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幽閉⑲ 私があんたにぶち込んであげる…

最初は何が起きたのか分からなかった…

私はとパパは二人で床ごと落下したのだ

幸いな事に私達が落ちたのは

階下のリビングのソファーの上だった

パパはすぐに立ち直って私を起こしてくれた

「バキバキバキッ!」

まだ二階をこわす音が聞こえてくる

このままじゃアイツに殺されちゃう…

何とかしなくちゃ…

そうだわ!

アイツが私を犯しながら聞かせたのよ

この王国は要塞ようさいだって自慢してた

銃もマシンガンも手榴弾もあるって

ロケット砲もあるって言ってた…

どこにあるかは教えてくれなかった

当然よね、私に使われれば殺されるんだもの…

でも、今なら…

アイツは外にいる…

私達は家の中

どこにあるんだろう

あっ、パパがリビングの壁をって壊してる…

何か見つけたのね

私はパパのそばに行きかたわらに立った

何… これ…?

武器がいっぱいある… こんなにたくさん…

本当にアイツが言った通りだわ

ここは要塞だったのね…

アイツ、戦争でもする気だったのかしら…?

私には教えてくれなかったけど

リビングの奥に隠し部屋があったのね

二階の床の破壊で壁が壊れたんだ…

パパが何か取り出してる…

何、その長いつつみたいなの…?

パパに聞いたらロケット砲だって…

これがそうなのね…

これならアイツを粉々こなごなにしてやれるわ!

でもダメ… パパは左腕を怪我けがしてる…

ロケット砲を構えられない…

私が撃つわ…

パパ、やらせて… お願い

私はここへ来る前からけがれてた

それは私の自業自得…

アイツのせいじゃない

でも…

アイツは私の人間としての尊厳を

みにじったのよ

許せない!

つぐないをさせてやる

今までアイツに殺された人達のかたきも私が取る

あの人達は何も悪くなかったのよ…

ただ、私を好きになってくれただけ…

ただそれだけなのに…

アイツは拷問ごうもんして楽しみながら殺した…

許せない!

私のために… 殺されたみんなのために…

私がアイツを…

パパ、お願い…

私にアイツをらせて

私はもうこれ以上落ちる所なんてない

死んだら地獄なのは覚悟してる

パパとママとは一緒に天国に行けない…

でも…

アイツを殺して

いつだか分からないけど…

私も死ぬ時にはアイツと同じ所へ行く

だから、私が引き金を引くわ

パパの右肩にロケット砲をせさせて

右手でしっかり押さえててね

これでいい…

ようし、準備完了よ

いつでも来い、クソ野郎!

「ダキューン!」「カンッ!」

「ダキューン!」「カキンッ!」

パパの撃った拳銃の弾がはじかれた

そうよ、そんな物で死なないでね…

あんたにはもっといいモノあげる…

私にあんたの汚いモノをぶち込んでくれたお礼に

私から百倍返しのプレゼント

私があんたにぶち込んであげる

対戦車ロケット砲…

受け取れ、このクソ変態野郎っ!

「バッシュッー!」

「ドッカーンッ!」

ユンボのアームがふっとんだ

運転席は跡形も無い…

もちろんアイツも…

消えちゃった…

やった… やったのね…

神様… 

ありがとうございます…

パパにわせて下さり…

アイツをやっつけさせて下さって

私はいつか地獄へ落ちるでしょう…

でも、後悔はしていません…

お力をお貸し下さり

感謝いたします

神様…

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幻田恋人
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