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グァーガム

食品の増粘剤として使用されるグァーガム。
スライムにも使われています。

グァーガムの粉末を水に溶かすと、とろみのある液体になります。
冷水に溶けるので、扱いやすいです。

このグァーガムの素となるグアー豆がここ数年高騰しています。

グァー豆(Wikipediaより引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%83%A1)

なぜなのか?
それは、グァーガムがシェールガスの採掘に使用されているからです(主に米国で)。
シェールガスは、岩盤に高圧の水で亀裂を作ることで採掘されています。
その水にグァーガムを混合しているんです。
岩盤に作った亀裂が塞がるのを防止するために砂を入れているのですが、その砂を運ぶために使っているそうです。
水にある程度粘性を持たせることで砂を均一に混合し、スムーズに流せるようにしているのかもしれません(推測です)。
単に増粘剤が必要なら、グァーガムである必要はないです。
増粘剤の中でもグァーガムは水に溶け易く入手し易いので、その点が重宝されているんでしょう。
以上のような理由で、シェールガス採掘にグァーガムが大量に使用されています。

結果、グァーガムは高騰しています。

この影響を強く受けたのがアイスクリームです。
グァーガムはアイスクリームに欠かせない増粘剤。
最近アイスクリームが値上げされている理由の一つなんです。

グァーガムはソースやドレッシングなど、調味料や料理の増粘剤として幅広く使われています。
もしかすると、値上げされた商品があるかもしれません。

では、グァーガムを使用したスライムの価格はどうなのか?
こちらは価格据え置きのようです。
意外とグァーガムを使ったスライムは多く、全てを把握出来ていないので断言はできません。
少なくとも、こちらでご紹介したスライム製品は値上げされていません。

「SLIME!」は触り心地がとても良く、伸ばしやすいので楽しいです。
個人的に、一番お勧めのスライムです。写真はオレンジのみですが、色のバリエーションも豊富です。

グァーガムだけだとこうはならないので、おそらくホウ砂などを入れて粘りを出していると思われます。

そういえば、バルーンスライムにも使われていました。

こちらはグァーガムでスライムを柔らかくし、膨らませ易くしているようです。

グァーガムは図のような構造の多糖類です。水酸基(OH)を多く持ち、水への溶け易さの一因になっています。

シェールガス革命によってアメリカは天然ガスの輸出国となり、その天然ガスは日本にも輸入されています。
さらに、エチレンなどの製造にも使われています。
ビニル袋や多くのプラスチック製品はポリエチレンで作られているので、天然ガスはエネルギー用途以外でも重要な資源です。
グァーガムは意外なところで活躍しているんですね。

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Gelate(ジェレイト)
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