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【リフォーム現調シリーズ】第9弾:床の現場調査

リフォーム現調シリーズ第9回目の今回は、「床」リフォームの現場調査について、ポイントをまとめました。

▽前回の記事内容はこちらからご覧いただけます。

【リフォーム現調シリーズ】

第一弾:現場調査の心構えと道具の基本
第二弾:トイレの現場調査
第三弾:浴室の現場調査
第四弾:洗面所の現場調査
第五弾:洗面所の現場調査
第六弾:洗面所の現場調査
第七弾:建具の現場調査
第八弾:壁紙(クロス)の現場調査

【リフォーム現場調査】:床リフォームのきっかけ

床をリフォームするきっかけ

下記のように、お悩みの種類は大きく分けると3つです。

床は、直接足に触れるため、その質感や安心して歩けるかどうかも考える必要があります。

また、家や部屋の大部分を占めるため、視覚的印象が大きく変わることも頭においた提案が必要になります。

リフォームしたい場所の特性や、お客様のライフスタイルか、また、今後どのようにしたいのかも含め、ヒアリングを進めていくようにしましょう。


【床の老朽化】

一般的に、家を建ててから15~20年経つタイミングで、老朽化が目立つ時期とされています。床の下地が傷んだり、床自体が変形したりしてきます。部屋の湿度が原因で起きている症状も多く、部分的な補修では難しくなります。

・歩くたびに床がギシギシなる
・歩くたびに床が沈む
・ひどい傷、穴が出来てしまった

【ライフスタイルに合わせてた床の変更】
・畳をフローリングに変更したい
・床のデザインを変えたい
・床暖房にしたい
・段差をなくしたい
・滑りにくい床に変更したい
・傷つきにくい床にしたい

【その他】
・他の箇所のリフォームのついでに

床の種類と特徴

床には、様々な種類があり、色・デザイン・機能性によって選ぶ必要があります。

・フローリング

フローリングにも種類があり、1枚の木材を加工して製造され無垢フローリングともいわれる「単層フローリング」と、合板などの木材に化粧材を貼り合わせている「複合フローリング」に分けられる。

・畳

畳には、昔ながらの「本畳」、フリーリングの厚みに近い「薄畳」、ダニや害虫対策ができる「建材畳」、縁がない「フチなし畳」と、大きく分けて4種類がある。

・クッションフロア

クッション性がある、ビニール系の床材。色や柄が豊富で、水まわりや、子ども・ペットの遊ぶ部屋などに使われる。

・タイル

玄関やお風呂、トイレなど、水回りによく使用される。

・石材


大理石などで作られた床材。店舗やホテル、高級邸宅などで見かける。

・カーペット

ホテルやオフィスなどでよく使用されている。最近ではダニや汚れ対策、防水加工など、機能が充実している商品も多い。

リフォームの方法

・フローリング:張替え工法

写真引用:Best Arm Group「内装リフォーム」

フローリングの床を一度剥がして、新しいフローリングに変える方法です。

メリット
・床材の種類を変更できる
・シロアリ被害が確認できる

デメリット
・費用が高くなる
・フローリング:重ね貼り工法

既存の床の上に新しいフローリングを重ねていく方法です。傷や汚れが原因のリフォームであれば、こちらの方法が向いています。

画像引用:藏家(くらや)「マンションのリフォームで床は重ね張りをしてもいいの?」

メリット
・張り替え工法に比べて、安価
・工期が短い

デメリット
・張り替え後も床の軋みや沈みが発生するケースがある

参考

フローリングの重ね貼りについての詳細はこちらをみると理解が深まります。

https://kenzai-digest.com/fooring-sangetsu-wd402/

引用:建材ダイジェスト「フローリングの重ね貼り【サンゲツ/フロアタイル/WD402編】」



床暖房について

床暖房にしたい場合、注意しておきたいことが、3点あります。

・床暖房が設置できる床材かどうか
床材の中には、「複合フローリング」のように熱に弱いものがあるため、既存の床に設置する場合は、確認が必要。

・大がかりな工事
部屋の一部に床暖房をしたい場合でも、床の張り替え(重ね張り)は全体でする必要ががあるため、それを想定した工期を伝えることが大切。

・段差ができてしまう可能性
重ね張りの工事になる場合、既存の床の上に床暖房と新しいフローリングが重なることになるため、例えば部屋の入口など元々からバリアフリーにしている場合は、段差ができてしまう可能性がある。

