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【アホ】高一がインド留学してみた〜デリー入国編〜
これまでのあらすじ
英語のテスト14点という超がつくほどの英語嫌いの16歳高一がイギリス英語ペラペラのあるYouTuberの影響で英語の魅力に取り憑かれてしまった!
色々あってインド留学することに決め、これまた色々あってジャイプルの学校に入学することが決まった。
果たして「世界三大ウザい国」のインドで高校生は生きて帰ってこれるのか…!?
詳しいあらすじはこちらから…
パパッと決めるインド日程
前回の記事を見てくれた方ならわかると思うが、なんか中途半端に終わっている。
実は結構色々あったのだが、めんどいんで10行で起こったことをまとめてみた。
バンガロールの学校に決めるが、月曜日スタート
月曜日に三者面談があるので、どうやっても月曜に着かない!それにタージマハルもガンジス川も行きたい…せや!北インドの学校にしたろ!
調べるとジャイプルに北インド最安の学校があり、そっから授業開始までの日程を考え結局
デリー→バラナシ→アグラ→ジャイプル→コルカタ
と言う日程になった。ちなみになぜ近いデリー→アグラではないのかはおいおい説明する。
おっと、ちょうど10行だ。12月17日まで飛ぶ。
ギリギリの日本出国タイム
17日についに明日日本出国か…と感傷的になりながら何を持っていくか考えていた。パッキングは明日の朝やるとして、さて日本最後のご飯でも食べようかと動いたところ、いつのまにか目の前が暗くなっていた。
そう、よりにもよってこのタイミングで寝落ちしてしまったのである。
ヤバいと思ってバッと起きて時間を確認してみると、16時15分だった。次の日の。
いくらなんでも寝過ぎだろと思いつつ、かなり焦っていた。だって18時30分に飛行機が出るのに
まだパッキングすら終わってないんだぞ?
とりあえず我がお母様に手伝ってもらいながら
爆速で荷物を詰めていく。3枚づつの着替え、歯ブラシ、財布…そのときには、昨日考えていた何を持っていくかなんてことは全部頭から吹き飛んでいた。
ようやく詰めおわり、何か忘れている気がしながら高速で車で空港まで向かう。この時点で16時40分、残り2時間切っている。
車に乗りながらまさかの日本すら出れないかもしれないという絶望感を味わいつつ、なんとか空港が市内からクッッソ近いという最強の利点がある県、福岡在住だった為に出発1時間20分前に着くことができた。あぶねえ
なんとかチェックインを終わらせ、初めて1人で
手荷物検査を受けてなんとか制限エリアに滑り込む。
この時点で残り30分、ヤバかったぜ。
2時間か3時間ほど飛行機に揺られ、東京は
東京国際空港、つまり羽田空港到着だ。
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残念ながら乗り継ぎ時間が短く、東京観光は出来なさそうなので素直にチェックインしてついに
出国審査を受けることにした。
審査自体は自動化ゲートで10秒で出国できた。科学の力ってすげー!
ここまでぶっ飛ばしてきたが、寝落ち以降一睡もしていないのでほとほとに眠い。ということで
居心地の良さそうな長い椅子を見つけたので少し眠ることにしよう。
しかし眠れない、緊張か不安か、目がバキバキだ。眠いはずなのに眠れない。結局飛行機に搭乗するまで起きたままだった。まあ飛行機で寝ればええか…
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カオマンガイを食べに行こう!
インドまでの直行便は高い。高すぎる。じゃあ
どうするのか? 乗り継ぎだよなあ!
