花屋での部下への教育について
花の業界に入って25年。
アルバイトから始めて今は経営者になりました。
花屋を経営している方や従業員の方へ経営者目線からのメッセージと思って書きます。
結論
花屋の仕事全般ができる人、または人材育成を行える能力がある人は数少ないので、まずは業務がスムーズに進むような仕組みを作りましょう。
オーナーの仕事が多い
多くの花屋オーナーは常に様々な仕事を抱えて毎日忙しく働いています。
仕入れ・商品制作・電話対応・接客・店舗管理・商品管理・経理など多岐にわたり、その上でさらに人材教育まで手が回らないのが現状です。
さらに言えば人材教育が苦手で「花の技術が高い=仕事ができる」と思いひたすら技術力を磨き続け独立したオーナーの多くは人材教育などできるはずはなく、どうしても人に教えることが上手ではない傾向があります(私もそうです)
大きなリスクを背負いお店を経営しているので、少しでも自分の働きやすい(イライラしない)職場にして仕事に集中できる環境を作っておきましょう。
採用したらまずは3ヶ月間自社の基本ルールを叩き込む
「前の花屋ではこうしていました」「前の会社でこのように教わりました」
花屋で新しく人材を採用するとかなりの確率でこういったことを言い、自社のルールや仕事の進め方を受け入れてくれない方がいます。
花屋において重視する人材教育の基本は「自社のやり方を順守」してくれることなので、入社後は3か月間ほど徹底的に自社ルールを教えましょう。
ベテランの経験者が入社してくれれば今の業務状況が解決するというのは幻想で、どんなに職歴がある経験者でもいきなり自社の仕事全てをこなせることはなく、逆に前職のクセのせいで混乱を招くこともあり得ます。
アルバイトでも社員でも採用してしまうと簡単には解雇できないので、最初は3か月の契約社員として採用し自社のルールが守れそうになければお互いのためにも3か月後に契約終了という方法がおすすめです。
従業員側からみれば、なんて勝手な会社だ!と言われるかもしれませんが、ポンコツな従業員をこれから先何年も雇用し続けるほど余裕のある花屋はごく一部ですので、正式な採用にはこのくらいハードルがあってもいいと私は思います。
部下の仕事は自分の60%と考える
花屋オーナーの多くは長年の経験と努力を重ね独立し経営しています。
理想とする自身のスタイル・コンセプトが強く、それがお店の個性となって多くの顧客を獲得できます。
しかし従業員が増えてきてから問題が起こります。
自分の思うような商品が作れなかったり、接客対応が気に入らなかったりと自分と同じようなことができていないことに腹が立ち、毎日イライラして
「どうしてわからないんだ」「どうしてできないんだ」と頭を抱えます。
従業員とオーナーは仕事に対するモチベーションも意識も全く違うと割り切り、さらに自分と同じことを他人ができるわけがないので、自分のする仕事の60%ができていればOKと考えましょう。
上司が仕事ができない
花屋では入社してからの勤務年数で上下関係が決まることが多く、能力が低いにもかかわらず上司になる人がいます。
当然そのような人は人材の育成を行える能力もないので素質がある人材が後から入社しても適切な指導は期待できません。
逆に新入社員はその人の不平不満や仕事の手抜き方法を見てしまい悪影響を与えることがあるので注意が必要です。
これを防止するにはオーナーが上下関係のもととなる基準を定め、能力に合った上下関係の形成と給与面で差をつけましょう。
教えるのではなく「仕組み」を作る
従業員を自分の思い通りに動かすには指示や教育ではなく仕組み化することで解決することがあります。
例えば店内の清掃ができていない場合にオーナーが気が付いたときに注意するのではなく、は毎朝9:00~9:15は「絶対に」店内の清掃をするという決まりを作り、さらに清掃方法についても基準を決めます。
お花お任せの注文の時は「この花でこの大きさで作る」とメニューを決めてもいいかと思います。
従業員が自発的にオーナーと同じことを思い行動することは絶対にないので、イライラするくらいなら仕組み化してしまいましょう。
私も長く花屋に勤めましたがオーナーの意味不明のイライラをよく見てきました。
そのときに思ったのは「やることを決めてくれ」です。
決めてくれていれば従業員としてきちんとこなすので、仕組みというものはオーナーにとっても従業員にとっても必要なものだと思います。
GEMCASEでできること
GEMACASEを活用した日常業務では予定表のスケジュール管理が重要です。
配送時間も工夫してできるだけ無駄のないルート配送を心がけてください。その中で「メモ追加」という機能があります。
これは注文以外の用事や連絡事項を入力するものですが、これで「何時に誰が何をする」を決めてください。
そして予定表に定めた時間には必ずその業務を行うという仕組みにします。
いつもできていないイライラしそうなことは先にスケジュールとして決めておくことで、オーナーも従業員もスムーズに業務を行えると思います。