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1025_口出す人々
他人の人生に口出しする権利なんて、誰にもない。
「あんないい会社を辞めるだなんて、本当にもったいない」
「どうせ、あんな仕事で到底食っていけるわけない。もうちょっとまともな仕事に着くべきだ」
「人生、自分の思う通りになんかいかない。彼のやっていることは、周りのことを顧みないひどく自己中心的だ」
「あんないい人と別れるだなんて、彼女は後で後悔することになるにちがいないわ」
これって、いったい誰から誰のセリフなんだろう。
「あなたのためを思って」だとか「悪いことは言わないから、言うとおりにしなさい」だとか。
決して、その人のために言っているセリフなんかじゃないのだろう。全て自分を守るためだけのセリフなんじゃだろうか。
「人生、彼の思い通りになんかいかない」
(じゃないと、思い通りにいかない俺の人生がバカみたいじゃないか)
「あんないい人と別れるなんて信じられない。彼女は後悔する」
(私はあんないい人と付き合えないっていうのに、それよりもいい人と彼女が付き合ったりしたら、私の存在はいったいなんなの)
「人の言うことを聞かない奴はダメだ」
(俺は人の言うことばかり聞いてきたのに、人の言うことを聞かない奴が人生成功するわけなんてない。そもそも成功させるわけにはいかない)
「あなたのため」だとか言って、自分のいる場所を安全地帯にしてなんとか守りたいっていう意図が透けて見えるものばかり。だから、そもそも他人の人生に余計な口出しをしている奴自体が、そもそも自分の人生に向き合っていないっていう証拠なんだ。