ということでバンコク乗り継ぎである。バンコク自体は来るのは初めてで、10時間の乗り継ぎ時間で、どうしても行きたいところがあった。
それこそカオマンガイの超有名店、ピンクのカオマンガイことゴーアン カオマンガイ プラトゥーナムである。
スワンナプーム空港のスーパーリッチで2000円だけ両替を行い、(めちゃくちゃ良いレートだった。)
そのままメトロでラーチャプラーロップ駅まで直行する。大きいバーツ札しか持っていなかったため、窓口で切符を購入したがコップンカップ!とお礼を言うと駅員のおっちゃんも笑顔でコップンカップと返してくれた。ほっこりするわ…
ちなみGoogleマップで地下鉄もバスもどの駅で降りるか教えてくれる為スムーズに使えた。サンキューGoogle
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ごめんバンコク
10分ほど歩き、ピンクのカオマンガイに到着である。
歩いている途中、屋台がかなり出ていたが、
さすがにインドに到達してもいないのにお腹を壊すのは勘弁だったのでここはグッと我慢した。
朝6時に着いたからか、お客は僕1人だけだった。
適当に席に案内されてメニューを持ってきてもらい、タイ語は残念ながらわからないので万国共通の指差しで注文する。すると光の速さで1分後には運ばれてきた。
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ドキドキしながらまずは一口食べてみると…
ファっ!?辛っっっっっら!!!!!
なんということだ、不幸なことにたまたまソースに入っていた青唐辛子が先制攻撃を仕掛けてきた。 当然のことながら、タイ人の赤ん坊より軟弱な僕の舌は耐えられるはずがなく、轟々と燃え始めた。
しかし周りの店員さんがこっちを見ている気がしたので見栄を張って何事もなかったかのようにしてもう一口いただく。すると今度は優しい鶏出汁の旨みがする米と、しっとりとした柔らかな鶏もも肉がウッチャンに対するナッチャンくらいに相性が良い。端的に言えばめちゃくちゃ美味い。
しかし最悪なことに、その美味しさを噛み締めている間にも舌は燃えて味の半分くらいが「辛さ」となってしまっている。この状況を打開するためにもセットでついてきたスープを飲むが、事前にネットで調べた情報には「瓜と鳥の優しい味のスープ」とのことだったのに今この瞬間だとトムヤンクンとタメを張れるほどの辛いスープとなってしまっている。
なんとか完食し、50バーツ支払って店を出る。
今回は青唐辛子の奇襲によって半分くらいは辛さが占めていたが、それでも美味しく感じるほどには洗練されていたので、皆様もぜひタイに来た際には行ってみてほしい。安いし。
さて、12時の搭乗時間まではまだまだ余裕だが、念には念を入れて空港に向かうことにした。
ドンムアン空港まではバスが通っているらしいのでバス停を探そう。
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さて、なんとか空港バスに乗り込み、ドンムアンに向かう。ちなみにバスの乗り方だが、Googleマップでバス停まで行き、バスが来たら額あたりに行き先の数字(ドンムアン行きならA1〜A4)を見て
それがGoogleマップのバス情報と一致していたらビンゴだ。
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乗り込んでしばらくすると運賃係の人がお金を徴収しに来るので、いくらか聞いて払おう。お釣りもちゃんとくれる。
さて、ドンムアン空港に無事着いたのでとりあえずバーツをルピーに変える。よく「ルピーは国外持ち出し禁止だからインド以外で両替できない」
と思っている人が多いが実はタイなどの周辺国ではバリバリ両替可能なのだ。
ということで、「現金がなくて市内まで行けず、空港の悪徳両替所で両替する」を回避する為に
ドンムアン周辺で最もレートが良いと噂されていたハッピーリッチという店に向かい、余った900バーツを両替する。すると返ってきたのは2100
ルピー。400円も取られてしまった。
これなら市内のもうちょい良いとこで両替した方が良かったかな…とか思いつつ、時間も迫っているので制限エリアに向かう。
あっさり手荷物検査も出国審査も乗り越え、搭乗ゲート目前でくつろいでいると、一つのアナウンスが聞こえてきた。日本語で。
