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ベクターブルーイング 下町そぞろめぐり2024 #1

 昨今のクラフトビールブームの先駆け的な存在であるベクターブルーイング(VECTOR BREWING)さん。今年から下町そぞろめぐりに参加くださいましたので、取材させていただきました。

浅草橋の住宅街にただずむクラフトビールの醸造所 兼 直売所

 ベクターブルーイングは、2013年に国産クラフトビールを扱うビアレストランを新宿御苑に開業したのち、「せっかくなら自分たちで作ったビールをお客様に飲んでもらいたい。」と想いのもと、ビール醸造を開始しました。その後、2017年12月には浅草橋にビール工場(浅草橋醸造所)を新設、入り口にはベクターブルーイングの看板商品である「ねこぱんち」が絵描かれており、目印となっております。
 また、浅草橋醸造所は直売所も兼ねており、出来立てのビールを楽しむことができます。

ベクターブルーイング 浅草橋醸造所 目印は「ねこぱんち」の絵

クラフトビールを気軽に、もっとおもしろく!

 今回、お話をお聞きしたのは、浅草橋醸造所の責任者の三木さん。5年ほど前にベクターブルーイング(ライナ株式会社)に転職されたそうで、その前のご職業はなんと銀行員だったそうです。転職の理由をおたずねすると、「何か楽しいことをやりたかった」とのこと。ベクターブルーイングのコンセプトである「クラフトビールをもっとおもしろく!」を、今まさに実践されている方なのだと感じました。
 そんな三木さんも、入社後はいろいろとあったそうで、一番苦労されたのは何といっても前任者と同じ味を出すことだったそうです。ビール造りのレシピもマニュアルもあったそうですが、微妙な誤差により味が変わってしまうものとのこと。その当時、失敗しても会社が何度も作り直すことを許してくれたことで、醸造技術を身につけられたと感謝していました。
 三木さんにビール造りで大切にされていることをお伺いすると、「全員がおいしいと思うビールを作るのは難しい。しかし、多くの人がおもしろいと思ってもらうことを目標にしている」とのことでした。

浅草橋醸造所 責任者 三木さん

おすすめ商品(定番商品・季節商品)

 ベクターブルーイングでは、クラフトビールを楽しんでもらうため、積極的に新商品開発に取り組まれております。多い時期には1か月ごとに新商品をリリースされておりましたので、驚きです。
 定番商品としては、なんといっても「ねこぱんち」です。名前の由来は、猫パンチのような可愛らしい苦味だそう。柑橘系の爽やかな香りがするビールです。

「ねこぱんち」 缶になって新登場

 そして次に人気のある商品をお伺いすると、「猫結び」だそうです。ロゼワインを思わせるきれいなピンク色のビールで、「ビーツ」と呼ばれる赤色が特徴的な野菜を使われています。グレープフルーツの様な香りと、しっかりした苦味を持ったビールとなります。

「猫結び」 ピンク(赤色)が特徴的

 また、季節に応じた商品も提供しており、この秋の時期はその名もずばり「秋ねこぱんち」です。定番商品である「ねこぱんち」を秋においしい料理と合うように改良したもので、褐色でコクがあり、スペシャルビターを楽しめるビールとなっております。

「秋ねこぱんち」 

 このほかにも魅力的なクラフトビールが豊富にあります。また、高頻度でリリースされる新商品(新しい味)を楽しむのもおすすめです。

サステナブルな取り組みをご紹介

 ベクターブルーイングではこれまで、本来なら廃棄されてしまうような食材を利用したビール開発(アップサイクルビール)にも積極的に取り組まれています。
 2021年には、全国30店舗を展開する「メゾンカイザー」でロスとなってしまったパンを使用した「パンからつくったペールエール」のビール醸造を担ってきました(※1)。
 2022年には、富山県のワイナリー(やまふじぶどう園・ホーライサンワイナリー)でワインの醸造過程で発生する「葡萄の絞り粕」を利用したビールを共同開発し、販売しております(※2)。
 また最近では、規格外の抹茶を活用したクラフトビールの醸造(※3)や、蔵前発の地域循環&アップサイクルプロジェクトである「KURAMAEモデル」の仕組みを活用した「蔵前エールbotanical」(※4)のビール醸造にもご協力いただいております。
[URLリンク]
 ※1 https://maisonkayser.jp/topics/1948/  (メゾンカイザー)
 ※2 http://bit.ly/3XKmOqo  (ワイナリー)
 ※3 https://www.asahi-youus.com/article/202407048205.html  (抹茶)
 ※4 https://www.asahi-youus.com/article/202405048062.html  (蔵前エールbotanical)
 
 そして、ベクターブルーイング自身も製造過程で発生したビールの絞り粕(麦芽かす)は廃棄せずに、地元中華料理店の方が保有する畑のたい肥として再利用してもらっているとのことです。

再利用予定の麦芽かす

地域への思い

 そして、三木さんに地域とのつながりについてお尋ねすると、「この浅草橋醸造所は、住宅街のど真ん中に工場を構えさせてもらっており、周りの住人の方々には大変感謝している。これまでも地域のイベントには可能な範囲で積極的に参加してきており、今後もこの浅草橋とその周辺エリアを盛り上げる活動をしていきたい。」とのことでした。
 直近のイベントとしては、10月13日(日)に開催予定の「第7回アサクサバシフードフェスティバル」に参加されるとのことです。
 皆さんも是非ご参加ください。

SDGs宣言書

さまざまな活動の中から経済、環境、社会の3則面からの取組みをベクターブルーイングのSDGs宣言書として表明いただき、SDGs経営支援チームTOKYOの中小企業診断士が内容を確認いたしました。

ベクターブルーイング SDGs宣言書


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