ビールの製造工程の内側をお見せします【外資系バルブメーカー事例紹介】
ビール好きなら、一度は参加したことがあるであろう「ビール工場見学会」
昨今の状況を踏まえて、ほとんどの工場見学はまだまだ休止を強いられています。
それでも季節の巡りは止まることはなく、だんだんと春に近づきつつあり、ビールがより美味しく感じる季節の到来をひしひしと感じます。
そこで今日は、「ビール工場見学会」に参加出来ずとも、
ビール製造の事を学んで、より一層ビールを楽しんでもらいたいという思いから、
製造工程の内側に精通するバルブメーカーの GEMU Japan(ゲミュージャパン)が
ビールの製造工程の内側をお見せしようと思います。
バルブメーカーが支える「私たちの日常」
ビール製造に限らず、
製薬・食品・飲料・バイオテクノロジー・化粧品・半導体・一般産業など
様々な製品の製造現場において、「バルブ」が製造工程を制御しています。
つまり、「バルブ」は「私たちの日常」を支える柱の一つであるという事。
そんな、「バルブ」を取り扱う GEMU Japan(ゲミュージャパン)が
皆さんの「日常生活」と「普通では知りえない製造現場の内側」を結び付けようというのが、このブログの趣旨です。
そして、今回のテーマが「ビールの製造工程の内側」です。
そもそも GEMU Japanはどんな会社?
1964 年、ドイツにて設立したバルブメーカー「GEMÜ」
(GEMÜは、ゲミューと読みます。)
ドイツの本社を中心に、全世界1900名以上の仲間とともに、
ドイツ、スイス,フランス,中国,ブラジル、米国の6つの製造拠点を持ち
27つの子会社が力を合わせ、全ての大陸に渡り成長拡大を続けています。
特に世界の製薬業界において、『世界シェアNo.1』を誇り
無菌性のサニタリー配管のアプリケーションにて格別の信用を頂いています。
そして、近年では半導体業界で徐々にシェアを伸ばしています。
そんな GEMUの日本チームであるのが GEMU Japan(ゲミュージャパン)です。
「もっと多くの人に製造業の内側を知ってもらいたい」そして、「日本の製造業界の発展に繋げたい」という思いで、情報発信をしています。
世界的な「飲料産業」の現状
飲料産業は,食品業界で3番目に大きい分野であり,多様な製品と形態を持つ分野として挙げられます。
「非アルコール飲料」
(水、ジュース、清涼飲料、 スムージー、コーヒー、紅茶など)
「アルコール飲料」
(ビール、ワイン、 スパークリングワイン、果実酒、スピリッツ、リキュールなど)
今日、飲料は単に水分摂取によって、喉の渇きを癒すためだけでなく、
栄養食品として、あるいは高級食品として消費されるようになりました。
特に今もなお続くパンデミックにより、人々の生活様式の変化に伴い、消費のトレンドがさらに大きく変化したと言われています。
その消費者の益々増大する要求と激しい競争により、
飲料業界はより生産性の高い自動化された設備が求められているのが現状です。
特に日本国内に限っては、農林水産省の食品製造業の調査によると、
「雇用人員不足がより深刻な状況にある」ことと、「労働生産性が低い水準に留まっている」ことが報告されています。
そのため、高い衛生性、安全性を備えた機械の導入の必要性が高まっている状況。
参考:食品産業の動向
ビールの製造工程
そのような「高い衛生性、安全性を備えた機械」が、ビールの製造工程には導入されているのか見てみましょう。
まず、大体の製造の流れは、こんな感じ。
①麦芽を粉砕
砕いたモルトと最適な硬度の水を糖化槽内で混ぜる
②攪拌
温度を段階的に上げて、含まれる酵素により澱粉を水溶性成分に変換
③加水・精製
可溶性成分がかすから分離
④ホップ添加・蒸発
目的の麦汁含有量に合わせて麦汁を蒸発
⑤沈殿・冷却
⑥酵母添加・発酵
嫌気性発酵により、グルコースとフラクトース等の発酵性成分からアルコールとCO2が生成
⑦保管・熟成
タンクで熟成保管。残留糖が更に分解され、更なるフレーバーとCO2で飽和したビールが生成される
⑧ろ過
分離(遠心分離・デカンター等)、ケークろ過*および深層ろ過による幾つかの工程を経て、酵母とその他の粒子に分離
ケークろ過とは、ろ材の表面に粒子が堆積するろ過様式を言い、ろ過の進行とともにろ材の表面上にケークと呼ばれる粒子堆積層が形成される方法。
参考:Tech Note
⑨充填
圧力とCO2を用い、ボトルや樽へ無菌充填
これが一通りの「ビールの製造工程の流れ」でした。
アプリケーション内の自動化事例
ここからは、どんな機械やバルブによって、工程が「自動化」されているのか見てみます。
①麦汁の準備において
上記のような配管を通って、ビールの元となる「麦汁」が作られていきます。
その中で使われているのが、
「空気操作式バルブ」(赤枠内)と「リミットスイッチ」(青枠内)
これら2つのアイテムによって、バルブの開閉が機械制御されています。
この「リミットスイッチ」というのは、バルブの開閉状態を制御盤にサインを送り、フィードバックするもの。
これがバルブそれぞれに搭載されていることで、全てのバルブから情報が集まります。
この機能により、バルブの制御を一括管理することが可能になり、開閉したいバルブを遠隔で正確に操作することが出来るというわけです。
こうして、「省人化・効率化」を行っているわけですね。
②充填の機械化
皆さんもTVなどで見たことがあると思いますが、
充填の工程では、上記画像のような機械が使われています。
この中で使用されているのが、「空気操作式フィリングバルブ」と「電動式フィリングバルブ」
この2つのアイテムによって、高い衛生性と生産性を兼ね備えた充填を行っています。
特に、この「F60型 電動フィリングバルブ」に関しては、
・200~300mm/s の作業速度
・充填曲線を自由にプログラミング可能
この2つの特徴により、迅速かつ、流体の状態に合わせて容器に注ぎ込むことが出来るということ。
このようなバルブが、充填機の一部として機能しているわけです。
ビール工場見学会終了
以上、「GEMU Japan ビール工場見学会」でした。
普段では知りえない「ビール製造の内側」を多少ご理解頂けたのではないかと思います。
今日の話が、ビールの「おつまみ」にでもなれば良いなと思います。
本日、紹介したバルブの詳しくをリンクしておきます。
◆空気操作式バルブ詳細
◆リミットスイッチ詳細
◆電動式フィリングバルブ詳細
◆空気操作式フィリングバルブ詳細