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【現代文の地図】第0講 現代文って何を勉強すればいいの?現代文の全体像
「現代文が苦手」をこの世からなくす!を目標にYouTubeやこのnoteで情報発信をしているヤマモト健太です。
YouTubeで発信している情報を、noteで文字としても残して置くことで、ウェブで勉強法を調べている受験生の子やその親御さんなどの目にも触れられるかと思いますので、書いていきたいと思います。
私がこのような活動を行うに至った経緯や考えはこちらの記事をご覧ください。
全体像の理解なしに勉強するリスク
目的地を把握しないで出発してはいけない
今回は現代文という科目の全体像をお話しようと思います。
どんな勉強でもまず全体像を把握することが大切です。
ゴール地点がわからないまま進むと、全然違う目的にひたすら進んでいくことになったり、メリハリの付け所を間違ったり、とにかく効率が悪くなってしまいます。
一生懸命かけた時間が無駄になってしまうリスクは少しでも無くすべきです。
このnoteのタイトルにもなっている「現代文の地図」というのも、全体像(=地図)を見ながら勉強を進めてほしいという思いから名付けています。
世の中の現代文の塾・予備校講師、参考書は全体像を見せることなく、ただひたすら「対比とはこうだよ」「しかしなどの逆説がでてきたら、後ろには大切な内容がくるよ」などという解説をしがちです。
もちろんこれらの知識は大切ですし、その内容も間違いはありません。
しかしあくまでこれらは枝葉の部分であり、全体像となる幹の部分を把握した上で学んでいかなければ、その効果がとても低くなってしまいます。
まずは今回の内容で現代文という科目の特徴や全体像を掴んでみましょう。
ちなみに今回の内容の動画はコチラになりますので動画再生が可能な環境にいる方は、ぜひ動画をご覧いただけますと幸いです。
現代文という科目の特徴
![](https://assets.st-note.com/img/1722829555016-Ful4aG1LqW.jpg?width=1200)
文章を読んで問いに答える
まずは「現代文」という科目がどのような科目なのかを説明していきます。
現代文の問題には必ず次のような言葉があるはずです。
「次の文章を読んで後の問に答えよ。」
なぜこの文言があるのでしょうか?
それは「現代文」という科目が「本文の中にどう書いてあるか」を問う科目だからです。
これは他の科目とは一線を画す特徴です。
現代文以外の科目は答えが頭の中にあることが基本です。
英語であれば単語の訳や文法項目、日本史・世界史などの社会であればほぼすべての項目が頭の中にある知識を問う問題です。
しかし、現代文は答えが頭の中にありません。
※ただし、語句の意味や漢字、文学史などの知識問題はあるにはあります。
「答えは本文の中にある」という点が現代文の最大の特徴です。
そのため前提として「次の文章を読んで後の問に答えよ」というフレーズが不可欠なのです。
本文で述べられている内容だけが根拠
先ほども述べたように、「現代文」という科目は答えが本文にしかないのが特徴です。
そこからもう一歩踏み込むと、こういうことが言えます。
「現代文は筆者の主張を掴む必要がある」
本文の内容というのは、つまり、その文章を書いた筆者の主張(言いたいこと)ということになります。
現代文の最初のステップは筆者の主張を掴むことです。
ここで大切なのは、「世間の常識からは考えられない内容でも、本文中で筆者が述べているならばそれが正解になる」という点です。
受験生の考えを聞いているわけではないのです。
※自分の考えのことを「主観」といいますが、「主観的」に読んではいけないわけです。誰が読んでも同じ結論になる=「客観的」に読む能力を求められています。
読みにくい文章というのは、総じて自分の考えと相容れない内容の場合であるものです。
自分がどう思うかではなく、本文で筆者が何と述べているかを掴んでいくことが大切になるわけです。
読解力の2つの要素
では実際に勉強を進めていく上で、大切な話をしていきます。
ここまでの内容で「現代文」という科目は「本文に何と書かれているか=筆者がどういうことを述べているかが大切だ」ということは理解していただけたかと思います。
そうすると当然考えるのは「現代文の勉強とは、どのように本文を読んで、筆者の主張を掴むかだ」ということになるかと思います。
しかし、これは現代文という科目において必要な要素の半分の側面しか満たしていません。
ではもう一つの側面とは何なのか。
それが「解く力」です。
本文をいくら完璧に読めても、設問にきちんと答えられなければ点数はとれません。
つまり、現代文では
「読む力」…筆者の意図を読み取る力
「解く力」…出題者の意図を読み取る力
という2つの力が必要なのです。
この両輪が揃って初めて現代文で安定して点数を取ることができるのです。
そしてこの「読む力」と「解く力」は別々に勉強していくべきだということを強調しておきたいと思います。
授業や問題集でも現代文では問題演習が基本です。
つまり「本文読解」と「設問の解答」がセットです。
しかし、難しいことは何でも分割して考えるべきです。
いきなり2つの力をつけようと思っても無理な話(そもそも2つの力が別だという意識がない人がほとんどですが)。
まずは「読む力」を徹底的にトレーニングし、本文の内容を掴める状態を作る→「解く力」を養い、設問に正しくアプローチすることで点数を取る。
この流れを絶対に意識してください。
