【自動制御バルブ】ポジショナーの役割
今回は、バルブの実践編として
「空気操作式バルブの自動制御」について。
空気操作式バルブの「課題」と「解決方法」
自動バルブの中で最も一般的な「空気操作式バルブ」
こちらの記事でご説明しました。
簡単に言うと、こんな仕組みで動いています。
①外部機器(コンプレッサー)と接続し、圧縮空気を流し込む
②アクチュエーター内に空気が流れ込み、バネが押し上げられる
③バネと連動した弁体が上昇し、流路が開かれる
(厳密に言うと作動方法にも種類がありますが、今回は最も主流なノーマルクローズの場合の説明)
この空気操作式バルブは、プロセス産業において非常に多く採用されています。
しかし、通常の場合、空気操作式バルブは単体ではON/OFFの機能しか持ち合わせていません。なぜなら、基本的に圧縮空気を送り込むコンプレッサーからの空気は一定だからです。
つまり、空気操作式バルブは”全開”と”全閉”の2パターンしか実現出来ないという事。これが「空気操作式バルブの課題」です。
しかし、製造現場において製造プロセスはそんなシンプルではなく、流量を細かく調整しながら製造を行う必要があります。つまり、0-100%の間で自在にバルブの開度を調整することが求められます。
そんな課題を解決してくれるのがこちら
『インテリジェントポジショナー GEMÜ 1436 cPos』
空気操作式バルブ+ポジショナー
GEMUの空気操作式バルブには、この『インテリジェントポジショナー GEMÜ 1436 cPos』を装着する事が出来ます。
これを取り付けることでバルブの開度調整、ひいては流体の流量調整が可能なシステムになります。これを多くの場合「コントロールバルブ」と呼びます。
ポジショナーの役割
ではこの『インテリジェントポジショナー GEMÜ 1436 cPos』がどのように空式操作式バルブの開度調整を行っているかと言うと、
非常に簡単に言えば、コンプレッサーとバルブの間に接続され、コンプレッサーからバルブに送られる圧縮空気の量を調整します。
例えば、コンプレッサーから送られてくる空気の量を100だとします。
そして、その先の空気操作式バルブに60の空気しか必要ではないと判断されると、ポジショナーは100の空気を60に絞ってバルブに供給するわけです。
こうしてバルブの開度の調整、つまりは流れる流体の流量調整を行っています。
ポジショナーの相棒「センサー」
じゃあその「空気操作式バルブが60の空気しか必要ではない」と判断しているのは何なのかと言うと。
『インテリジェントポジショナー GEMÜ 1436 cPos』にフィードバックを送る「センサー」です。
センサーとは、配管の一部に取り付けられ、配管内の流量や圧力、温度等を測定する装置です。
このセンサーとポジショナーがお互いに作用し合い、以下のようなサイクルを回します。
① 配管を流れる流量を、センサーからポジショナーにフィードバック
② 流したい設定値とセンサーからのフィードバック(実測値)に違いがあるか計算
③ ②の結果を受けて、流量を増やすべきか減らすべきか判断し、バルブへの供給する空気量を調整
④ 空気量が調整されたことでバルブの開度が変わり流量が変化
⑤ センサーにて再び計測
この①~⑤のサイクルを回し続け、設定した流量をキープする。
こうして精度の高い”自働化”された製造プロセスを作り上げているわけですね。
以上が、『インテリジェントポジショナー GEMÜ 1436 cPos』による
プロセス産業における「自動制御」の仕組みでした。
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