「タイ・エアアジア航空をお使いのお客様に緊急のご連絡です。チェックインを自動チェックイン機又はカウンターで行ったお客様はすぐにゲートにおいでください。」
んん?なんかヤバそうだ、行くか?いやでも違う便かもしれないし…
そう、実はエアアジア便は二つあり、一つは僕が乗るデリー行きの便、もう一つは大阪行きの便。この時の僕は愚かなことに、日本語でアナウンスされた為てっきり大阪便の方だと思い込み、結局ゲートに向かわなかった。
吉と出るか、凶とでるか…
吉と出るか、凶と出るか
さて、インド留学についての話なのにいつのまにかタイの話にシフトしてしまっているのでこっからテンポを上げていこう。
ついに搭乗時間となり、列に並んで搭乗券を見せると「ん?…あ、一旦横のカウンターに行ってくれないか」と言われてしまう。嫌な予感がしつつも真横のカウンターで搭乗券とeチケットを見せると
10分ほど調べられ、ついに「オッケー、通っていいよ」と言われる。 勝ったな
死亡フラグを期待していた皆様には申し訳ないが、無事に機内に乗り込んだ。あとは着くのを
待つだけだ。
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3時間ほど空を飛び、ついにデリー連邦直轄領の空
の玄関口、インディラ・ガンディー国際空港到着である。
ギリギリの入国審査
空港についてすぐにパスポートをぶち込むだけで使えるWi-Fiをゲットし、近くの机で入国カードを記入する。ちなみに机にくっついているペンは少ない上に大体が使用中のため日本からシャーペンとボールペンを持ってきておいた方が良い。
そのままエスカレーターを降りると、有名な手のアレが現れた。
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ここで注意だが、eビザの入国カウンターは思ったより奥にある。エスカレーターを降りてから奥に進むと低めの壁に当たるが、その向かって右にeビザカウンターまでの道があるのでそこを進もう。
道を進み、ついに入国審査官とご対面した。
さっそく用意しておいたeビザを取り出してパスポートと入国カードと一緒に審査官に突き出す。
審査官はそれをよく見ながら「カメラ見て」「指紋取るからその機械に指置いて」など指示してくる。ドキドキしながらカメラをガン見していると、ついに質問が飛んできた。
「インドには何日いるん?」
「一週間やで」
「何しに来たん?」
「観光やで」
「ほーん、16歳?」
「うん」
「親はどうしたん?」
マズイな、ある程度予測していたがやはり来た。
焦る頭をフル回転させ、こうはっきり告げる。
「先にデリーにおるで」
もちろん嘘である。
すると入国審査官にちょっと待ってろと言われ、
いよいよ詰んだか、インドの地すら踏めないのかと絶望していると審査官が戻ってきた。
「ビザとパスポートを取りな。通っていいぞ」
終わった…
…ん?通っていい?入国していいって言った??
審査官を見ると、早く行けと言わんばかりに済ました顔をしている。
うおおおおおおお!!!!!!
ついに16歳、インド入国である。地獄から天国の瞬間であった。
高校生、ついにデリーの地を踏む。
制限エリアを抜け、荷物レーンも抜け、税関も抜け、到着ロビーについた。予定ではここでSIMカードを買おうと思っていたが、やはり観光客が店に群がっていた。
しかし臆していてはネットすら手に入らないので、果敢にもそこに飛び込んだ。
とりあえず値段を見ようと様子を伺っていると、店のスタッフが近づいてきた。
「SIMカード?」
「イエス!」
「オッケー、パスポートが必要だ。」
制服と名札を確認してからパスポートを渡す。すると「16歳?1人で来たのか?」と聞かれ、正直にはいと答えると「すまんな、未成年者1人には売れないだ」と告げられてしまう。
これには焦った。もう汗ダラダラで焦った。
なんとかならないかと調べると、SailyというeSIMの会社がヒットした。詳しく見ると、3ギガ一ヶ月で9$、つまり大体1400円とまあ悪くはない。
というかもうネットが手に入るならなんでもよかったのでそのまま買い、設定でセットすると10分くらいで繋がった。よかった…
空港から市内までの行き方だが、僕はめちゃめちゃ地下鉄をおすすめしたい。理由として、
綺麗なので潔癖でも乗れる。
安い!(60ルピー)
結構安全
詐欺師がいない(運と時期によるかも)
スーツケースも持ち込み余裕
と良いこと尽くめなのだ!
