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自分だけの巡拝ルートを作る

令和6年の恵方が「東北東」であることから、面白い“遊び”を思いつきました。
地図を広げて、自宅から東北東の角度に直線を引いてみたのです。
 
そして驚くべき偶然に、しばし固まってしまいました。
ペンで引いたラインに、これらの名所旧跡・古社・名刹の地図記号がぴったりと重なっていたのです。
 
∴修学院離宮―卍比叡山延暦寺―⛩日吉大社―⛰鶴翼山(八幡山)―⛩多賀大社
 
一度も訪ねたことのない修学院離宮と多賀大社(滋賀県犬神郡多賀町)を起点・終点として、“恵方ラインに沿って巡拝の旅をしようと決めました。

ここで「恵方」について触れておきます。
陰陽道では、福徳をもたらす吉神「徳歳神とくとしがみ」は 年ごとに決まった方角に鎮座する と信仰されています。

少しややこしいのですが、ここで言う「徳歳神とくとしがみ」は、お正月に家庭でお迎えする「歳神様としがみさま」とは別です。「としがみさま」はその土地の農業神とご先祖の霊が習合したもので、日本の神道・神話の神様です。
 
中国伝来の陰陽道に基づく恵方は、「十干じっかん」(*)で決まっています。
令和6年(2024年)は甲辰(きのえ・たつ)の年。十干の「甲」が決定要因となります。
この「甲」(きのえ)に当てはめられている方角が「東北東」なのです。
(厳密に「東北東やや東」とする説明もありますが、ここではシンプルに)
 
*十干じっかん陰陽五行いんようごぎょう説での考え方。
「木・火・土・金・水」(万物を構成する5つの要素)
それぞれに 陽=兄(え)と 陰=弟(と)がある。
木の兄(きのえ) 甲 → 東北東
木の弟(きのと) 乙 → 西南西
火の兄(ひのえ) 丙 → 南南東
火の弟(ひのと) 丁 → 北北西
土の兄(つちのえ)戊 → 南南東
土の弟(つちのと)己 → 東北東
金の兄(かのえ) 庚 → 西南西
金の弟(かのと) 辛 → 南南東
水の兄(みずのえ)壬 → 北北西
水の弟(みずのと)癸 → 南南東
 
(補足になりますが)恵方にフォーカスしている神社が京都市内にもあります。
神泉苑しんせんえん(真言宗の寺)の境内にある「恵方社」。その年の恵方に向かって参拝できるよう、祠の向きを毎年変えているのがユニークです。
晴明神社(陰陽師 安倍晴明がご祭神)の湧き水「晴明井」。その湧き出し口が、恵方になるよう、毎年向きを変えられています。
 (実は、ここで手をすすいだ時に、あの“遊び”を思いつきました)
 
 
巡拝計画に話を戻します。
恵方に(あるいは恵方から)良いエネルギーが流れているのなら、乗ってみるのも良いと思いませんか?
一続きの旅にしても良いし、一、二カ所ずつ行ったり帰ったりを繰り返しても良いと思います。四国八十八カ所を巡るお遍路さんのように。
 
個人的には“弾丸”旅はしません。ゆとりの中に、偶然の出会いや発見があると考えるからです。
歴史に思いを馳せながら、時には歩いて山に登り、自然に触れ、ゆっくりと心を遊ばせたいと思います。
 
ライン上に聖地が並ぶのは、ただの偶然なのか、私が理由を知らないだけなのか、それとも自分なりに意味を見つけられるのか、楽しみです。

<追記>恵方にある寺社を参拝する風習がすでにあることを教えて頂きました。ありがとうございます。
“良いアイディアを思いついた!”と思ったら、オリジナルではなかったということ、よくあります…。

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