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私の不倫日記:13章「愛する女性と彼女の娘」

今日も二人は夜のラブコールである。

ヨーコが私に聞いてきた。
「今日のセイジさんの仕事はどうやったん?」

私は職場での一日を振り返って答えた。
「ん? どうって、別にいつもと変わらんかったよ。
特別忙しくもなかったし。」

その返事を聞いたヨーコは
「んふふふ…」と笑い出した。

「なんや、気持ち悪い笑い方して。」
私は気になってヨーコに聞いた。

「ふふふ、今日なあ、セイジさんの働いてるとこ見たで。」
楽しそうな声で笑いながら、ヨーコが私に言う。

「え、えーっ! ど、どこでっ?」
私は少しうろたえ気味に問い返した。

「へへへ… セイジさんの病院!」
ヨーコはなぜか得意そうに言う。

「えーっ? 訳わからん…? どーゆーこと?」
ますますパニクる私…

「ごめんごめん、ちゃんと説明するから。
今日な、うちの娘が体調悪くてセイジさんの病院で受診してん。」
ヨーコが私を安心させるために、ちゃんと説明してくれた。

「なるほど、そういうことか。」
ヨーコの説明に私は納得した。
前にも書いたが、私は病院で働く診療放射線技師である。

「そんでな、おなかも痛がってるからレントゲンを撮ろうって担当の先生が言わはってん。」
彼女は私に説明をしてくれた。

「そうなんや。でも、僕はその撮影に関わってないんやろ?」
 私は記憶をたどるが思い当たらない… ヨーコが娘に付きっていたのなら気が付かないはずが無かった。

「そやで。セイジさんが撮影を担当してる部屋のとなりの部屋で、別の技師さんに撮影してもらってん。セイジさんは別の患者さんをを撮影室に呼び入れてたもん。その時にセイジさんを見てん。」
私はヨーコの説明で全て合点がてんがいった。

「そっかあ、全然気ぃ付かへんかった…」
私は本当にヨーコ達母娘ははこに、まったく気が付いていなかったのだ。

「そうやねん。セイジさん、私に気ぃ付いてへんなあって思いながら見ててん。
私の苗字みょうじは、日本中でごくありふれてるもんね。」
ヨーコが笑って言った。

私はとても残念だった…
 ヨーコにいたかったのはもちろんだが、彼女の4歳の娘に会ってみたかったのだ。
 ヨーコからはいつも話には聞いていたし、娘さんの写真を見せてもらった事もあったのだが、もちろん会ったことは無かった。まさか、自分の不倫相手に娘を会わせる訳にはいかないだろう。
私も合う訳にはいかない。

 ヨーコの娘に会ってどうするわけでもないが、彼女の遺伝子を受けぐ子供の顔を見てみたかったという単なる興味本位だったのかも知れない。
『君はお母さんに似て、美しい女の子なのかな…?』

 だが、実のところヨーコの娘には、大事な母親との時間を私がうばっているというい目があり、申し訳ない気持ちがあるのも事実だ。

『僕は君のお母さんを、世界で君の次に愛してる男だよ、よろしく…
ごめんね、君のお母さんの愛を少しもらって…』
なんて、そのに言えるはずもなかった。

 また、その娘に対する私の本音としては『君がお母さんと一緒にいる時間は、私はヨーコを愛せない…』
ヨーコの娘に対する私の感情は複雑だったのだ。

『でも、身体を早くなおしてね。』
これはまぎれもない私の本心である。
 医療従事者である立場としても、また同じ一人の女性を愛する者同士としても… 私は会ったことの無い少女に正直にそう思ったのだ。私達は二人ともヨーコを愛しているのだ。

「それでな…」
ヨーコの言葉で私はわれに返った。

「セイジさん、カッコ良かったで。フフフ… 裸の時とえらい違ってた。」
彼女は楽しそうに笑っている。

「僕はいつでもカッコええで、裸の時もやで。」
と私はうそぶく。

「はいはい、いつもカッコええよ。なんせ、抜かず4発やもんね!」
ヨーコが電話の向こうで笑いころげているのが目に浮かんだ。

「また、ちゃんとヨーコといたいな… そんで、ヨーコをいっぱい抱きたいねん。」
私がしみじみと言う。

すると、ヨーコは真面目まじめに戻って私に答えた。
「そやね、私もセイジさんと愛し合いたい…」

二人とも電話の向こうの互いをおもい、ため息をついた。

 いつもヨーコのそばにいられたら、ここまでせつなく彼女をおもうことは無いのだろうか?
 ここまでかわくほどに… えるほどに… ヨーコを恋焦こいこがれる気持ちに、身も心もさいなまれずにんだのだろうか…?

つらかった… 最愛の人の声を聴いていても…
 いや、聴いているからこそ、どうしようもない二人の距離をよけいに切なく想い、二人の関係をただうらみに思った…

「今度エッチする時は抜かず5発なっ!」
沈黙にえられずに私が言った。

「いややぁ、そんなにぃ… アソコいたなるやん!」
ヨーコは苦笑い(?)で私に答える。

「えっ、そうなんか? じゃあ優しく動くし、抜いてもいいから…」
私は真剣に彼女を心配して言った。

ヨーコはそれを聞いて吹き出した。
「フフフ…可愛いな、セイジさん。ええよ、いっぱいしよな!」

「うん!」

二人は大声でちかい合った。

 電話を終えた私はヨーコをおもい、会ったことのない彼女の娘にも思いをせた。

「ごめんな、また君の大事なお母さんを少し貸してな…
そのかわり、僕は君のお母さんに愛と元気をいっぱいあげるからな…」

私は二人の事を考えながら眠りにいた…


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