「読む力」と「解く力」と2つを並立して並べていますが、それぞれに要する労力で見た場合、圧倒的に「読む力」にウエイトがあります。
きちんと「読む力」をつけていれば「解く力」はすぐに身につきます。
そういった意味でも、まずは「読む力」のトレーニングに全力を注ぐようにしましょう。
現代文の全体像
![](https://assets.st-note.com/img/1722829578574-Gq3ZJO1wW0.jpg?width=1200)
「読」パートと「解」パートに分けて勉強する
前述したとおり、現代文には「読む力」と「解く力」2つの力が必要です。
それぞれを分けて「読」→「解」の順で勉強していくのが現代文という科目の全体像になります。
ここでは実際に「読」と「解」のパートに分けて、それぞれのフェーズでの目的(ゴール)と習得すべき内容を解説していきます。
「読」パート①ゴール
まずは現代文の勉強のほぼすべてと言っても過言ではない「読」パートです。
ここでのゴールは
「筆者の主張を掴み、文章の要約が書ける」状態になることです。
筆者の主張を掴むために「読むための道具」を5つ身につける必要があります。
これらの道具を駆使して文章を読むことで内容を把握することができるようになります。
さらにそこから肝となるのが「要約」です。
私の指導において、「要約」はかなり鍵を握る部分です。
そもそも受験生の中には自分がその文章を読めているかどうかすら分からない人がほとんどです。
もちろん、読めていると思っている人の中にも、きちんと読めていない人はごまんといます。
読めているか読めていないかは「要約」を書いてもらえば一目瞭然です。
「要約」とは読んで字のごとく、「要点をまとめたもの」です。
そのため、内容がしっかり分かって(読めて)いれば要約が書け、分かって(読めて)いなければ要約は絶対に書けません。
ここで、そもそも我々が当たり前に使っている「読む」という言葉を、改めてしっかり理解しておく必要があります。
文章とは段落の集まりであり、段落は文の集まりです。
つまり、文章を「読む」ためには「文を読みつなぐ」必要があるのです。
それぞれの文、一つひとつが理解できていても、それらを繋いで理解できていなければ読めていることにはなりません。
たとえば
「①果物は甘い。」
「②みかんは甘いし、りんごも甘い。」
という文があった場合、1文目と2文目の関係性はどうなっているでしょう。
この場合②は①の具体例になっています。
つまり①の内容を例を挙げて説明しているわけです。
では次の場合はどうでしょう。
「③果物は甘い。」
「④みかんには果糖が含まれており、りんごも同様だ。」
この場合は④は③の理由になっています。
上に挙げた4つの文はそれぞれ1つずつみていくと、どれも簡単な文で理解できない人はいないでしょう。
しかし①と②の関係性、③と④の関係性まで意識して文章を読めている人は多くありません。
実際には②の場合は「たとえば〜」、④の場合には「なぜなら〜からだ」といったような、文章と文章のつながりを示す表現があることが多いため、関係性は掴みやすくなっていることがほとんどです。
しかし、そういった論理構造を示す表現がなくとも、意味においてつながりを意識することが「読みつなぐ」ということになるわけです。
難しい文章を読んでいると「あれ?今何も考えずに文字だけを追いかけていた」という経験をしたことは誰しもあるはずです。
これがまさに「読みつなげていない」という状態です。
これを防ぐために「要約」の練習が効果的になるのです。
「要約」を書こうとすると読みつながざるをえません。
「読む」訓練には「要約」が最適なのです。
「筆者の主張を掴んで要約が書ける状態になる」ことが「読」パートでの目指すべき状態です。
「読」パート②読むための道具
文章を理解してくうえで役に立つのが読むための道具です。
私の場合は5つに分類しています。
①抽象&具体
②対比
③疑問&因果関係
④強調表現
⑤助詞、接続語、指示語、主述
これらは今後の記事で一つずつ解説していきます。
この5つの道具を使えばすべての文章を読むことができます。
どれも難しいことはなく、理解も簡単です。
ただし、理解できてもそれを文章を読む際に使うことができなければ意味がありません。
この辺りは演習の際、一緒に文章を読みながら見ていきましょう。
「解」パート①ゴール
「読」で内容が掴めるようになったら、ついに「解」のフェーズになります。
ここでのゴールは「設問を把握し、本文の内容に即して客観的に答える」ということです。
「読」パートできちんとした「読む力」が身についていれば問題ありません。
「解」パート②解くためのアプローチ
具体的に「解く力」に必要なアプローチは4つです。
①設問把握
②空所補充への対処法
③内容一致&理由説明への対処法
④記述問題の対処法
これらを学べばあとは実際の文章でトレーニングするだけです。
勉強の進め方
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今後どのように勉強していくかですが、まずは全体の中で自分がどの位置にいるか確認しましょう。
多くの人は「読む力」を養うべき状態ですのでまずは「読」パートを学んで下さい(YouTubeチャンネル「現代文の地図」やこのnoteで解説していきます)。
そして、そこで学んだ知識を普段の勉強で実際に使ってみてください。
何事も頭で理解できていることと、実際にその通りにできるかは別です。
一つずつ自分の力にしていきましょう。
今回お話した第0講はすべての土台となる部分ですので、必ずすべて理解した上で勉強を進めるようにしてくださいね。