壮大なJapan Fintech Week(金融・フィンテックの祭典①)
今年の3月の前半は金融庁企画のJapan Fintech Weekということで金融、フィンテック関係のイベント目白押しだった。
今年初開催のJapan Fintech Weekは今までも毎年開催していたFIN/SUMという巨大イベントの他に、国内、地域向けイベントや海外との繋がりを考えたイベントなどを同時に連携開催することによって金融・フィンテックの更なる発展を促そうと考えられたものである。そしてそのイベント数は20以上!
自分が特に注目して参加したのは以下の3つのイベント。
各イベントの明確な個別のテーマ性
そして自分が主に参加した3つのイベントだけでもとても明確な個別のテーマ性があり、全方位から金融・フィンテックの発展を進めようという多数コミュニティの存在が見ることができとても面白い。
FIN/SUM:日本の内側から
今年8年目となるFIN/SUMは金融庁と日経が主催するイベントで、毎年何万人も来場するメガイベントである。
4日間にわたる数多いセッションには、メガバンク、証券、商社、保険、コンサル、フィンテック企業、ソリューションプロバイダー、当局、中央銀行などの名だたるリーダーたちが意見を交わしていた。様々なテーマが話されている中でも、今年感じられたのは
・地方金融の登壇が多いこと
・ホールセール決済(個人ではなく大手、法人の世界)への興味の強まり
・さらなる大手金融とフィンテックスタートアップの共存
などのテーマであった。
そしてFIN/SUMはある意味、ドメスティックな(日本の内側からの)観点でドメスティックな(日本の内側にいる)人材が作り上げているコンテンツである。多くのビジネスパーソンが日本の内側に顧客を抱えビジネスを行っていることを考えると、やはりこの観点やコンテンツがメインストリーム(王道)ということになる。
Japan Fintech Festival:日本の外から
FIN/SUMのドメスティック観点やコンテンツに対し、そこに全く対照的なのがJapan Fintech Festivalである。
世界最大のフィンテックイベントSingapore Fintech Festivalの企画に関わるElevandiが日本の外からの視線で作り上げたイベントで
・すべてのセッションが英語
・同時通訳なし
と徹底したインターナショナルぶりであった。
こちらは海外から招かれたスピーカーもとても多く、銀行、当局、VC、ソリューションプロバイダー、スタートアップなどがグローバルな観点から日本の存在などについても話していたが、テーマとして1週間ずっと一貫性があったのが
・クロスボーダー:どのように今ある境界線や国境を超えるソリューションを作るか
・クロスリージョン:国のみでなく地域も超えるソリューションを作ることができるか
・クロスアセット:株、債券、為替、コモディティなど各資産クラスごとのソリューションでなく、すべてまたは多くの資産クラスに対応できるソリューションを作れるか
であった。日本の外からそしてグローバルな観点からクロスボーダー、クロスリージョン、クロスアセットで日本もグローバルエコシステムに繋いでいこうという強いメッセージはある意味「黒船の襲来」である。
自分としてはこの黒船の襲来は良い意味でしかとらえておらず、その黒船がJapan Fintech Weekにこのような一大イベントを企画でき、日本でも大きなコミュニティを作り日本とグローバルの接続を試みている動きというのは、普段日本向けのビジネス、日本内側の観点・コンテンツばかり見ている人達にももっと理解してほしいと思っている。
ホケンノミライ:銀行、証券だけではなく保険の世界も
FIN/SUM, Japan Fintech Festivalが主に銀行、証券、運用会社などの業務フローに関わる金融・フィンテックの世界なのに対して、保険の世界での協創を進めようという有志コミュニティGuardTech(注、自分も在籍している)が主催したのがホケンノミライである。
こちらも既存の大手保険会社、コンサル、ソリューションプロバイダー、コンサルなどが、業界の分析、人材の活用、業界の動向などについて熱くディスカッションしていた。
例年FIN/SUMで数少ない保険のセッションがある程度だったのが、今年は有志コミュニティ始動で保険業界のための一大イベントがJapan Fintech Weekに打ち出せること、保険業界これからの更なる前進に期待がされる。
そして多数の個別なテーマ性の接続
対照的ですらある複数のテーマ性、そして21のイベントで乱立するテーマ性、それを一気に繋ぐ挑戦をしたイベントが「Japan Fintech Week 2024 Reception」であった。
多くのテーマ対象であっても乱立であっても関連性がある場合は多い。ただし「場」を提供しなければ関連性があるものも接続はしない。海外勢も含め大手金融機関のリーダー、コンサル、ソリューションプロバイダー、当局などのリーダーたちが一つの場にいる会場というのは圧巻だった。
「同じ釜の飯を食う」ではないが同じ場に短い時間いるだけでも、バックグラウンドの違い人達と目線を揃えるような会話ができとても密度の濃い時間だった。
このようなイベントを可能にしてくれた金融庁、そしていつもお世話になっているフィンテック協会の皆様には感謝しかない。
自分達は何をするのか?
この壮大なJapan Fintech Weekを見て、このコミュニティの中で自分達が何をするのかだが、感じていることは
・世界と日本を繋ぐネットワークの重要性
・多くのコミュニティを横断する人材の重要性
である。
自分達は世界・日本の金融を繋ぐネットワーク Symphony を展開しており、日本でも日系金融機関と外資金融機関が参加し業務フローの効率化を協働で進められるワーキンググループを運営している。以下の発表された業務フローの効率化の例もスタート時は外資のみだったものの現在では日系金融機関も本番環境で接続されている。
現在でも各資産クラスでSymphonyを活用しての業務フローの効率化に向けてのワーキンググループでの取り組みはフロント、ミドル、バックオフィス各エリアで進められている。
そしてコミュニティを横断する人材も重要だと信じている。とても関連するトピックを話しているFIN/SUMとJapan Fintech Festivalですら両方のイベントに参加している人材というのはとても少ない。さらにホケンノミライも足すとおそらく3イベントすべて参加したのは日本中で僕以外ほぼいないだろうといった感じである。ただそんな稀なことを頑張っているのはグローバルなネットワークを
・広く:銀行、証券、信託、運用会社、保険、商社、事業法人、ソリューションプロバイダーなど多くの業界を繋ぎ続けること
・深く:専門性を持って複雑な業界のワークフローと繋がり機械がヒトの業務をサポートできる形を多く作り続けること
などを引き続き進めることが社会やコミュニティの生産性を上げる近道だと強く信じているからである。
Symphony Innovateカンファレンス!
そのような「広く」そして「深く」のネットワークSymphonyのコミュニティのフラッグシップのカンファレンスが4月18日(木)ニューヨークで開催です。世界の先進的な金融機関そしてソリューションプロバイダーなどが最新の「深い」業務フローの効率化、共創する形など発信します。米国時間に開催ですが日本からもアーカイブなど見られるのでご興味あれば是非サインアップしてみてください。
またニューヨーク(もしくは米国)在住などで現地で参加して、熱気を感じネットワーキングもしたいという方は是非ご連絡ください。
(あとがき)フィードバックも金融業界の効率化などの仲間も募集しております
いかがだったでしょうか?是非このnoteへのフィードバックも聞きたいし、こんな目線での金融業界の効率化など一緒に仕事をするパートナー企業や個人募集しております。
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