【CTOとVPoEが語るテックビジョン】「2040年に世界一」を掲げ、エンタメ業界の革新を目指すGENDAの挑戦
ーーGENDAは「2040年に世界一のエンターテイメント企業になる」ために、どのようにテクノロジーの力を活用し、成長を遂げるのか
GENDAは、2024年7月に、テック組織の戦略をまとめた「Tech Team Vision」を作成しました。今回の記事では、CTO 梶原大輔とVPoE 荒井勇輔へのインタビューを通じて、GENDAの技術戦略や組織のビジョンについて探ります。
プロフィール
ーお二人の自己紹介と、管掌範囲を教えてください
梶原:梶原です。2021年10月にGENDAに入社し、CTOに就任しました。CTOとして、GENDAとGENDA GiGO Entertainment全体の技術戦略を担当しています。
荒井:私はVPoEとして、エンジニア組織全体のマネジメントを担当しています。エンジニア採用や評価に関しては、CTO・VPoEが一緒に取り組んでいます。また、プロダクト開発グループ自体も担当しています。
ー今回発表されたTech Team Visionを設立した背景について教えてください
梶原:現在、私たちはGENDA IDをつかって、顧客ネットワークを最大化することに取り組んでいます。GENDAはエンタメ領域を中心に様々な事業を展開していますが、お客さまが共通してご利用いただけるGENDA IDの利用をスタートしました。今後、事業に加えて、Webやアプリ、SNSを通じてもさらに新しい楽しみをお届けすることを目指しています。
そのためには、リアルビジネスの場で改善しなくてはいけないことも多く、特にオペレーションの最適化を進めています。例えば、ゲームセンターの運営においては、店舗スタッフがお客さまとコミュニケーションを取る時間が重要になります。しかし、様々なバックヤード業務で忙しいと、スタッフがお客さまと接する時間が取れない。そのためにも、お客さま対応以外の作業時間をリーンにしていく必要があります。
また、「このお客様がどなたなのか?どのようなご利用履歴があるのか?」ということが分かった方が、適切なコミュニケーションをとることができます。今まではスタッフの経験によって判断していたところもありましたが、今後はGENDA IDの利用を通してデータを取得することで、そうしたお客さまの履歴なども可視化できます。
そうした戦略がこのビジョンに全て盛り込まれています。
先ほどの図における1と3は作れば作るほど増える要素ですが、2は1と3を繋ぐハブとなる機能です。これまでの様々なサービスという意味での縦軸はありましたが、今後さらに横に繋がりを広げるべく、GENDA IDを用いてお客様との繋がりを作っていきます。
こちらの図は足元のプロダクトの課題と、近い将来に起こるであろう、具体的な課題を列挙しています。これまでのグループ企業でも起きたことを中心に挙げています。
ーこのビジョンを作ろうと思ったきっかけを教えてください
梶原:今年のはじめまでは、GENDAはイコールGENDA GiGO Entertainmentでゲームセンター事業を展開しているイメージが強かったかと思います。オンラインクレーンゲームのアプリの開発など、いわゆるGENDAとしてやりたいことの共通理解がありましたが、直近はカラオケ事業やグルメポップコーン、レモネード専門店といったF&B事業など、事業の幅も数も増えています。企業としてM&Aで成長していく上で、「世界一のエンターテイメント企業になる」という目標を達成すべく、ストラテジーを作るに至りました。
荒井:GENDAのテック組織ができて2年半経ちますが、これまではなかなかテック組織の意思統一ができていなかったんです。組織ができた時から、目の前のプロダクトがあり、課題は山積みで、目の前のことに注力せざるをえませんでした。しかし2年半が経ち、今後さらに戦略を立てていくフェーズになったと考え、ストラテジーの策定に至りました。
ー今回発表したこちらのビジョンは100点満点でいうと何点でしょうか?
梶原:今の時点においては100点だと思っています。今後GENDAがどういうサービスをやるのかによって変わってくるし、解像度も変わっていくと思いますが、ゲームセンターなどリアルな事業がベースである現時点では、かなり網羅的に表現できていると思います。
ーまだ抽象度が高い部分もあると思いますが、チームにどういった解釈を期待しますか?
