マガジンのカバー画像

トヨタ流開発ノウハウ|設計者のためのテクニカルマガジン

33
トヨタの設計には、競争に勝ち残れる考え方やノウハウがあるのです。このコラムではそれらを1つひとつ紐解(ひもと)いていきたいと思います。
運営しているクリエイター

#開発

開発と設計の役割と責任|トヨタ流開発ノウハウ 第31回

◆それぞれの役割と責任 皆さんは、開発と設計のそれぞれの役割と責任や移行のタイミングなどに悩んでいることはありませんでしょうか? 実はこの2つの機能組織部門の境目を設定するのは、非常に難しく、いつまで経っても開発部門から設計部門に業務が移管できない、また、設計部門がいつまで経っても案件に着手できないなどの問題が発生しているのではないでしょうか。 製造業であれば、必ずこの問題が発生していて、開発者、設計者が業務の進め方や連携について、悩んでいるのです。 この問題を解決す

正しい原価低減活動|トヨタ流開発ノウハウ 第1回

原価低減はメーカーとサプライヤが一丸となって実現する設計者担当者や購買担当者は、つねにコストを見ながら業務を進めていきます。そんな中、新製品開発でも全ての部品を新規に製作するようなことはありません。過去から存在する部品を必ず使用しています。流用部品を選定する時に、過去の原価実績をそのまま使用していることが多くありませんか? 「他の製品で多く使用している≒製造実績が多くある」ということは製造方法(作業方法や製造設備など)が安定的となっており、最小の製造原価で製作されているのが

システム設計での技術部門組織体制|トヨタ流開発ノウハウ 第14回

メカ設計が主役の古い組織体制現在、この世の中に創出されている製品の多くはシステム製品です。元々メカだけで駆動していた部分を電動化することにより、多くの機能の実現を可能とします。 さらに、単なる電動化だけではなく制御により更なる市場や顧客要求に答えようと、日々進化しているのがシステム製品です。 では、このシステム製品はどのような組織体制で設計が進んでいるのでしょうか。 多くの企業は、元々メカ屋発祥のため、システム製品と言いながら、メカの大部分が決定した後に、メカで実現でき

新システム設計プロセス MBD|トヨタ流開発ノウハウ 第15回

第14回の記事で、システム設計組織の在り方を紹介しました。システム設計組織が構築することができ、連携方法が明確になった時点で、着手しなければならないのが、新たな設計プロセスの構築です。第14回のおさらいを簡単にしましょう。 重要なのは、以前のようにメカ設計後、エレキ設計、ソフト設計のようにバトンタッチにて設計を進めていくのではなく、ソフト設計が先頭には立つものの、構想設計内容をエレキ設計、メカ設計にインプットし、コンカレントに設計を進めていくことです。 このような設計組