日本で未だに認められない同性婚。同性パートナーシップとの違いや世界との比較
〜初めに〜
同性パートナーシップ制度とは
「各自治体が同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認め証明書を発行する制度」です。
2015年11月に東京都渋谷区と世田谷区で施行され、2022年4月現在では208の自治体で施行されています。
全国総人口5割以上の自治体人口をカバーしており、全国に広がりをみせています。
しかしながら日本において同性婚は未だに認められていません。
今日は、日本での同性婚が認められない要因は何があるのか、また同性パートナーシップとの具体的な違いについて簡単にまとめ少しでも多くの方に性の多様性やLGBTQ+の方々への理解につながればと思います。
〜日本で同性婚が認められない要因〜
①憲法24条1項による解釈の相違
憲法24条1項によると「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により維持されなければならない」と定めています。そのため同性婚を認めるためには憲法改正が必要だという考えがあるためです。
政府も、「憲法24条は同性婚を想定していない」として、同性婚を認めない姿勢を明らかにしています。その一方で憲法24条は同性婚を禁止しないとの解釈から2019年に同性婚を認める法案を国会に提出するなど、同性婚を認めるために精力的に活動する国会議員もいます。
②差別・偏見があるためにセクシュアルマイノリティーをカミングアウトできない社会背景
日本でセクシュアルマイノリティーの方々がカミングアウトできない社会背景となった要因として、明治維新とともに西欧文明が取り入れられ、1873(明治6)年になると男性同士の性行為を罪とする「鶏姦(けいかん)罪」が規定されたことが挙げられます。それまでの日本では男色という文化がありましたが、西洋の列強国に追いつくことを目標としていた当時の日本では、欧米諸国でタブーとされる男色を容認したままにしておくわけにはいかなかったようです。「鶏姦罪」は1882(明治15)年にはなくなり、法律上で男色が禁止されることはなくなりましたが、明治後期には男色を悪とする考えも強まっていきました。大正時代に入ると、西洋的な考え方はさらに浸透し、ついに日本で当たり前であったはずの男色は「病気」として扱われるようにまでなってしまいました。このような時代背景から日本では徐々にLGBTQ+の方々への偏見や差別が強くなっていったことが考えられます。
〜パートナーシップではなく同性婚を求める理由〜
パートナーシップではなく同性婚を求める理由として主に次のような理由が挙げられます。
・同性カップルのみが結婚できず、法的に夫婦と承認されないのは不公平で法の下の平等(憲法)に反する。
・同性カップルにも、異性カップルの法律婚と同じ権利・地位が認められるべき(配偶者控除などの税法上の優遇、相続人となる権利、遺族年金の受給など)。
・いざというときに家族として認めてもらえない事態を避けたい(パートナーが病気やけがで意思表示できない場合に、代理人として手術や必要な処置について契約できないことがある)。上記以外にも、さまざまな状況で、同性カップルは不利になることがたくさんあります。次に日本だけでなく世界ではどうなっているのか性的指向分布を見てみましょう。
〜世界での性的指向分布〜
世界的に見てみると欧米諸国、オーストラリアなどはすでに同性婚が認められています。中東をはじめとし宗教的に同性婚が厳しく罰せられる地域もありますが、日本は先進国の中でも特にLGBTQ+といった性の多様性についての法整備が遅れていることがわかります。
〜今後の私たちにできること〜
今後、私たちにできることは、LGBTQ+の方々もそうじゃない方々もお互いを理解し合い尊重し支え合える社会を築いていくことが重要だと思います。
そのためにGEMPが架け橋となりカミングアウトがカミングアウトじゃなくなる世界、マイノリティーがマイノリティーじゃない世界を目指して今後も情報を発信していきます。
参考文献
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