さらにインド最悪と呼ばれる詐欺師達の群れも
空港駅からニューデリー駅にかけて(運が良かっただけかもしれないが)一度も遭遇しなかった。
まあ結局何を選ぶかは人の自由なので、各々合ったのを活用してほしい。
閑話休題、SIMカードを手に入れた僕は空港メトロ駅へと足を進めた。自動券売機で簡単にニューデリー駅までのチケットを購入し、そのまま電車に乗り込んだ。
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ニューデリー駅に無事着き、出口を求めて歩き始めた。しかしいくら歩いても出口に着かず、ようやく出口らしき場所に着いたと思ったら別の地下鉄の入り口だった。
と、そこで救世主達が現れる。まさかの日本人2人組も同じように迷っており、ちょうどインド人に道を聞いている最中だった。
残念ながら僕は人見知りなので声をかけることができず、インド人に案内されていく2人にそろそろとついていくのが精一杯だった。ただ流石ニューデリー駅、とんでもないほど人が多い為日本人2人を見失ってしまう。
途方に暮れ、意を決して近くにいた軍人に出口を聞いてみると、軍人は自分の後ろにあるフェンスを開けて「ここを左に行ってエスカレーターに
乗りな」と親切に教えてくれた。
ダンニャバード!とヒンディー語でお礼を言うと、照れ臭そうに「どこから来たんだ?」と尋ねられる。
「日本からだよ」と答えると、微笑んで
「wellcome to India!」
インドが三大ウザい国って吹聴してるの誰だよ。
はじめてのガチインドカレー
ようやく出口を見つけ、ついにデリーの空を見ることができた。時刻は16時30分、もう少しで日没なので早めに宿に向かおう。
というわけでメインバザールに向かう為にニューデリー鉄道駅を抜けなければならないのだが、
事前情報ではここで凄まじいほど詐欺師にエンカウントするらしい。
気を引き締めてエスカレーターで上に上がり、
ネットの情報通りに歩く。
上り、歩き、降り、通り抜けるためのチケットを買い、また上り、歩き、歩き、降り…
あれ?詐欺師と会わないぞ?
まさかのただの一回も詐欺師と遭遇する方がなかった。出口のエスカレーターを降りた時に2回ほど
トゥクトゥクのおっちゃんに声をかけられたが、
驚くほどしつこくなく、適当にあしらったらすぐにどっかに行ってしまった。
どうしたインド?何があった?
まあ何もないことに越した方はないので、そのまま宿までまっすぐ歩く。すると途中でカレーの屋台を見つけ、自分がカオマンガイ以降何も食べていない方に気づいた。
値段を聞くと30ルピーと言う。ah〜good! one please.と注文すると屋台のおっちゃんは笑ってすぐに作ってくれた。
そばのテーブルと椅子に座り、カレーが来るのを待つ。すると1人のインド人が隣に座ってきた。
少し警戒していると、「Hello!インドへようこそ、いつ来たんだ?」と聞かれる。
「Hello,さっき来たばっかだよ、お腹が空いた」と稚拙な英語で答える。
「おお~そうかそうか、どこから来たんだ?」
「日本から」
となんか良い感じに会話がどんどん盛り上がり、
そのインド人、名前は仮にモジャとすると
モジャの息子達の写真を見せてくれたり、日本の気候について話したり、モジャが「日本で一番の都市はどこだ?」と聞くのでもちろん「福岡!no Tokyo,no osaka, no Nagoya」と答えておいた。
少ししてついにカレーが来た。なるほどついにこれが夢にまで見たインドカレーかと思いつつ、モジャが「写真を撮ってやろうか」と言うので撮ってもらった。
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だいぶテンションが上がっていたようだ。
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「お前には辛すぎる」と戻してくれた。
さて、お味の方だが…
僕はインドカレーが日本いる時から大好きで、日本にあるインドカレーでもこんなに美味しいんだから、本場のカレーはめちゃうまなんだろなぁ…
と今まで思っていた。この時までは。
まあ決して不味くはないし、30ルピー(約50円)と思えば恐ろしくコスパがいい。そしてお腹が空いていたのでバクバク右手だけで食べていると突然モジャが「デリーの次はどこに行くんだ?」と聞いてきた。「バラナシだよ」「列車?」「うん」
「チケットを見せてくれないか?」
なにか違和感はあったが、一応インド国鉄eチケットのpdfを見せる。すると一言、
「これインド人専用チケットだぞ」
ん????????
