スライミーでスライムを作ろう②
スライム作製キット、スライミーシリーズを使ってスライムを作ります。
前回ご紹介したように色々な種類がありますが、今回は変わったタイプのものを選びました。
「ナタデココスライミーをつくろう」と「ソフトクリームのスライミーをつくろう」
この二つを作ってみました。
まずは「ソフトクリームのスライミーをつくろう」です。
中身はこんな感じで、フタ付きのカップの中に「ふわふわ魔法の液」と「香りの液(ストロベリー)」そして、ポリシートが入っています。
ポリシートは下に敷き、その上で作業します。
まず、ふわふわ魔法の液を袋の上から揉んで混ぜ、カップに入れます。
次に、香りの液を入れ、直ぐに割りばしで混ぜます。
ゲル化してスライムが出来ました。簡単です。
見た目は本当にアイスクリームみたいです。ストロベリーの香りがするのでなおさらですね。
成分表を見ると、基本はPVAとホウ砂のスライムなんですが、それに加えて中空微粉体とセルロースパウダーが入っています。
その二つの粉末がスライムを軽くし、ベタベタ感を抑えています。つまり、アイスクリームの感触に近づけているんですね。
さらに、粉末がゲルを白濁させることでアイスクリームのような見た目にしています。
作り方も感触も違いますが、泡を利用した「ふわふわスライム」でも似たような感じに出来そうです。
続いて、ナタデココスライミーを作ってみましょう。
中身は透明なカップとスライミー魔法の液(PVA水溶液)、ナタデココスライミーのもと(ホウ砂水溶液)、ナタデココのもと、ポリシートです。
事前準備として、ナタデココのもとを冷凍庫に9時間以上入れて凍らせます。
凍らせると白くなります。解凍するとナタデココのように半透明になります。
スライミー魔法の液(PVA水溶液)とナタデココスライミーのもと(ホウ砂水溶液)をカップに入れ、割りばしで混ぜます。
すぐにゲル化します。マンゴーの香り付きです。
解凍したナタデココのもとを袋から取り出し、端をはさみで切って形を整えます(写真はまだ解凍しきっていません。悪い例ですw)。
本当にナタデココのようで、弾力があって良い感触です。
次に、はさみで四角に切ります。滑りやすいので、手を切らないように気を付けて下さい。小さいお子さんがやる時はサポートしてあげた方が良いと思います。
スライムの上にナタデココをのせたら完成です!
気になるナタデココの成分ですが、実はこれもPVAとホウ砂のスライムなんです。
なぜナタデココのようになったのか?
最初にナタデココのもと(スライム)を凍らせましたが、凍らせることでゲルの構造が下図のように強固になるんです。
凍結することで水は凍って体積が大きくなり、PVA(ポリビニルアルコール)の分子鎖を押し出します。
押し出された分子鎖が集まって規則正しく配列し、結晶構造を作ります。
分子鎖どうしの距離が近くなることで、水素結合し易くなるのも大きな要因です。
スライムは図のように、ホウ酸イオンによってPVAが橋掛けされてゲル化していますが、凍結してできた結晶構造領域は、PVA同士の水素結合で出来ています。密に橋掛けされることで弾力のあるゲルになるんです。
では、洗濯のりとホウ砂で作ったスライムを凍らせればナタデココのようになるかというと、かなり難しいと思います。
というのも、ナタデココのもとに使われているPVAは、洗濯のりに使われているPVAよりも結晶性が高く、分子量の大きなもの(粘性が高い)だと考えられるからです。
凍らせる前の段階ですでに白っぽくなっていました。これはPVAが部分的に結晶化している証拠です。
経験上、市販の洗濯のりで作ったスライムの場合、凍結融解を何度繰り返しても元のスライムのままで、弾力のあるゲルにはなりません。
本物のナタデココについては以下を参照下さいw
今回は少し工夫を凝らしたスライムでした。クツワさんの出すスライミーシリーズは、下に敷くシートや保存用のフタ付きカップが付属する点が嬉しいですね。分量の調整なども不要で、簡単に作ることが出来るところもポイント高いです。
ちなみに、どの製品も誤飲防止のために苦味が添加されています。大人でも間違えそうな見た目ですよね。香り付きなのでなおさらw