【こぼれ話001】巧みな構図で位置関係を説明~機動戦士ガンダム 第1話「ガンダム大地に立つ!!」感想
「機動戦士ガンダム」で、ホワイトベースはサイド7を出港した後、ルナツーに寄り、その後地球を目指す。
物語がある程度進まないと月と地球、ルナツー、サイド7の位置関係は明らかにならないように感じられるが、実は第1話の最初ですべて説明していたのだ。
以下、画像で説明を加えているが、「機動戦士ガンダム」第1話は公式のYouTubeチャンネルで見ることができるので、ぜひ映像でも確認して、構図の巧みさを存分に味わってほしい。
月→地球→ルナツー
まず、画像の左の方に小さく描かれているのが月。
続いてその右手前に青い地球。
右端に少し移っているのがルナツーである。
ルナツー
上の画像から右方向にカメラが動いていってルナツー。巨大な岩石に人工のものと思われる複数の光が見える。
ルナツー→太陽→サイド7
さらに、カメラが右方向に動いていって太陽とコロニーが見える。このコロニーがサイド7だ。
このシーンの後、ザクのモノアイが下からぬっと現れ、サイド7へ侵入するシーンにつながっていく。
もちろんこのシーンのみで月や地球、ルナツー、サイド7の正確な位置関係が分かるわけではないが、おおよその見当をつけるには十分だ。
また、「地球とは別のコロニー内で物語は始まりますよ」ということも分かる。
こういう絵で説明する技術こそ、アニメーションや映画などの映像芸術の真骨頂であり、作品鑑賞の楽しみの一つである。
同様の「構図による説明」は「機動戦士ガンダム」第4話でも用いられている。
こちらも同じく左から右へカメラが動いて月、地球、ルナツーを順に描いているが、第4話では月、地球、ルナツーが徐々に重なっていく描写から、この3つが一直線上にあるということが巧みに表現されている。
抜群の構図である。
ぜひ、映像で確認してほしい。
【関連記事】
この記事が参加している募集
よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは動画配信サービスの利用料金、他のクリエイターへの投げ銭にあてさせていただきます!