の立場だ。ブライトの「アムロを降ろそう」という提案に対して「一時アムロを休ましてってことね」とブライトの提案を微妙に改変して、なんとかアムロとガンダムのつながりを保とうとしている。
ミライはなんとかアムロを理解しようとしているが、ブライトはそんなことをしている余裕はないという意見だ。
この温度差の原因はなんだろうか。
思い起こせば第2話でアムロとブライトが初めてブリッジで会話をしたところから、この2人は衝突していた。
ブライト「ガンダムの性能をあてにしすぎる、戦いはもっと有効に行うべきだ」
アムロ「な、な、なに?」
ブライト「甘ったれるな。ガンダムを任されたからには貴様はパイロットなのだ。この船を守る義務がある」
アムロ「い、言ったな・・・」
ブライト「こう言わざるをえないのが現在の我々の状態なのだ。やれなければ、今からでもサイド7に帰るんだな」
フラウ「ブライトさん!」
アムロ「やれるとは言えない。け、けど、やるしかないんだ。僕にはあなたが・・・」
ブライト「憎んでくれていいよ。ガンダムの整備をしておけ、人を使ってもいい。アムロ、君が中心になってな!」(第2話)
ブライトとしては今回の命令違反でいよいよ堪忍袋の緒が切れたといったところだろう。
しかし、それはこれまでブライトが本気でアムロと向き合ってきたという証拠でもある。
ブライトはホワイトベースの艦長として何とか連邦軍の勢力圏まで到達しなければならない。自分の判断一つでホワイトベースが沈んでしまうかもしれないという重圧は相当なものだろう。
だからこそ主力兵器であるガンダムのパイロットアムロとも本気で向き合ってきた。
当のアムロはガンダムのパイロットとして活躍を見せるが、その一方で自分勝手な行動も目立つ。一時は「誰が二度とガンダムなんかに乗ってやるものか!!」(第9話)とまで言い放っている。
甘ったれで、自分勝手なアムロのためにこれ以上ホワイトベースを危険にさらすことはできないとブライトは判断した。
ミライはブライトとアムロの関係を横で見てはいるが、果たしてブライトほど本気で考えていたのだろうか。
艦長として全責任を負う者とそうでない者との考え方の違いが現れているのかもしれない。
アムロ「家出」
フラウ「ア、アムロ!どこ行くの!?」
アムロ「ホワイトベースを降りるんだ。元気でな」
フラウ「えっ?なに?」
アムロ「船を降りるんだよ」
フラウ「どうしたの?」
アムロ「ブライトさんとミライさんが僕は不必要だって言うんだ。だから、船を降りるんだよ」
フラウ「ちょ、ちょっと!」
アムロ「止めるな!!」
フラウ「アムロ!!」
今回のタイトルは「アムロ脱走」だが、実際にアムロの起こした行動を見てみるとそれは単なる「家出」である。
ただ、アムロがホワイトベースという軍艦に搭乗し、兵士として稼働していたことから「脱走」となってしまっているというだけのことである。
さて、なぜアムロは家出をしたのか?
家出は古今東西を問わず多くの文学作品で扱われてきたテーマである。
そして、アムロのような思春期にある少年が家出をする場合はたいてい成長の過程で直面する葛藤を乗り越えるための一つのステージとして描かれる。
今回、アムロは前回鹵獲したザクの性能分析を行い、戦闘シミュレーションを構築した。
また、要塞攻略にはガンダムよりもガンタンクの方が適していると自分なりに考え、行動に移している。
アムロはホワイトベースのために自分なりに頑張っているのだ。しかし、今回それがすべて裏目に出てしまった。
せっかく構築した戦闘シミュレーションは実戦で全く役に立たなかった。
アムロ「ザ、ザクめ、計算より動きが速いぞ」
アムロ「完全に失敗か。ザクもグフも操縦者とか環境でまるっきり動きが違っちゃうってことか。根本的にやりなおさなくっちゃいけないのか。」
また、ガンタンクで出撃した命令違反をブライトにとがめられ、「ガンダムを降ろす」とまで言われてしまった。
アムロは、一人前のパイロットとしてホワイトベースのクルーに認めてもらいたい、ホワイトベースに貢献できる人間になりたいという理想を思い描いている。
しかし、現実は厳しく、自分の行動がかえってホワイトベースを危険にさらし、パイロットとしても「不必要」と言われてしまった。
この理想と現実のギャップを受け入れることができず、とっさに逃避行動に出てしまったのが今回の家出である。
アムロの本心は?
もっとも、アムロとてホワイトベースが本気で嫌になったわけではないだろう。
アムロはブライト・ミライを試している。自分は本当にいらない存在なのかどうかブライト達に問うているのだ。
「お前らは自分のことをいらないと言った。だったら自分がホワイトベースからいなくなっても問題ないだろ。自分いなくなっても困らないだろ。それを試してやる!」と考えた結果のいわばヤケクソの行動である。
ホワイトベース側が「根をあげて」探しに来ることを想定しての行動であるから、本心ではホワイトベースのクルーに自分を探してもらいたいし、迎えに来てほしいと考えているはずだ。
第15話のククルス・ドアンとの決定的な違いはここにある。
ドアンは脱走する際二度とジオンには戻るまいと決心して脱走した。太平洋の孤島で子供たちと一生を終える覚悟だ。
しかしアムロは違う。あくまでもブライト・ミライへの行動を伴った問いかけであり、いつかはホワイトベースに戻る想定での行動である。だから「家出」なのだ。
ガンダムも持っていった!!
リアル戦争路線としての「機動戦士ガンダム」を考えた場合、アムロの家出問題の本質は別にある。それはアムロがガンダムを持っていった点だ。
ガンダムはホワイトベースの主力兵器であり、それをもって脱走することは死刑になってもおかしくない大罪である。
そして、マクベの勢力圏内にあるホワイトベースを危険にさらす行為でもある。
アムロはフラウボウに涙ぐみながら「止めるな!」といって家出したが、この場合本当に泣きたいのはホワイトベースの方である。
第17話の感想
今回は、アムロが脱走もとい家出をするまでの心理をかなり詳しく描写している回だった。
ホワイトベース内での信頼を得たいアムロだったが、今回はその行動が完全に裏目に出てしまった。その結果、カイのガンキャノンを危険にさらしてしまう。
そのことで落ち込んでいるところにブライトとミライが「アムロをガンダムから降ろす」と相談しているのを偶然聞いてしまう。
アムロは「お前はいらない」と言われた気がして、その現実を受け入れることできず、衝動的に「家出」をしてしまう。
このあたりの心理描写は丁寧で、アムロの心情がよく伝わってくる。ガンダムが闇夜に消えていく様はアムロの心の中を表現したかのようだ。
さて、マクベの鉱山基地を目前にたもとを分かってしまったアムロとホワイトベース。
今後、おそらくはアムロがどういう経過をたどって、ホワイトベースの下に戻るのかが描かれるはずだ。
そこに着目して見ていきたい。