つかめる水
綺麗な見た目と不思議な触感。
たまに売られているのを見かける「つかめる水」
どんなゲルなのでしょうか?
作るのは難しくありません。
人工イクラ実験セットを使って作れます。
人工イクラを「つかめる水」と言えなくはないですが、
ここでは別物として扱います。
アルギン酸ナトリウム(粉末)1gを100mlの水に溶かします。
溶けにくい時は、ラップをかけて冷蔵庫に一晩入れておくと溶け易くなります。
ここでは、時間短縮のためにホットスターラーを使って溶かしています。
こんな機器を持ってる人は居ないと思うので、気にしないで下さいw
割りばしなどを使って手でかき混ぜるだけでいいです。加熱する必要もありません。
綺麗に溶けました。
次に、乳酸カルシウム4gを400mlの水に溶かします。
こちらは混ぜていれば5分程度で溶けます。
調整した乳酸カルシウム水溶液は、浅いバットなどに移して下さい。
スプーンでアルギン酸ナトリウム水溶液をすくい、乳酸カルシウム水溶液にゆっくり漬けます。
このとき、容器が深いとスプーンを入れにくいので、出来る限り浅くて広い容器を使ってください。
全体が浸かったらスプーンをゆっくり横にして揺らし、ゲル化した水溶液をスプーンから落とします。
目視で分り難い上に、簡単にはスプーンから離れないので焦らずやってください。
1分ほど経過したら、ゲルをすくい上げます。
これで「つかめる水」の完成です。
手に取るときに力を入れたり、下に落としてしまうと簡単に破れて中の液体が溢れ出してきます。優しく扱ってください。
付属の食用色素などで着色すると見易くなり、作るのが少し楽になります。
ゼリーとは違った触り心地です。触っていたら、うっかり破ってしまいましたw
ちなみに、スプーンを使わずに容器から一滴ずつ落とすと、人工イクラと同じ綺麗な球状のゲルになります。
小さい球状だと変形しにくく、やや固いので「つかめる水」という感じはしません。
つかめる水は、アルギン酸カルシウムのゲル膜が、アルギン酸ナトリウム水溶液を包み込むようになっています。
アルギン酸ナトリウムのカルボキシル基を、乳酸カルシウム水溶液中のカルシウムイオンが架橋し、ゲルになります。
アルギン酸ナトリウムが瞬時にゲル化するため、中まで乳酸カルシウム水溶液が浸透しません。外側だけがゲル化します。
*当初、間違えて人工イクラと逆と表記していましたが、同じです。申し訳ありません。
水バルーン実験セットというものもあります。
内容は同じなので、どちらを使っても作ることが出来ます。
手軽に作りたいときは、「つかめる水」に類似のお菓子が販売されているので、スーパーやドラッグストアで探してみて下さい。