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カスガノゲーム評『Sekiro: Shadows Die Twice』/フロム・ソフトウェアの新境地、これはただの和風ダクソではない!
これまでヘッドショットでやっていたゲームの感想などを、今後はこちらで書いていきたい。ちょっとeスポーツとは外れるのだが、シングルゲームも対象となる。
題して、カスガノゲーム評である。
の前に、まずはこちらをお読みいただきたい。
渡邉卓也氏による、なぜわざわざゲームを酷評する必要があるのか? という記事だ。
これを読んで、わたしも非常に共感を覚えた。誓って言いうが、わたしはメーカーから金銭などを貰って感想を書くことはしない。よって、つまらんゲームだったらはっきり、つまらんと書く。
それだけでは作った方に無礼なので理由もちゃんと書く。
面白い、つまらないは主観的なものだ。わたしがつまらなかったからといって、読者もそうだとは限らない。ゲームというものには絶対的な正解がないのだから点数をつけることなどは不可能だ。だからカスガノゲーム評は参考程度にとどめておいて欲しい。
某クロスレビューは複数人からのレビューというのは素晴らしいのだけど、点数をつけるのはナンセンスだ(そもそもメーカーに配慮したレビューなのではという疑いもあったりするがそれはまた別の機会に)。
点数制度は素早く評価を把握できるという利点はある。しかしやはり、点数の基準がないのだから、わたしは「良い・ふつう・悪い」くらいのあいまいな評価しかしないことにしよう。
さて、前提を分かっていただいたところで、第一回はこちらのゲームを評してみたい。
『Sekiro: Shadows Die Twice』
Steamストアページ
評価『超良い』
いきなり『良い』を超えてしまって申し訳ない。だってしょうがないじゃない。超良いんだもん。
またまた話がそれるが、時間があるかたはこの動画をご覧いただきたい。ゲームを面白くする上で重要なゲーム性とは何か、というお話で「リスクとリターン」について解説されている。
「桜井政博のゲーム作るには」チャンネルはゲームをやる人、つくる人、全員が必見というくらい、すばらしい動画を公開してくれているので、ぜひ登録しておこう。
なんでこの動画を見てほしいかというと、このゲーム、というかFROMさんのつくるゲームは「リスクとリターン」の塩梅がとても上手いのだ。
Sekiroとダクソの決定的違い「体幹」とは?
おなじFROMさんのゲームとしてダクソを例にあげよう。ダクソにはリスクとリターンに応じた大きく三種のディフェンス方法がある。下に行くほどハイリスク・ハイリターンとなる。
ガード
ローリング
パリィ
ガードはボタン押しっぱでいいので簡単にできるが、盾の性能によっては完全にダメージをなくすことはできない。それができる盾はたいてい重いというリスクがある。
ローリングはダクソといったらこれ、というくらいの代名詞的な回避方法である。タイミングがきびしいが、回避できればノーダメージにできる。
パリィは攻撃をはじくので、ノーダメージかつ反撃も可能。ただし、タイミングはもっともシビア。
Sekiroの場合は盾が存在しない。ならどうするかというと、刀で攻撃をガード、もしくははじくのである。
カードはノーダメージにできるし、はじくのはダクソのパリィより入力猶予は長いし、そのままガードに移行できるので難易度は低い。じゃあSekiroカンタンすぎないか? と思うが決してそうではない。
「体幹」というあたらしいアイデアがここに入れられているのだ。
ガードをし続けると体幹を削られ、ついには体勢をくずされてしまうのだ。こうなるとガードもできず、致命的なダメージをうけてしまう。そうならないよう、ときにはじいたり、ジャンプやステップでかわして距離をとるなどしなければならなくなる。
特定の攻撃は、ガードしても一気に体幹を削られる、なんていうことが起きる。この演出で攻撃の重さを表現することにも成功している。音や視覚効果に加えた新しい方法だ。
これにはおそれいった。こんなものを思いつくなんてすごい。ダクソとSekiroの決定的違いはこれといっていいだろう。ただダクソを和風にしただけ、と思ってはいけない。
さらにハイリスク・ハイリターンな防御方法として「見切り」というものもある。こっちのがパリィに近いが、これについて詳しい説明ははぶく。とにかくそれ以外にもダクソとの違いは多数あると思ってくれ。
Sekiroカンタンすぎないか? といったな。あれはウソだ
アクションの苦手なかたがこれを読んでやってみようか、と思うかもしれないので警告しておこう。Sekiroはめっちゃむずかしい。
そこいらにいるザコですら、油断すればすぐやられてしまう。それはFROMゲーを知っているかたならおなじみだろう。
ボスはもちろん、とんでもねぇ強さだ。わたしも葦名弦一郎になんど倒されたことか。数えきれんほどである。ちなみに葦名弦一郎を倒す、という実績の解除率は46%ほど。このボスは無視できない相手のため、倒せていないということはクリアをあきらめたということになる。じつに半分以上のプレイヤーがクリアできていない、ということなのだ。
それでもなお、なんどでも再チャレンジしようと思わせてくれるのは、そのゲーム性の高さゆえだろう。やっていくうち、少しだが自分が上手くなっていくのがわかる。最初はボコボコにされていたのに、いつしか攻撃パターンをおぼえ、ハイリスク・ハイリターンな行動をとれるようになり、ダメージをおさえ、効率的に反撃ができるようになっていくのだ。
強敵であってもぜひ、倒すまでやってほしい。難しいからこそ、倒したときの達成感、爽快感もひとしおなのだ。
あと地味に重要なのは、ボス直前にセーブポイントが用意されていること。なんども戦うことを前提にしたデザインだ。ダクソはちょっと遠いのよ。その問題点がきちんと修正されている。
参考動画
個人的なクリア後のお楽しみとして、RTAを見る、というのがある。Sekiroは上手い人だと1時間程度でクリアできるし、見せ場も多数、適度にお祈りポイントもある、とてもRTA向きなタイトルだ。
おなじみRTA in Japanでは、わたしの知る限り2回、採用されている。
RTA in Japan Summer 2021のカテゴリ「Shura Glitchless」。
あんなに苦労した葦名弦一郎をまさかあんな方法で倒すとは。それ以外にも難しいショートカットなども本番でバッチリ決めたり、プレイが華麗で見惚れてしまう。
そしてRTA in Japan Winter 2021のカテゴリ「不死断ちバグなし」がある。
非常に苦戦されているが、それでもちょうど1時間。ミスにより、簡単なボス攻略が不可能になって通常撃破せざるをえない、なんてことがあるのだが、それも上手くて引き込まれる。さすがRTA走者ともなると普通にやっても上手い。
上手いプレイに唸ったあとは、同じくらいの人を見て共感するのも楽しい。おすすめは世界屈指の有名女性VTuber、兎田ぺこらさんだ。
やったことのある人なら、彼女がキレるポイントはよーくわかる。強敵を撃破したときの喜びっぷりも。
しかし彼女、最初はわたしと同じくらいの腕前と思っていたのだけど、徐々に上手くなっていく。中盤から中ボスを初見でクリアするほどになっていて、明らかにわたしより上手い。
しかもそれを喋りながらやっているのだから恐れ入る。アクションの才能があるのではないか。
不満点もないわけではない
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