1288_部下の扱い
「いや、最近、違う部署の知り合いの話聞いたら、びっくりしちゃってさ」
「どうしたんです?」
「若い子の指導にあたってんだけど、そいつがミスしたから、ちょっとだけ強めに言ったらしいのよ」
「ええ」
「そしたら、その若いのがスマホでその一部始終を録音してて、人事に駆け込んだんだって」
「うわあ、マジすか」
「人事のやつにも聞いたんだけど、そういうのホント多くなっちゃったんだって、ここ最近で」
「そうなんですね」
「もっともっと他にもいっぱい証拠ありますよ、とか言って、どんどん自分がハラスメントされたこと人事に訴えるからさ、内部で調査するのに大変な労力かかるんだって」
「ええ、どうなっちゃってるんですかね、最近」
「もうハラスメントだって言われちゃうから、部下に何にも言えなくなっちゃうんだよなあ、怖いから」
「なんのために偉くなってんのか、わかんなくなっちゃいますね」
「だから、君みたいな若い人は大変よ」
「いや、もう私40代半ばで全然若くないですが」
「いや、つまりこれから管理職になっていろんな若い部下が増えてくると、大変になるだってことよ」
「マジで罰ゲームじゃないですか」