片栗粉スライムとダイラタンシー
片栗粉で作るスライムはドロドロの液体です。
スライムは「どろどろするもの、粘液」という意味なので、
洗濯のり(PVA)で作るものより本来の意味に近いと言えます。
一見、伸びも粘りも無い、ただのドロドロした液体ですが......
実は、片栗粉スライムには他のスライムに無い特性があります。
どんな特性なのか、作って確かめてみましょう。
片栗粉と水を1:1で混ぜるだけです。
ぞれぞれ100gずつ、小さめのボールに入れてヘラで混ぜると作りやすいと思います。
今回は40gずつ混ぜて作りました。
最初は混ぜ難いので、ヘラで縦に切るようにして混ぜてください。
少し粘性のある液体が出来上がりました。粘性が全然無いと感じたときは、片栗粉を一割(100gの場合は10g)ほど追加してみて下さい。
このドロドロの液体をつかみ、ギュッと握ります。
硬くなりました。ゲルというより粉の塊です。
と思ったら、すぐにドロドロの液体に戻りました!
動画で見た方が分かりやすいです。
*最近、動画を撮り直しました。
あっという間に状態が変わります。一体何が起きているんでしょうか?
この現象は片栗粉の粒の並び方に原因があります。
図のように、ギュッと握って圧力をかけると、粒の間に隙間が出来ます。
隙間に水が入っていくため、表面の水分はなくなり、固くなります。
握った手を開くと、粒は元の密な並び方に戻るため、隙間がなくなって水は外に出ていきます。
そのため、ドロドロの液体に戻るんですね。
この現象をダイラタンシーと呼びます。
雨などで水を含んだ砂浜を歩くと固くなるのも同じ現象です。
これとは逆の性質を示すのがチキソトロピー性材料。
力をかけると流動性のあるゾルになります(原理は全く異なります)。
ゲルインクやマヨネーズがそうです。
片栗粉スライムはホウ砂を使わないため、
小さな子でも一から作って楽しむことできます。
ダイラタンシー現象は何度見ても飽きない不思議さがあります。
*「片栗粉スライム ASMR」で検索する方が多いようなので、ASMR動画を作りました。