※写真は施工中の一例

壁紙リフォーム時の基本的な確認事項

現調の目的を理解する

床における現場調査の目的【場所の特性と困りごとを理解する】

床リフォームは、既存の床の工法がどうなっているのか、どんな材料を使っているのかをまず知ることから始まります。

戸建てとマンションによっても、注意するポイントが異なりますので注意して臨みましょう。


戸建ての場合:床リフォームの現調で注意すること

戸建ての現場調査で注意することは3つあります。

①床下地の構造を確認する


下地には下記のような床組工法が多いです。

・根太(ねだ)工法
捨て貼りなし:455ミリ感覚で並べた根太の上に直接フローリングなどの仕上げ材を貼る工法  

捨て貼り工法:303ミリ感覚で並べた根太の上に下地合板を置き、その上にフローリングなどの仕上げ材を貼る方法。


・剛床(ごうしょう)工法  根太レス工法ともいい、根太を設けず、厚みのある下地合板の上にフローリングなどの仕上げ材を置く方法。

②床鳴りや床の沈みの原因を調べる

床鳴りや、床の沈みが起きている場合、なぜ起きているかの原因を調査しましょう。

考えられる原因
・フローリング材が擦れ合うことによる床鳴り 
・床下地とフローリング材の間の隙間による床鳴り
・床束(ゆかづか)や大引(おおびき)、根太(ねだ)の老化による沈み
・シロアリ被害による沈み


③段差や敷居の有無の把握と記録

床リフォーム時の要望で「バリアフリー化」は多いため、床材を変えた場合に発生する「段差」が発生してしまわないかを事前に調査しておくことが大切です。


マンションの場合:床リフォームの現調で注意すること

マンションの現場調査で注意することは3つあります。

①竣工図面と管理規約の確認

床下の構造を確認するため、図面を入手しましょう。また、マンションによって決められた仕様や、近隣住民への承諾についてなどは管理規約で確認し、トラブルを防ぎましょう。

【マンションの床の種類】
部屋や場所によって床の種類が異なる場合も多いので、図面を見ながらどちらの床の種類かを確認しましょう。
・二重床:床が二重になっているパターン
・直貼り:コンクリートスラブの上に直接床材貼られているパターン

②下地を確認

【和室の畳は上げて確認】
畳の下は、コンクリートスラブであることが多いが、部屋によって下地の状態が異なっている。
ザラザラに有れている場合は、左官屋さんに頼んで調整する必要も出てくるため、確認が必要。
また、ガス管が通っている場合は、発砲スチロールが敷かれている場合もあるので、ガスコックの位置なども確認する。

【フローリングはかかとで床をトントンして確認】
フローリングの場合、かかとでトントンと床を叩くと、床に空洞があるかどうか、床がふかふかしていないかを確認することができる。

直床工法:床を叩いて、硬いと感じた場合、コンクリートスラブの上に直接床を貼るこの工法だと判断できる。

根太工法:コンクリートスラブの上に根太、下地合板、床の順に施工されている工法。叩いたときに、空洞を感じられる音がする。

置床工法:コンクリートスラブの上に「防振ゴム付きの支持ボルト」を載せて、下地合板、床の順に施工されている工法。

まとめ

床の現場調査は、お客様の課題を把握しながら、床の構造や傷みの原因などをしっかりと調査することが大切です。

また、床だけでなく、周りの敷居や段差などにも注意を向けることで、床のみのリフォームではなく、最終的なお客様のリフォームの理想形を一緒に描けると、最適な提案ができます。そのために必要な情報を記録、ヒアリングするのが現場調査の役目です。

確認漏れ・伝達漏れがないように現場調査を進めていきましょう。

その際には、是非情報共有アプリなど便利なツールを使っていくことをお勧めします。

現場調査におすすめの便利アプリ「GENCHO」

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