詐欺師からの逃走
モジャが畳み掛ける。
「これインド人専用チケットだからお前は乗れないぞ、でも心配すんな、俺の親戚が政府のチケットセンターで働いてるから俺が連れて行く。」
なんということだ、あれだけ仲良く話していた
モジャが詐欺師常套ワードを並べ始めた、しかしまだ100%モジャが詐欺師なのか確信がない。
モジャ曰く、「タダでキャンセルできるのは今日までだから早く行かないとマズイぞ、新しいチケットをちゃんと教えるから着いてこい!」
親の声より聞いた詐欺の手口そのまんまだ、基本的に政府の〜というワードが出たら99%詐欺である。
当方うぶな日本男児であるため、嘆かわしいことにそのままトゥクトゥク乗り場まで誘導され、
「安心しろ、チケットセンターまでのトゥクトゥク代は俺が払っておく、お前は払うな」
とモジャに告げられた。そらグルだからな!
そして完全にスタンバっていたトゥクトゥクに「チケットセンターまで何ルピーだ?」
「150です」「ダメだ、100」「わかりました」
値段は5秒で決まった。あまりにもスムーズすぎてどう考えても八百長値切り交渉というのは猿でもわかる。ここでモジャが詐欺師ということにようやく確信し、逃げるための策を考えていた。
15分ほどトゥクトゥクに揺られていた。
モジャはどうやら一緒に来ないようで、新しく
八百長値切り交渉の相手役のインド人、ヘトナとドライバーのすごく気弱そうなインド人?のクリシュナとこれから移動するようだ。
ヘトナに「どこから来た?日本か、そりゃいい」と言われ、日本が良いのは詐欺りやすいからだろと思いつつ、少しの間会話する。
そしてこの状況から脱出するため、そして無事に宿に着く為とりあえず渋滞で止まったタイミングでクリシュナに「やっぱチケットセンターは明日行くからこの住所まで行ってくれないか?何ルピーかかる?」と聞くと、困ったような顔をされ、ヘトナが「いや、俺らはあいつ(モジャ)にお前をチケットセンターに連れて行けって言われてんだよ」「いや明日行くからいいよ」「ダメだ、絶対連れてく」
無事失敗した。
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クリシュナは詐欺師に似つかわしくないほど
優しい気弱な顔をしていた。
この後二回ほど交渉したが、やはりヘトナに邪魔されて失敗してしまった。そうこうしてる内にチケットセンターに着いてしまった。かなりヤバい。
しかしタダでは転ばないのがこの僕、ここで詐欺られたら普通の日本人と変わらないではないか!
ヘトナが「さあ、着いたぞ。降りろ」ここで反撃しなければ詐欺られてしまう!「嫌だ、明日行くからこのホテルまで先に行ってくれ!」「だから俺らは連れて行けって言われてんだよ!いいから行ってこい」「嫌だ、絶対行かない」とお互いに引かず、その様子をドライバーのクリシュナは不安そうに見ている。
言い争いしている内に、一人のインド人がトゥクトゥクに近づいてきた
「ニホンジンデスカ?ドウシマシタ?」とここでまさかの日本語を操る明らかな詐欺師が参戦してきた。もう無茶苦茶だよ
「いやなんか宿まで行ってくれって言ってるんだけど連れてってくれないんだよ、チケットセンターに連れて行くって言われてる」「ソウナノ?ヘンだね」
変なのはこの状況だよ。
「トウキョー?オーサカ?オカヤマ?」「福岡」
「インド初メテ?」「うん」
そんな会話を尻目に、ヘトナが早よ行けとせかしてくる。中々折れないこちらにイライラし始めたようだ。
「もーいいから!はよいけ!」とヘトナ
「無理!宿連れてけ!」とこちらも応酬する。
「だからそれは無理だって!」
