見出し画像

チーターやバッドマナーのプレイヤーに悩まされる昨今 オンラインゲームに必要なのは『クラン』なのかもしれない

全文無料の記事です

その昔、特にアリーナ系シューターをやっていたゲーマーたちはクランというものを作っていました。クランとは一族や血族というような意味ですが、おそらくアメリカのクエークコミュニティあたりから発生した(諸説あり)ものと思われます。

クランとは簡単に言えば、気の合う仲間が集う団体でした。一族といっても入るのに血の繋がりなど必要ありません。誰もが勝手に作り、気になるクランがあれば参加を申し込んでみたり、合わなければ脱退することもありました。

クランは、プレイヤー間で自然発生的に生まれます。誰かが発起人となり、メンバーを集め、大きくなっていきます。百名を超えるような大きなものもあったでしょう。

基本的には同じゲームのプレイヤーでクランを作り、IRCなどに集まって会話などをし、一緒にゲームをします。ときにクラン戦というクラン同士のスクリムのようなものも開催されました。

なぜチームでなく、クランだったのか。当時はよくわかりませんでしたが、今となってはその違いがなんとなくわかるような気がします。そして今こそ、このクランがオンラインゲーム・コミュニティには必要なのではないかと思うのです。

今回はそのようなお話をしたいと思います。

チームとクランの違いとは?

クランは真剣に練習する、というガチなものは少なく、ただ集まって一緒に遊ぶくらいのゆるいものでした。というのも、当時は公式大会などは(ほとんど)なく、小さなコミュニティ大会がときどきある程度だったからです。

もし大会に出場する場合は、クランから代表者を選びチームを作成しました。チームはクランタグを付け、クランの名誉を背負って参加したのです。

まず私は、チームとは大会へ出場するための最小単位(サブメンバーやコーチ含む。プロチームは除く)であると定義します。クランはそれを内包する集まりです。もちろん一つのクランから複数のチームが誕生することもあります。

コミュニティとクラン

そのクランを内包するのがコミュニティです。そのゲームをプレイする全員がそのゲームのコミュニティに(たとえ個人でも)参加しているとします。

オンラインゲーム>ジャンル>タイトル>コミュニティ>(クラン)>(チーム)>プレイヤー

チーム、クランには所属しないソロプレイヤーもいます。クランに所属しないチームもありです。

現在クランは、わずかに残っているばかりです。これをきちんと定義し、役割をもたせ、復活させるべきではないか、というのが私の主張です。

なぜ今クランが必要か?

たとえばここに野球少年がいます。彼が本格的に野球をやりたいと思ったとき、多くは地元のチームに所属することになると思います。中学以上でしたら部活に入るでしょう。プロの下部チームのようなところもあるかと思います。

ここで少年は多くのことを学びます。野球はもちろん、それ以外のこともです。もし彼がコーチ、監督、先輩の言うことを聞かない跳ねっ返りだったら。おそらくチームから爪弾きにされ、試合にも出られなくなるでしょう。

今、ゲーム界に足りないのは、このようなシステムではないかと思います。幼く、大人からの指導を受けないゲーマーは挨拶や話し方というマナーができていないことが多いです。それをこじらせると暴言、煽り、果てはチートや不法行為へ発展してしまうことになりかねません。

そうならないよう監督、指導する仕組みが野球などのスポーツにはありますが、ゲームにはないのです。そこでクランがあれば良いのでは、と思ったのです。

新たなクランとは

今回、私が提唱するクランは、過去のような自然発生的なゆるい集まりのことではありません。ゲームからきちんとサポートされたものです。
通常のランクマッチの他、クラン所属プレイヤーしか参加できないクラン・ランクマッチを作るのです。クラン所属プレイヤーであればソロでも参加できます。

現在、Apex Legendsなどゲーム内にチーム作成機能があるものも多いのですが、機能しているとは言い難いです。それをもっと発展させたものと思っていただければイメージしやすいのではないでしょうか。

当然ですが、クランは誰もが簡単に、自由に作れるものではなくなります。クランリーダーは権力を持つことになるので、なるためには審査が必要になるでしょう。身元がしっかりとした人でなければなりません。もしリーダーが不祥事を起こせばそのリーダーのアカウントBANの他、クランが解散となるくらいのペナルティが必要です。

クラン員にも責任が発生します。クランのタグを背負ったプレイヤーたちが一定数の報告を受けた場合、そのクラン全員の時限BANとなります。チートなど重大な違反であれば永久BANもありえます。

そうならないため、クラン内部での教育が必要になります。そのためリーダーはメンバーをBANする権限を持ちます。しかしリーダーが力を持ちすぎてもいけません。プレイヤーは申請が通りさえすれば、クランの移動も可能です。このリーダーにはついていけないとなれば、移動すればいいのです。メンバーが0になったらクランは自然消滅となるようにしてもいいでしょう。

クランのランキングなどは必要ないでしょう。競争心を煽るためのものではないからです。もちろん、あってもかまいませんが。

一匹狼でいたいのであれば、通常のランクマッチに参加すればいいのです。が、クランシステムが上手くいけば、そこはバッドマナーやチートの巣窟となるでしょう。

大会への参加は自由ですが、クラン所属者のみ、という規定のある大会を開くのも良いかもしれません。

メリットとデメリット

なんとなくクランのメリットがおわかりいただけたのではないでしょうか。マナーの向上や不正行為の抑止が期待できます。

デメリットとしては、リーダーの選出と規約の制定、クラン機能の実装を運営側に負担させてしまうということです。

もちろん、クランというのはただの名称ですので、同じ仕組みであればグループだとかギルドだとかクラブだとか、名前はなんでもかまいません。

チート対策をするよりは遥かにお安く済むと思うのですが、いかがですか? 各ゲーム開発会社様。ぜひご検討を。

ここから先は

0字

日々eスポーツの情報、コラムをお届けする春日現八を応援してください。 あなたの応援で活動が続けられま…

スタンダードプラン

¥100 / 月

こんにちは。日本の皆様にお知らせがあります。私の活動の援助をお願いいたします。私は独立性を守るため、皆様からの援助のみで活動しております。援助をしてくださる方は少数です。もし皆様が百円寄付してくだされば私はこの先何年も活動を発展することができます。宜しくおねがいします。