梶原:3つのテーマを掲げているので、今後の取り組みを進めるにあたって、何か課題があれば、一度ここに立ち返ってみてほしいと考えています。GENDA IDをベースに据えた上で、お客さまがサービスに触れるところを面で増やしていく。事業の運営・オペレーションをよりリーンにしていく。どれか1つのテーマが重要だったり、孤立していたりするわけではなく、3つ全てが高い重要性と必要性があります。
荒井:今回、このビジョンを策定したことで、GENDAのテック組織が解決するべき課題が明確になり、全員の意識が統一される状態を作りたいと考えています。以前から課題でしたが、このビジョンを通じて、テック組織が同じ方向を向くことができるようになればと思います。
ー2枚目の「近い将来に起こり得る課題とその解決方法」については、具体的にどのような動きを始めていますか?
荒井:組織を再編成し、プラットフォーム・エンジニアリングを専門とするチームを新たに設立しました。現在このチームを中心にプラットフォーム・エンジニアリングの実現に向けて動き出しています。これまで、モバイルやフロントエンド・バックエンドなど、それぞれの組織で独自に定義して動いていましたが、今回改めて各チームの課題を列挙し、テックで定義された取り組みに沿った形で対応を進めています。具体的には、GENDA IDのような共通のプラットフォームに対して、各プロダクトが効率的に導入できるようにSDKの開発に着手するなどをしています。
テック組織の取り組みとして、現在3つの具体的なチャレンジがありますが、これらを明示することで、自分のやっている業務とビジョンが結びつく形になりました。
梶原:入社直後からデータマネジメントチーム・マネージャーの小宮山さんと取り組んでいますが、GENDAにおけるデータはすごく大事なトピックです。個別のサービスへの最適解ではなく、グループの全体最適のためのデータ基盤作りを進めています。そもそものデータが取れていないところは、データを作るところから進めています。データ活用を通じて、マーケティングの支援や、意思決定の事例も出てきました。
ー3つ目の人材創出について、進んでいる取り組みがあれば教えてください
梶原:一つ目はすでに行われていますが、最適なチーミングを進めています。単なるアプリ開発だけではなく、それぞれの領域でスペシャリストがチームを組んで、アプリにとらわれない製品開発を進めています。リアルな場でのサービスも多いため、インターネットサービスに閉じないサービス・プロダクト開発を行っています。また、私はGENDA GiGO EntertainmentのCTOも兼務しているため、テクノロジーの意思をもったメンバーに出向・兼務などをやってもらっています。
荒井:新たな技術チャレンジもすでに進めています。例えばモバイルですと、今まではSwiftとKotlinといったネイティブ言語の開発でした。現在はiOS/AndroidエンジニアのWillを確認した上で、新規のプロダクトにてFlutterによるクロスプラットフォームの開発を取り入れています。技術選定の方針や開発ガイドラインの整備を進めつつ、今後も新たな技術チャレンジを推奨し、キャリア拡大の機会が提供できるようにしていきたいです。
ーGENDAの取り組みとして、現在ある事業を伸ばすことに注力しているのでしょうか?それとも新しいエンタメの発明といったことを目指しているのでしょうか?
荒井:GENDAは、事業成長の鍵がM&Aということもあり、自分たちの武器や機会を増やすことができます。例えば「VR事業をやろう!」という意思決定をした場合、1からVR開発に取り組むのではなく、すでに知見のある会社と一緒に取り組むことができます。こうした形で、様々な新たなチャレンジができます。
梶原:M&Aでシナジーを組めそうな企業が参加してくださると、現時点では、単一のサービスでしか事業運営ができていない会社でも、GENDA内の他のサービスと組み合わせることで、さらに新しい機会が作れることもしばしばあります。
また、これは礎となる要素ですが、多数のエンジニアを擁する企業である以上、開発者が開発しやすい環境と、データによって意思決定しやすい環境であれば、どんなことがあっても大丈夫だと考えています。やはりGENDA IDの重要性を再認識しました。
ー今後GENDAで一緒に働きたい人はどのような方でしょうか?
梶原:GENDAには、一つのプロダクトに深く関わる人もいますが、M&Aで事業成長する企業である以上、さまざまな事業・プロダクト・ストラテジーを楽しめる人、これに尽きると思います!どんな事業やプロダクトも楽しめる人であれば、楽しく働いていただけると思います。
荒井:これがやりたい!という意思ももちろんウェルカムですが、その上で技術や事業など、様々な挑戦を楽しめる方と一緒に働きたいと思っています。
ーありがとうございました!
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