ChatGPTの「信頼度スコア」を活用する方法
本記事はChatGPT with confidence scoresの解説記事となります。
OpenAIのAPIを利用して、生成されたテキストの「信頼度スコア」を活用する方法について解説します。LLM(大規模言語モデル)が出力するトークンごとのスコアが何を意味し、それをどのようにプログラムで利用できるのかを具体的な例を交えながら紹介します。
信頼度スコアとは
LLMの動作と信頼度スコア
LLMはテキストを生成する際、次に続くトークンを予測し、その「確率」を出力します。これらの「確率」は必ずしも実際の「信頼度」や「確率」を意味するわけではありませんが、モデルがどのトークンを次に選ぶかの指標として利用されます。例えば、複数のトークン候補の中でどれを選ぶかは、完全にそのトークンのスコアに依存します。
信頼度スコアの誤解と現実
「信頼度スコア」という言葉は誤解を招くことがあります。スコアは必ずしもその回答が正しいかどうかの指標ではなく、モデルがどれだけ「確信しているか」を示すに過ぎません。したがって、低い信頼度スコアは必ずしも誤りを意味せず、高い信頼度スコアも必ずしも正確であるとは限りません。
信頼度スコアを利用したプログラミング
基本的な使用例
プログラムで信頼度スコアを利用する基本的な方法として、APIから取得した「ログ確率」を用います。たとえば、「はい/いいえ」で答えられる質問をする場合、スコアに基づいてどちらの回答がより信頼できるかを判断します。
import math from openai import OpenAI
client = OpenAI() completion = client.chat.completions.create( model="gpt-4o", messages=[dict(role="user", content="Is the Great Wall of China visible from the Moon?")], temperature=0, max_tokens=1, logprobs=True, )
choice = completion.choices[0] confidence = math.exp(choice.logprobs.content[0].logprob) print(f"Answer: {choice.message.content} ({confidence:.4%})")
より高度な利用方法
例えば、ユーザーが画像をアップロードし、その画像が特定の基準を満たしているかどうかを判定するシステムを構築する場合、信頼度スコアを利用してその判定の信頼性を評価することができます。これは特に、画像認識だけではなく画像の理解が求められる場合に有効です。
信頼度スコアの活用方法の可能性
誤情報検出と信頼度スコア
信頼度スコアは誤情報を完全に検出するものではありませんが、モデルが「自信を持っていない」場合に誤情報の可能性を示唆する手がかりにはなり得ます。例えば、明確な答えが存在しない質問に対して、スコアが低い場合は誤った回答をしている可能性が高いです。
信頼度スコアを用いたモデル選択
低コストのモデルで問題を解決しようとした際、その回答の信頼度スコアが低い場合には、高精度なモデルや別のプロセスに切り替えるといった方法が考えられます。これにより、計算資源の最適化やコスト削減が可能です。
信頼度スコアをどのように活用するか
アプリケーションでの実用例
信頼度スコアは、例えば複数の選択肢から最適なタグを選ぶといった用途でも活用できます。また、クローズドクエスチョン(Yes/Noの質問)を投げかけ、その回答の信頼度に基づいて次のアクションを決定することも可能です。
今後の展望
信頼度スコアの利用は今後さらに拡大し、AIモデルの改善や実用的なアプリケーション開発において重要な役割を果たすことが期待されます。
まとめ
信頼度スコアは、LLMの回答の信頼性を判断するための一つの指標となりますが、それだけに頼るべきではありません。スコアの解釈には慎重さが必要であり、実際の運用では他の評価指標と併用することが推奨されます。AI技術の進化とともに、信頼度スコアの活用方法もさらに洗練されるでしょう。