「じゃあもう僕歩いて行くけどいいか??」
「もういいわ!勝手にしろ!」
勝った。
ついにヘトナが折れたので、そのままトゥクトゥクを降りて歩いて目指すことにした。幸いなことに、あまり距離はない。
そして降りるとさっきの日本語インド人が待ってましたとばかりに話しかけてきた。
「アレ?イカナイノ?無料ノ観光案内ダヨ?」
「いやいいの!先に宿行きたいもん」
「無料ノmapアルヨ!政府ノ施設ダヨ!」
「嘘つけ!もうええて」
と歩きながら話し続けると意外とあっさり引いていった。
そして歩くこと1分、また詐欺師に絡まれた。
「俺残留カード持ってるよ!福岡に住んでる」
見せてもらうと本当に持っていた。偽造かもしれないが、もし本物からこんなとこで何してんだよ…
宿に到着!からの命の危機
なんやかんやあって、ようやくメインバザールに到着した。
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左右を見ると店、店、店と小さい店がひしめき合っている。布からナッツ、服、靴、さらに野菜までなんでも揃っていた。
そこから5分ほどさらに歩き、ついにお目当ての宿に到着した。
意気揚々と階段を上り、チェックインをする。
「パスポート見せて」
「はいよ」
「ビザ見せて」
「ほい」
「サイン書いて、宿泊料500ルピーね」
「OK!」
500ルピー渡し、ようやく腰を下ろせるなと思っていると…
「ごめん、18歳以下は1人で泊まれんわ」
…
…
ん???????
なんかとんでもないことが聞こえた気がするのでもう一回聞こう。きっと僕のリスニング力がないだけだ。
「under the age of 18 cannot stay alone」
アカン、終わった…
てかちょっと待て!なら僕の500ルピー返せ!
とスタッフに詰め寄ると、booking.comで予約してからキャンセル無料の時間が過ぎたから返金できないと言われた。
チクショー、やられてもうた…
なんと巧妙な罠だと思いつつ、先にお金を渡してしまったこちらにも悪いとこがある、さらに日本男児特有のはっきり言えない性格のせいでそのまま退散してしまった。どうしよう今から…
宿から出ると、とりあえず近くに合った二軒の宿に行ってみた。一つ目は普通に断られ、二つ目は一泊2000ルピーと言われた。払えるかそんなもん
いよいよ寺院か駅で寝るかしか方法がなくなってきた時、不意に頭に電流が流れた。
「サンタナに行こう」
サンタナとは、インド最古と言われている日本人宿である。現在デリーとバラナシとプリーに出店しているらしい。
まあ説明めんどくさいんで詳しくはこっちを…
Googleマップでどこにあるか検索すると意外と近い。徒歩7分だ。
ということで死ぬ気でサンタナまで直行する。
時刻は19時32分、辺りは真っ暗だ。
サンタナの兄貴、ほんまにありがとう
さて、Googleマップが示す場所に来たわけだが
完全に裏路地である。こんなとこにほんとにあるのか…?と思っていると、目の前の扉が開き、1人のインド人が招き入れてくれた。
扉の横の看板には「サンタナデリー」
どうやら命は助かったようだ。
さあ、ここからが最大の鬼門、16歳1人でも泊まれるか問題だ。中に入ると2人のインド人に迎えられ、スマホを使って色々宿泊するためのアンケートに答えた後、ついにパスポートを見せる時が来た。
「パスポートオネガイシマス」
「あ…はい、どうぞ」
緊張の瞬間である。そしてパスポートをコピー機で控えを印刷し、ビザスタンプをチェックされてこう言われた。
「ドミトリー600ルピーネ、シングルなら1000ルピー」
これは!?泊まれるのか?どっちだ…?
