【#02インタビューPJ】 Miki / 女性
皆さんこんにちは。Gender+です。
インタビュープロジェクトとは、ジェンダーマイノリティの人生や想いをクローズアップするインタビュープロジェクト。社会の当たり前や枠組みを飛び出し、オリジナルな人生を歩もうとする個人のストーリーを紹介します。
今日は、女性という枠組みを超え、自分らしさで挑戦し続ける、Mikiのインタビューの様子をお届けします。
- 自己紹介
1993年生まれで、現在29歳です。出身は兵庫県の神戸市です。高校の時にニュージーランドへ1年間、大学はアメリカへ4年間、大学院はイギリスへ留学をしました。サッカーは小学校の時から初めて、中・高は神戸のクラブチームでプレー。大学もアメリカで毎日ボールを蹴ったり、社会人ではフットサルのチーム入ったり、現在もプレーを続けています。
この1月に一般社団法人PLAINEを設立しました。そして、新しくサッカーチームを名古屋でスタートしていく予定です。
- セクシュアリティについて
私は女性として生まれて、今でも女性として生きています。正直、自分の性に違和感を特別に感じたことはないと思っています。それでも改めて振り返ると、女性としての葛藤はありました。
女性で生きていることに自分の心としても何も違和感はないですが、中身を見た時に、自分がすごく女性的かって言ったら、男性的な部分もすごくあるんじゃないかなと思うし、男性の環境の中で生きる方が、私は心地が良かったりします。
- 女性として生きていく中で、苦しかったことはありますか?
社会人になって、男性ばかりの環境で営業として働き始めました。年齢も40代、50代の人が多く、営業経験がかなりある人たちの中に、新入社員として入ったので、ギャップや難しさは感じたと思いますね。
- 女性という見た目が理由で、不利に感じたことはありますか?
会社に入ると、「女の子が来た」ということで、すごく優しくしてもらったという印象があります。そういうところでは、ラッキーだったなという点もありつつ、そこを平等に扱ってもらえなくて、大目にみてもらったからこそ、自分が頑張りたいと思っていても、「女の子だからそんなに頑張らなくていいよ」という雰囲気がありました。
どこかで私が感じたのは、営業をしていて、自分が話をして、それを評価してもらうっていうよりは、あまり何も言わずにニコニコしている方が物事がうまくいく。特に、相手が男性で歳上だと、逆に何か色々言いすぎたらそれがちょっとマイナスになっちゃったりとか。本当は、言った内容とか自分の考えで評価して欲しかったので、1人の人として能力を高めたいとか成長したいと思っているとしたら、それは機会を失っているなという風に思います。
そういう人たちもいる中で、性別関係なく私を1人の人間として見て、ちゃんと私がやれたことに対して実力で評価をしてくれた上司の人もいたから、私自身も成長できたなという風に思います。
- 海外では、ジェンダーの壁を感じましたか?
私はアメリカで、女子のサッカーチームに入らずに、男の人と毎日楽しくボールを蹴るということを選びました。その中でまず、女性であることも浮いていたけど、日本人/アジア人の顔をしていることも割と浮いていて、そういうバックグラウンドを2つ持っていた中でも、すごく受け入れてもらいました。
正直悩んできたし、楽しいことよりも悩むことの方が多かったけど、それも含めて人生そうあるべきで良いと思っています。そういったことと向き合って自分なりに理解しようとしてきたということが、気付いたら内面的な成長に繋がっていたと思います。それが私のこれまでの人生を作ってきてくれたと思うし、そこが1番大事だったなという風に思っています。
- 日本では、男性社会で女性が活躍するために、頑張って合わせる風潮がありますが、それに関してはどう感じますか?
「社会自身が正解じゃない。社会の基準に追いついて、そこで自分ができるとか自分の居場所をそこで見つけようしなくていい。」人それぞれ正解があるって思えたら、社会の男性が中心になって正解を作り出している世の中が、本当に正解かっていうことがまずクリアになる。それぞれが自然体で自分の正解を持ってる人の方が素晴らしいと、私個人的には思っています。社会で生きる人たちがそれぞれ自分の価値観とか答えを持っていたら、そういう「誰かが誰かに合わせないといけない」みたいなことは、少しずつなくなっていくと感じています。
- ジェンダー指数ランキングで日本が低いことについて
ジェンダーだけじゃなく、日本人の性質的に、文化も長いものを培ってきた分、変化することが中々難しいと思うのですが、それはそれでいいことでもあると思っています。周りに色んな文化の国があるヨーロッパなどと比べたら、日本は今あるものを大事にするってことを優先するような文化だと思います。
でもそうしてたらやっぱりギャップはどんどん出てくる。その中で、ジェンダーの切り口で男女格差とかを見てしまったら、世界ランキングでは割と下の方みたいですけど、どうやって大事なところをそのまま大事にしながら、変わるところを柔軟に変えていくかっていうのが、必要になってきてるのかなと思います。
- これから女性として、みきさんとして、どのように生きていきたいですか?
イギリスの大学院を卒業して、そこから企業に就職してキャリアを積み上げていく道があったのにも関わらず、それを180度変えて、自分で0からスタートすることを決めた時は、相当な覚悟や勇気が必要でした。今振り返れば、私が女性であることも1つ壁になっていたのかなと思います。
勇気を持って独立を選んで、自分の人生を自分らしく生きる、1人の人間として成長し続ける想いを優先できた結果だと思うので、そういう人もいるんだっていう風に思ってもらえたらいいなと思っています。悩んでいたり、1歩踏み出したいけどなかなか勇気が出ないという時に、「それでもいいんだよ」ってことを、まずは自分が少なくとも言える立場でいたいです。
私がこれから進んでいくサッカービジネスの世界で、女性はすごく少ないし、ジェンダーの観点で見てレアなのかなと思います。あんまり特別意識することではないかもしれないけど、その部分も背負って、何か社会的インパクトを将来的に起こせたらいいなと思っていますし、蒼と一緒に、ジェンダーについても取り組んでいけたらと思います。
- 最後に
私は、社会で1人ひとりが自分の感覚を持つことが大切だと思っています。その人たちが自信や勇気を持つことが難しい時に、私の存在が何かヒントになれば嬉しいです。ジェンダーの葛藤は自分を見つめ直すいい機会だと思うので、それをきっかけにこれから自分の人生どうしていきたいか、どうありたいかを考えられると思っています。少なくともそういうことを頑張っている人を応援できるような存在でいたくて、このPLAINEという社団法人も立ち上げました。
自分らしく生きることが難しくても、そこに価値を感じて進んでいくことの大切さが、少しでも伝わったら嬉しいです。
このプロジェクトでは、ジェンダーの枠組みを超えて、挑戦する人のストーリーを募集しています。インタビューを通して、自分と向き合ってみたいとか、何か刺激をもらいたいという方がいましたら、ぜひご連絡いただけると嬉しいです。
そして、この活動に関わってみたいという方がいましたら、ぜひ一緒にできることを模索していければと思います。
読んでいただき、ありがとうございました!
YouTube動画はこちらから💁
Mikiのインタビュー(前半)
Mikiのインタビュー(後半)
Miki
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