大学教員を目指す小学校教員がやっておきたいこと~学会発表~

今回は小学校教員の方向けに学会発表についてお話ししたいと思います。

以前、大学教員を目指す小学校教員がやっておきたいことについてはお話ししていますので、未読の方は以下の記事もご覧ください。

学会発表の方法

基本的にほとんどの学会で取られる発表方法としては2つあります。それは、

口頭発表

ポスター発表

の2つです。

その他にも、キーノートレクチャ―やシンポジウムなどの発表もありますが、これらは一般発表というよりも主催者側が招待をしたり、企画したりするものとなりますので、小学校教員の方が学会発表を行うときには上記の2つの方法が一般的になるかと思います。

口頭発表

その名の通り、口頭で発表する形式です。

発表者はパワーポイントを用いて発表することが多いのですが、パワーポイントを用いなければならない、という決まりはないはずですので、資料を作成し、配布したうえで発表をするというかたちでも問題はないはずです。
(学会によるかもしれませんので、発表方法については発表規則をご確認ください。)

発表時間が決まっており、発表後、質疑応答に入るといったかたちです。

概ね、15分程度の発表時間がとられていることが多く、12分発表、3分質疑応答といった割り振りで進みます。
(発表時間については学会によって異なりますので、こちらも発表規則をご確認ください。)

ポスター発表と比べると、発表時間が短いため、さくっと終わらせたい人にとってはお勧めの発表方法です。

普段から人の前で話をすることになれている教員の方であれば、問題なく口頭でも発表を行うことができるかと思います。

また、自分の発表を見に来てくれている人は、基本的に自分の発表内容に興味をもってくれている人ですので、質疑応答も活発に行われることがほとんどです。

そのため、積極的に議論をしたい、発表に対する意見を聞きたい、という方は口頭発表を選んだほうが良いかもしれません。

ポスター発表

あまり聞き慣れないかもしれませんが、学会発表ではポピュラーな発表方法の一つです。

自分が作成したポスター(掲示物)を所定の場所に貼り、自由に研究内容を見てもらうという形式です。

昔は貼っておくだけで、興味のある方が見ればよい、というかたちのポスター発表も多かったのですが、最近は「責任時間」という時間が設定されるようになり、その時間内はポスターの前に必ず待機し、参加者と議論をするというかたちがとられるようになっています。

これまでも基本的にはポスターの前に立ち、読んでくれた方と意見を交換するというかたちだったのですが、中にはポスターだけを貼り、自分は他の人のポスターを見る、という動き回る人も多かったため、上記のような対策がとられるようになっています。

責任時間は15分~30分程度で設定されていることが多く、ポスター発表を管轄する「座長」という方からは必ず質問を受けることが多い印象です。

そのため、少なくとも一人とは質疑応答を行う必要があります。

口頭発表と比べると、ポスターの前にいる時間は長くなるかもしれませんが、自分1人に注目を集めるというスタイルではないため、人前で話をするのが苦手な方はポスター発表のほうが向いているのかもしれません。

ただ、自分のポスターが見向きもされないというのは、結構堪えますので、それはそれで悲しい想いをすることになります。

ポスターの作成について

ポスター発表を行うためには、ポスターを作成しなければなりません。

このポスター作りが意外と面倒なのです。

ポスターを作るのが面倒で口頭発表にする方もいるほどです。

ポスターは、一般的には大判印刷機と呼ばれるもので印刷しますので、そこら辺のコンビニなどで印刷できるわけではありません。

これは印刷会社に頼むか、学校に大判印刷機があるのであれば、それを使わせてもらうしかありません。

ただ、上記の方法だと印刷だけでなく、大判印刷をするために必要なデータの設定などにも時間がかかるため、私は別の形でポスターを作成して発表を行っています。

別の方法とは、パワーポイントで作ったスライドを印刷し、分割してポスターとする方法です。

図を見てもらったほうが早いと思いますが、以下のように大判タイプのものを、

大判ポスター

このように分割してポスターとします。

パワーポイントを使った分割ポスター

そうすることで、印刷はパワーポンとをA3程度の大きさで印刷すればよくなり、持ち運びも楽になります。

しいて言うならば、ペラペラの紙だとすぐに角が曲がってきてしまう可能性がありますので、光沢紙やマット紙などの少し質の高い紙を購入し、分割ポスターを作成すると良いでしょう。

大判で印刷したほうが見やすいのかもしれませんが、私個人としてはあまり見やすさに違いはないのかなと感じています。

印刷のしやすさ、データの入力、編集のしやすさ、持ち運びやすさなどを総合的に考えると、分割ポスターのほうが私は好きです。

※地獄

どちらの発表にも言えることですが、一番恐ろしいことは、内容を叩かれることではなく、誰も発表を見に来てくれないということです。

内容を叩かれるということは、それだけ研究内容に関心を持ってくれていることであり、基本的に学会とは叩く場所ですので、むしろ真っ当な議論ができていると考えるべきです。

それよりも、口頭発表で発表する教室に誰もいない、ポスター発表で誰も足を止めてくれない、といった状況のほうが、何倍も恐怖を感じます。

これは、教授になっているベテランのの方々も恐れている事態であり、中には、自分のゼミの学生に発表を聞きに来るよう指示を出し、「サクラ」を用意する先生もいるほどです。

学会発表においては「関心を持たれない」ということが1番の屈辱となりますので、内容を叩かれた場合は、さらに良い研究に向けて前進したと捉え、誇りに思うべきです。

今回は学会発表の方法についてお話ししました。

内容でもお分かりかと思いますが、ポスター発表における分割ポスターについては、個人的におすすめです。

私は、学会発表をする際はほとんど分割ポスター方式で発表をしています。

極論を言えば、紙の大きさや鮮やかさよりも、内容が大切ですので、自分が準備できる方法を取ればよいと思うのです。

大学教員を目指さなくとも、学会はいろいろな意見をもらえたり、人脈が広がる場でもありますので、ぜひ一度学会に参加してみてはいかがでしょうか。

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