疑心暗鬼になりながら、どうにもなれの精神に
よって震える手で600ルピーを渡した。
「ありがとゴザイマス、着いてきてネ」
流れに身を任せて3階に上がると、ドミトリーの部屋に案内された。
「布団とシーツ持ってくるから待っててネ」
人生の中で、最も安心した時だった。
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僕の寝る場所となった。
高一、インドで熟睡する。
優しいスタッフニキが布団を持ってきてくれたので、そのまま死んだように横たわっていると1人の日本人スタッフニキが部屋にやってきて、めちゃめちゃ親切に色々説明してくれた。
さて、とりあえず家族に電話し、少し話すとそのまま疲れもあってかいつの間にか寝落ちしてしまっていた。
朝、目を覚まして時間を見ると午前9時。
寝落ちする前の最後の記憶が20時くらいだったので、約13時間眠っていた。寝過ぎである。
そのまま浴室で歯磨きと顔を洗って、荷物をまとめて出発した。4階でチェックアウトを済ませ、
1階へ降りる。そこで僕は手持ちのルピーが少なくなってることに気づいた。
(そうだ、そう言えばサンタナは両替ができるって書かれてたな、一回頼んでみるか…?)
そうして宿の方に「あの、両替ってできますかね…?」と聞くと快諾していただき、持ってきた現金1万円を換えてもらった。
公式レートでどれくらい良いか調べてみると、
一万円で5500ルピー。公式レートは5550ルピー
なんとびっくり、50ルピー(約80円)しか変わらないではないか!思ったより100倍レートがいい。
宿泊者だけのサービスかは不明だが、デリー市内のレートが良いとされる両替屋を何軒も回って
一番良いレートを探すより、サンタナで両替した方がいい気がしてきた。
もちろん、たまたまこの日だけレートが良かったかもしれないのでどこで両替するかは各々決めて欲しい。
ついでに買ったチケットが本当にインド人専用か聞いてみた。すると「いや全然大丈夫ですよ、SL席の下段で予約もされてるって書かれてるのでちゃんと乗れます。」としっかり答えてくれた。
ありがたやぁ…
そして玄関の外まで見送っていただき、軽やかにデリー市内まで行くことができた。
さあ、ここからがインドだ。
デリー散歩&VS詐欺師と物乞い
さて、とりあえず朝から何もどころか、夜から何も食べていないので朝ごはんを食べに行こう。
メインバザール大通りを適当にふらふらしていると、親の顔より見た詐欺師が声をかけてきた。
無論日本語でだ。
「ナマステー、ドコ行きたい?」
「チャイ飲みたい」
正直に行きたいところを言うと、OK任せろと言うように露天のチャイ屋に案内された。
値段を聞くと10ルピー。インドではこれ以上の値段をチャイで請求されたことはなかった。
僕は詐欺師とゆっくりチャイを飲み、営業トークを軽く交わしながら初めてのチャイを噛み締め…
いや、飲み締める。
チャイを飲み干し、ウーバーを呼んで目的地に行こうかとすると新たな刺客、物乞いが現れた。
「baby, monny, please」
おそらく三つしか知らない英単語を並べて、金銭を要求してくる。しかし騙されてはいけない。
これは物乞いビジネスといって、裏には恵んでもらったお金を総取りして稼ぐ人物がおり、いくら金を払おうがこの物乞いが豊かになることはない。
ここで勘違いしてはいけないのは、この物乞いはお金がないから可哀想なのではない。こんなことさせられて搾取されていられるのが可哀想なのだ
本当に可哀想に思うなら、お金を渡すより食べ物を買って渡そう。…とインド人が言っていた。
いつの間にかいなくなっていた詐欺師に代わり、
マニーベイビー攻撃を繰り出してくる物乞い。
ウーバーが来るまであと5分ある。
「money, baby」「うるさいんじゃい!赤ん坊をお金のダシに使うなよ!」と日本語で言うと
物乞いの顔には?が浮かんでいた。
そりゃそうか日本語だし
適当にあしらっていると、ついにウーバーがやってきた。ヘルメットをもらい、OTPを教え、バイクの後ろの乗り込む。それでも物乞いは引き下がらず、しつこくマネー連呼をしてきた。
するとドライバーがヒンディー語で何か言い、手を振って物乞いを追い払ってくれた。そのままアクセルを踏む。
ようやく出発だ。最初の目的地は…
気づいたら1万字超えていた。流石に長すぎるので一旦ここで終わろう。学校にすらまだ辿り着いてないのに…