第1回内科専門医/第187問(代謝)/2021
第 1 回内科専門医試験
2021年度予想
82歳男性。今朝、自室で倒れているのを家人に発見され、救急車で搬入された。1週前から38℃の発熱、鼻汁および咽頭痛を訴えていたが、食事も摂れていたので医療機関は受診せずに様子をみていた。昨日の夕食も通常通りに摂取して就寝したが、朝食時に起きてこないので家人が様子を見に行ったところ自室で倒れていたという。2年前から2型糖尿病に対してDPP-4阻害薬を内服している。意識レベルはJCS III-100。身長152cm、体重42kg。体温37.8℃。心拍数104/分、整。血圧88/46mmHg。呼吸数18/分。皮膚、口腔粘膜は著明な乾燥を認める。尿所見:蛋白(±)、糖4+、ケトン体(−)。
血液生化学所見:尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、血糖 720mg/dL、HbA1c 6.6%(基準4.6〜6.2)、Na 143mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 102mEq/L。
動脈血液ガス分析(room air);pH 7.41、PaCO2 42 Torr、PaO2 93 Torr。
この病態について正しいものはどれか。1つ選べ。
a. 腹痛をきたさない。
b. 急性腎障害をきたさない。
c. クスマウル呼吸を呈する。
d. 呼気はアセトン臭を呈する。
e. DPP-4阻害薬が誘因として背景にある。
< ここから解答・解説になります >
解答
a
高浸透圧高血糖症候群(HHS)
ここから先は
407字
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?